アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

税制(庶民増税・徴税) (児童扶養手当・子ども手当)

2010年02月26日 第174回 通常国会 財務金融委員会 【555】 - 質問

子ども手当・全額支給でも増税世帯 財務省認める

 2010年2月26日、財務金融委員会で、国税関連法案に対する質疑、参考人質疑が行われました。
 佐々木憲昭議員は、子ども手当の導入にともなう税額控除の廃止(増税)などで、逆に負担増となる世帯が生じることを独自の試算を示して追及しました。
 財務省は、同手当の半額、全額支給ともに増税世帯が生じることを初めて認めました。
 まず、2010年度に半額(月1万3000円)を支給する同手当法案について、11年度からの全額(2万6000円)支給の確約もないのに、予算関連法案では所得税や住民税の年少扶養控除廃止など、全額支給のための増税を先取りしている問題をただしました。
 菅直人財務大臣が「最終的には連立政権のなかで、どういう形で実現するか議論する」などと、いまだ全額支給の保証がない実態を認めました。
 佐々木議員は「『恒久措置』として増税を盛り込んでいるのに、全額支給を確約していないのは問題だ」と批判しました。
 また佐々木議員は、サラリーマンの片働き夫婦と3歳未満の子ども1人の3人世帯の場合、子ども手当が半額支給されただけでは、控除廃止によって大半の世帯が負担増になるとの試算を示しました。
 財務省の古谷一之主税局長も「現状のままであれば、こういう計算が可能だ」と認めました。
 さらに、税制改正大綱に「見直し」が盛り込まれた配偶者控除の廃止が実施された場合、子ども手当全額支給の場合でも、給与収入総額が700万円で年間2.2万円の増税になるなど、収入によっては負担増となる試算を示しました。
 古谷局長は「収入が上がると適用税率が上がっていくので、こういう計算になる」と認めました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 最初に、政府税調のあり方についてお聞きをしたいと思います。
 政府税制調査会、これは民主党政権になって大きく位置づけが変わったと思います。その内容がこれまでとどう違うのか、政府税調の位置づけについてまず菅大臣にお聞きをしたいと思います。
○菅財務大臣 御存じのように、従来、特に自民党政権下では政府と与党に二元化していた従来の税制調査会を、この新しい鳩山政権では一元化をして、政治家をメンバーとする新たな税制調査会を設置し、同時に、税制改正プロセスを透明で国民にわかりやすいものといたしました。
 この新たな税制調査会においては、議事の模様をインターネット中継するなど、公開を原則とし、透明性の確保を図ったところであります。
 また同時に、一昨日、専門家委員会というものをこの税調のもとに設けまして、そうした専門家の皆さんの提言や御意見もいただく、そういう形になっております。
○佐々木(憲)委員 税制改正大綱を見ますと、納税者の立場に立って、公平、透明、納得の三原則、これを税制のあり方を考える際に常に基本とすると、立派な中身であると思いますが、述べています。政府税調のあり方、運営の仕方、当然この三原則を貫くというのは基本だと思いますが、先ほども透明性に言及をされました。
 そこで、具体的にお聞きしますけれども、例えば昨年の11月17日に、租税特別措置及び非課税等特別措置の見直しのための論点整理に関するプロジェクトチーム、こういうものが報告を政府税調に提出しておりますが、このプロジェクトチームはいつ行われ、どのような内容か、どういう理由で報告がまとめられたのか。議事録、配付資料も含めて、ホームページを見ても公開されているのかどうか。この点は公開されているんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○峰崎財務副大臣 プロジェクトチームについては、これは論点整理ということが一つの大きな課題でございましたので、これについては原則として公開をしないということで進めてまいりました。当然それは、ちょっと敷衍いたしますと、本体会合で出てくるわけでありますので、そこでは全部公開をされるということでございます。
○佐々木(憲)委員 原則これは公開されていないということですね。
 先日、2月23日、政府税調は、所得税、住民税の所得控除見直しに伴う社会保険料負担への影響を検討する作業部会の初会合が開かれたと報道されていますけれども、そこに出された配付資料、議事録、これはホームページではどこで公開されているんでしょうか。
○峰崎財務副大臣 この点も、先ほどの租税特別措置に関するプロジェクトチームとほぼ同じ扱いなんですが、資料の公表だけは、会議が終わった後に主査となっておられる政務官が記者ブリーフィングをいたします、その中で資料として公表をしている。そして、中身については、どういうことを議論しましたということは記者会見を通じて明らかにしているというのが実態でございます。
