2011年03月17日 第177回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【594】 - 質問
東北地方太平洋沖地震 被災地の統一地方選挙延期法案 衆院で可決、参院へ
2011年3月17日午前、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会は、東日本大地震で甚大な被害を受けた被災地における4月の統一地方選挙を延期する法案を、全会一致で可決しました。
この法案は、午後の衆議院本会議に緊急上程され日本共産党などの賛成多数で可決し、参議院に送られました。
採決に先立つ倫理選挙特別委員会の質疑で、佐々木憲昭議員は「今回の大震災の被害は未曽有の規模で広範囲に及んでいる。救済と復興に全力を注ぐ立場から、日本共産党はいっせい地方選の全国的な延期を提案した」と述べました。
その上で、「法案は被災地の選挙を2カ月から6カ月の延期を可能にするもので、これは当然の措置である」と表明しました。
佐々木議員は、今回の特例法は統一地方選を対象にしているが、8月31日に任期満了になる岩手県釜石市議会や岩手県大槌町議会のような被災したところの中間選挙はどうするのかと質問しました。
片山善博総務大臣は、「重要な論点であり、必要なら(新たな)法案をお願いする」と答え、別の特例法を提出する考えに言及しました。
また、「災害の都度、法律を出すのでなく一般法の中に特例があってもおかしくない。必要があればみなさんに相談する」と述べ、大規模な災害時に選挙を延期する制度を公職選挙法などで定めることも検討する考えを示しました。
この法案は18日午前、参院本会議で可決され、22日施行の見込みです。延期される自治体の指定は被災地の事情を聞いた上で、行われる予定です。
延期される自治体の指定は、施行された当日の22日に1次分、24日に2次分が公表されました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
今回の東日本大震災の被害というのは大変未曾有の規模で広範に及んでおりまして、救済と復興に全力を注ぐ、こういう立場で、我が党は統一地方選挙の全国的な延期を提案してまいりました。
今回政府が提案した法案は、被災地に限り、選挙期日を2カ月から6カ月の間、延期を可能とするというものであります。被災地の選挙期日の延期ということは当然の措置だというふうに私は思います。
それで、幾つか確認をしたいんですが、その延期の対象であります。
先ほども少し議論がありました、阪神大震災の場合は、特別の財政援助及び助成に関する法律というのができまして、そこで定められた特定被災区域のうち、選挙を適正に行うことが困難と認められる市町村、こういうふうに限定をされていました。
今回は、地震の影響のため選挙を適正に行うことが困難と認められる県、市町村となっておりまして、対象となる県、市町村というのは何を基準かというのは先ほど御回答があったというふうに思います。
それで、延期されるその選挙の行われる日、これは政令で定めるとしていますけれども、これはどのように日を定めるか、この点について伺いたいと思います。
○片山総務大臣 これは、実はもう既に被災地からは実情をお伺いしているんですけれども、この法案を可決、成立していただきましたら、正式に、被災地の皆さんから、いつごろであればできるのかということをそれぞれ伺いたいと思っております。
私の考えは、先ほども議論がありましたけれども、これは民主主義の基礎をつくる作業でありますから、できるだけ早くやるということが基本であります。
ですけれども、これはできなければしようがありませんので、できるだけ早くということで、では、いつできるのかということを伺いながら、政令で決めていきたいと思っておりまして、今、いつ政令で決めるのか、政令ではいつにするのかということは、今の段階では未定であります。
○佐々木(憲)委員 本来、主権者国民の選挙権というのは大変重いものでありまして、それを制限して延期する場合、これはどのような要件が必要かということが大事な点だと思いますが、政府としては、この点はどのように考えておられますか。
○片山総務大臣 これは選挙事務が執行できないというのが一つの大きな目安だと思いますし、それから、有権者の皆さんがもう今は生活の基盤を失われてしまって、仮に選挙を執行できたとしても、事務の方はできたとしても、有権者の皆さんが対応できないというような状況が見られる、そんな場合が考えられると思います。
○佐々木(憲)委員 法案で延期の対象となるのは、この4月に行われる統一地方選挙、それを延期する。延期の期間は最大9月22日まではできる、こうなっております。この間に被災地では、例えば8月31日に任期満了となる岩手県釜石市の市会議員がおられます。この市街地は、冠水して沿岸部は壊滅状態。それから、大槌町の町議があります。これは、町長を初め、約1万人と連絡がとれない、こういう状況にあります。
任期満了となったときに、選挙を適正に行うことが困難だということがはっきりした場合、こういうところで、それはどういう扱いになるのか。つまり、今回の対象とは違う、その先の任期満了になる議員の場合であります。これは公選法57条の繰り延べ投票の適用ということは可能なのか、それをどのように扱うのか、そこをお聞きしたいと思います。
○片山国務大臣 これは、私もこのたびの改正作業に携わりまして思い当たった論点で、非常に重要な論点だと思います。
御指摘の繰り延べ投票というのは、これはちょっと趣旨が異なりまして、告示をして既に選挙が走っている間に、その選挙期間中に何か不測の事態が生じて投票できないといったときに投票日を延ばすということであります。
今おっしゃったように、例えば8月とかに任期が来て選挙をすることになるけれども、その段階でも、まだとてもそんな状況ではないというときにどうするかというのはよく考えなければいけないと思います。
当面、この法案は、もう目前に迫った4月の選挙で今月中にも告示が始まったりしますので、これは急いで手当てをしないといけないということで、とりあえずこの法案をお出ししておりますけれども、その後の問題についても、実はもう私たちも心を砕いているところであります。もし必要がありましたら、その必要な法案をまたお願いすることもあるやもしれません。
もう一つは、実はこの種の特例措置というのは、その都度こうやって法律を出すのじゃなくて、一般法の中に何か特例があってもいいのではないかと私は個人的には考えておりまして、そんなことも検討の上、また必要がありましたら御相談をさせていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 終わります。ありがとうございました。