2010年03月25日 第174回 通常国会 議院運営委員会 【563】 - 発言
議院運営員会で国会同意人事について意見表明
2010年3月25日の本会議で、先に政府から提案されていた8機関32人の国会同意人事案が採決されました。日本共産党は、7人に反対、25人に賛成しました。
それに先立って、佐々木憲昭議員は議院運営委員会で「意見表明」を行いました。人事官候補の原氏については、3月17日に聴聞会が行われ、佐々木議員が質問しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 同意人事について意見を述べさせていただきます。
まず、人事官です。
原恒雄氏の再任に当たっては、この4年間の人事官としての活動を問わなければなりません。
この間、人事院決定をめぐる最大の問題は、小泉内閣の総人件費抑制政策に忠実に従い、給与引き下げ勧告を重ねてきたことであります。
原氏が人事官に就任した2006年の勧告では、本来なら給与増とすべきところ、給与の官民比較基準を意図的に変えて、勧告なしといたしました。昨年、2009年には、自公政権の圧力に屈し、4月になって突然臨時調査を行い、夏のボーナスを削減するという異例の勧告を行いました。これは、人勧制度のこれまでのルールをも一方的に踏みにじる乱暴なやり方でした。
私が3月17日の議院運営委員会所信聴聞会でこの点をただしたところ、原氏は、昨年夏のボーナスは異例の取り扱いを勧告したと認めながら、基本的には調査に基づいて勧告をするという形になっており、12月に一度に削減するのは問題が出てくるという認識であのような形をとったなどと弁解しました。この姿勢は、中立公正の立場を放棄するものであり、労働基本権制約の代償機能を果たすべき人事官としてふさわしくありません。
また、国家公務員制度改革の根幹問題である労働基本権の回復に関して、私がILO勧告の受け入れについて質問したところ、原氏は、日本としてはこう考えるというのを政府として方針を出されるというのが順序と述べました。政府の方針待ちで、みずからの見識表明を回避するようでは、日本国憲法28条や国際労働基準にのっとった公務員制度改革は期待できません。
以上の理由から、原氏の人事官再任には賛成できません。
次に、原子力安全委員会委員候補の班目氏であります。
経産省が設置した検査の在り方に関する検討会の委員長として、原発の定期検査の間隔を現行の13カ月から24カ月に延長することを認める報告を取りまとめ、安全確認を後退させる役割を果たしました。
また、中越沖地震の直後に経産省が設置した原子力施設に関する調査・対策委員会の委員長につきましたが、調査も原因究明もしていない段階で運転再開は1年後と発言し、各方面から厳しい批判を浴びました。原子力の安全規制に関する事項を所管する委員会の委員として、不適任であります。
公益認定等委員会委員候補の海東氏は、滋賀県高島市長時代に、事業仕分けで大型箱物事業を対象から除外し、障害者福祉など住民向けサービスを削減するなど、効率一辺倒の行革を行った結果、市民の厳しい審判を受けました。
昨年末、新政権下の仕分け人として参加していますが、これまでの活動経歴から見て、公益認定の審査において公平性が確保されるか大いに疑問です。
公認会計士・監査審査会は、不正事件が後を絶たないため、2004年に従来の公認会計士審査会を改組し、監査法人等に対する監視、監督の機能を強化し、監査の質を高めるために設置されたものであります。
この役割から見て、監査を受ける側の公認会計士、監査法人の代表的幹部が、監査を行う側の審査会委員となること自体、中立性の観点から見てふさわしくないと考えます。
最後に、日銀政策委員会審議委員についてであります。
今回、電気事業連合会副会長として財界活動を行ってきた森本氏が提案されていますが、同氏が任命されれば、日銀政策委員会9名のメンバーのうち3名が産業界からの任命になります。国民各層の意見を公平に反映すべき政策委員会が産業界の比重をこれ以上高めるべきではないとの観点から、賛成できません。
以上であります。