○佐々木(憲)委員 そうすると、一般の方が見ようと思ってもこれは見られないわけですね。
 では、先日、2月24日、政府税制調査会専門家委員会の初会合に出された配付資料、議事録、これはホームページに公開されているんでしょうか。
○峰崎財務副大臣 この専門家委員会については当然、旧政府税調と同じように、資料はホームページで公開いたしますし、議事録も、これは実は早く出してもらいたいということで私どもも、かつての経済財政諮問会議と同じぐらいのペースで早くやってもらえないかと思ったんですが、実はメンバーの方が11名おられます。その11名の方々に全部やはり目を通していただいて、間違いがないかあるいは修正をする必要がないか、こういった点やはり時間が必要だということで、一応2週間ということで、ややちょっと遅い感じがしないでもないんですが、なるべく早く急がせますが、議事録の公表はしております。
 そして、記者会見については、実は神野委員長が記者会見を進めるということになっております。
○佐々木(憲)委員 近々公開されるということですが、この配付資料も当然公開するという理解でよろしいですね。
○峰崎財務副大臣 配付資料は、先ほど申し上げましたようにホームページで公表するということになっております。
○佐々木(憲)委員 最初にお尋ねをした部分については公開をされていないと。それから、24日の分はまだ日が浅いので公開していないと。したがって、私が指摘した部分についてはまだ何も公開されていないわけであります。
 これは、新聞にはそういうことがあったということは報道されているわけですから、当然国民は関心を持って、どんな資料なのかな、こういうことになります。
 このプロジェクトチーム、専門委員会などを非公開にする理由ですね。透明性をしっかり担保、確保していくんだ、こういう話がありましたが、どうも実態は、公開が十分進んでいないような感じがいたします。菅大臣、こういう実情ですので、やはりこれはできるだけ公開をしていくということが必要だと思います。
 自民党、公明党の政権のときと比較をいたしますと、政府税制調査会、総会だけでなく小委員会、それからその下のワーキンググループなどの議事録、配付資料、それから会長会見録、これはホームページで公開して、国民だれもがそれを見ることができたわけです。
 その点からいうと、どうも政権がかわって公開が後退したんじゃないかと逆に思わざるを得ないような事態になっているわけで、これはおかしいんじゃないでしょうか。
○峰崎財務副大臣 この間、24日に行われた専門委員会の第一回の会合について出された資料はもう既にホームページに掲載をしておりますので、議事次第もそこに載っていますし、設置要綱や運営要綱なども全部載っておりますので、この点は明確にしておきたいというふうに思います。
 それから、いわゆる何が私たち変わったかというと、やはり税制調査会というところの決定会合ですから、これがやはり内閣の中で一元化をして、そこはすべて私たちは、25回行いましたけれども、すべてこれはオープンにしておりますし、インターネットにおける中継もやっております。かつての自由民主党の税制調査会はこういう公開はなかったと私は思っておりますし、私も自社さ政権のときに内閣におりました。そのときにも、実は決定する人と実際に答弁席に立つ方は全然違っておりました。
 そういう意味でのやはり大きな質的な違いがそこにございますので、我々は、職務権限と実はその物事を決める人がやはり同時でなければいけない、このことを、政官業の癒着の構造を絶っていくためにも不可欠だということを申し上げておきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 いやいや、ちょっと話がずれておりまして、自公政権の時代でやっていた、少なくとも政府税調の話を私はしているんですよ、政府税調の話を。総会はもちろんですけれども、小委員会、それからワーキンググループの議事録、配付資料、こういうものも全部公開していたんですよ。
 ですから、菅大臣にお聞きしますけれども、こういうものは公開して、国民の知る機会をふやすというのは当然のことだと思います。大臣にぜひ御回答をいただきたいと思います。
○峰崎財務副大臣 ちょっと具体的なことですから。
 先ほど、ちょっと私勘違いしておりまして、旧政府税調の中で本当にそれは公開されていたのかというと、実は、部会だとかあるいは専門委員会とかそういったところは公開はされておりません、原則は。そういう意味で、その点は事実関係の違いがありますので、その点を私の方からは指摘しておきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 いや、ホームページで公開をしていたのは、小委員会、その下のワーキンググループなどの議事録、配付資料、こういうものが公開されていたというのは事実ですので、したがって、当然そのぐらいのことは、政権がかわって透明性と言っているんだから、やるべきじゃないのかと。
 やるならやると言ってくださいよ。それをやらないというんなら、それはその姿勢だから、それはやらないということなんだろうと。これは後退だなと思わざるを得ないわけで、はっきりしていただければいいです。
○峰崎財務副大臣 今お話しなさったことも、あるときは出したり、部分的に公表されたりすることはありましたが、全面的な公表というふうにはなっておらないんです。
 ですからその点は、私どもは今回、税制調査会の各種の、今お話があった専門家委員会の本体会合についても、議事録、ホームページ、こういった点についての公表はすべて行っているわけですから、この点は旧政府税調と決して大きく劣るということはありません。むしろ進んでいるというふうに思っていただいて結構だと思います。
○佐々木(憲)委員 どうも認識が少し違うんですね。ここはもう少し事実関係を明確にした上で、さらに透明性を求めるということで議論を続けたいと思います。きょうはこの程度にしておきたいと思います。
 それから、その問題に関連をしてメンバーのことですが、政府税調はこれまでは、人選の問題は別として、例えば消費者の代表、労働組合の代表が参加して審議をしていたと思います。今回はその機会がなくなったのではないかと思います。改善するというおつもりがあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○峰崎財務副大臣 私たちは野党時代、今は政府ですからあれですが、野党時代に、政府税制調査会というのは一体どんなことをやっているんだろうということを絶えずウオッチングしてまいりました。そのいわゆる政府税調、旧政府税調の答申の中身を見てみると、どうもやはり、ある意味では丸くなっていったり、筋が通らなかったりするような点も多々見られたのではないか。
 私たちは、そういう旧政府税調におられた方々からもいろいろな意見を野党時代にも聞いてまいりました。そうすると、どうしても利害関係に絡む方々が入ってくると、その利害関係の入った方々が実は、非常に理屈とは言えないようなものが入って、最後の調整段階でそれが調整されてしまう。その意味では、やはり筋の通った答申案をつくってもらうという必要があるんじゃないか。こういったことを私どもは、旧政府税調を担当しておられた、すべての方ではありませんが、主な方々からヒアリングをしたことがございます。
 その意味で、できればこの専門家委員会の場合は、原則的にはやはり専門家と言われている方々を、しかも一つの論理というか理論的に、やはり税というのは一つの論理ですから、その意味で、それをしっかりと確立していただいて、中長期的なビジョンをつくってもらう必要があるのではないかということを考えたわけです。
 そこで、例えば労働界の人たち、消費者の人たち、こういう人たちの声を聞かないのかというと、そういうことではありません。これは、私たち政府税調の本体でも聞いてまいりましたし、これから専門家委員会の中に置かれる小委員会の中には、そういう、ある意味では利害の絡んだ方たちの代表者みたいな方たちも入って意見を表明するということ、これも十分検討されているということでございます。
○佐々木(憲)委員 論理を重んずるので声は聞く必要はないというのは、どうも私は理解できませんね。消費者というのは、国民の大多数が消費者ですよ。大多数というかみんな消費者ですよ。そういう関係者の意見、それから、働いている方々は労働組合をつくっておりますから、そういうものの代表の意見を聞く、そういうのは私はごく自然なことだと思います。もちろん、個別の業界団体とかそういうものの癒着などというのは廃しなきゃいけないと思いますけれども、国民の声を聞くという基本的な姿勢は、この税制についてもしっかりと確保していただかなければならないと思うんですね。
 それから、通告はしていませんけれども、少し関連して言いますが、財務省の陳情への対応ですね。これは菅大臣にお聞きします。
 官僚が国民の声を聞くというのは、私は必要なことだと思います。いろいろな陳情があると思うんです。例えば消費者団体、労働組合、あるいは中小企業の団体、そういう方々が財務省にぜひこのことを訴えたいと行きますと、新政権になったので役人が陳情で話を聞くことはできなくなった、こういうふうに言って断られるというわけですよ。私はこれはおかしいんじゃないかと思うんですね。
 もちろん、役人が政治家にかわっていろいろなことを言うのは、それはいけないという理屈はわかります。しかし、そういうことを言われたから、もう一切陳情は受けないんだと。私は、これはほかの省庁もずっと聞いてみたら、ほかの省庁は、陳情は受けると受けているんです。実際にそういう陳情をしている方々は、財務省だけは受けてくれないというんですね。菅大臣、そういう事実、御存じでしょうか。
○菅財務大臣 一度、私も改めて状況を把握してみようと思っていますが、この間、党の方でかなり陳情については、いわゆる一元化というようなこともありまして、そちらから来るものについては政務三役が手分けをして対応すると。
 財務省の方は、どこかの部門で窓口はあるようですが、どういう基準で受ける受けないをやっているのか、もう一度改めて、またどうあるべきかも含めて改めて、私自身把握をしてみたいと思っています。
○佐々木(憲)委員 わかりました。
 それでは次に、もう大分時間がたちましたが、子ども手当の関連について、残り時間、質問したいと思います。
 所得税、住民税の年少扶養控除の廃止は、子ども手当の財源に充当するために行われるんだ、こういう説明であります。基本的なことですけれども、子ども手当が支給される家庭はすべて、負担増との差し引きで手当の額が上回る、こういうことになると理解してよろしいのかどうか。ここを伺いたい。
○峰崎財務副大臣 先ほどもお答えしたように、今年度1万3千円の支給をされる。
 そのときに、いわゆる税法では、所得税の扶養控除それから住民税の扶養控除、これが廃止をされるというのが来年あるいは再来年度というふうに延びてまいりますので、そのときに今のままですと、先ほど公明党の石井委員からあったように、もし1万3千円のままだったらどうなんだと言われると、それはやはり負担が上回る世帯も出てきますよということは間違いないと思いますが、我々は、先ほどから言っているように、来年はナローパスというか非常に大変厳しいけれども、マニフェストで子ども手当を来年は上げるということを約束しているわけですから、その前提でいくとこの点は解消されるということでございます。
○佐々木(憲)委員 すべて上回るというふうにはならないということだと思うんですね。
 では、具体的にお聞きしましょう。
 来年度予算案及び関連法案によりますと、今回の措置で手当てする子ども手当の制度は、単年度、つまり2010年度分のみとなるわけです。支給金額は、子供一人当たり月額1万3千円。その一方、年少扶養控除を廃止するということですが、その実施は、所得税が2011年1月から、住民税が2012年6月から増税となる。
 給付については、恒久的な制度だけれどもまだそれが定まっていない、今検討中、それなのに財源は、増税は恒久措置として認めてほしい、こういうことになっていると思いますが、そういうことですね。
○峰崎財務副大臣 現時点においてはそういうことでございます。
 ただ、私たちは、先ほど言っているように、来年度の約束をずっとしてきているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 峰崎さん、ちょっと答弁が余分なことが多過ぎますので、私、時間がなくなりますから。
 先日、2月23日の本会議で、子ども手当法案の質疑の中で、長妻厚労大臣が2011年度以降の子ども手当について、昨年12月の四大臣合意を踏まえつつ、財源のあり方も含め、平成23年度予算編成過程において改めて検討することになっております、基本的には、マニフェストどおり実現できるよう、政府全体で検討し、結論を得てまいります、こういう答弁でした。
 ということは、2011年度以降は検討の結果、満額の支給ができるといいますが、できないこともあり得る、検討するわけですから、できないこともあり得るということなんでしょうか。
○菅財務大臣 先ほど来峰崎副大臣からもお話をしていますように、マニフェストで2万6千円、初年度はその半分ということで今回お願いしているわけで、今からいえば2年後には、マニフェストに沿ってそれを充当するよう全力を挙げたい、このように考えております。
○佐々木(憲)委員 まだ決まっていない、検討して全力を挙げる、こういう話でありました。
 今国会で、月額2万6千円というものが、恒久措置を盛り込んだ法案ができなかった。その理由、これは財源の問題だと思いますが、財源がないから結局半額ということなんでしょうか。
○峰崎財務副大臣 これは、私たちが総選挙の際に出しておりました工程表に沿って、初年度は1万3千円、翌年度から2万6千円、こういう方針を出していますので、それにしっかりと基づいているということです。
○佐々木(憲)委員 連立与党の社民党の阿部知子議員が2月23日の本会議の質問、私聞いておりましたら、2010年度からの月額一人1万3千円は、欧州諸国の水準です、民主党のマニフェストによれば、2011年度から、さらに倍額の月額一人2万6千円にするとしておられますが、それ以前に現物給付の充実を図るべきです、こういう発言をされています。
 与党内で子ども手当の倍増の問題というのは、ここでは合意されていないというふうに思われますが、いかがですか。
○菅財務大臣 先ほどの1万3千円、さらに2万6千円というのは民主党のマニフェストでありまして、もちろん政権合意というところで決めていることもありますけれども、この分野については、民主党という立場ではそのマニフェストを実現するという方向で努力することは先ほど申し上げましたが、最終的には連立政権の中で、どういう形でそれを実現するか、議論することが必要だと考えております。
○佐々木(憲)委員 そういう状況であるにもかかわらず、住民税、所得税の部分は恒久措置として増税させていただきます、今回この法案はそういうことになっていきますね。どうも釈然としないわけであります。
 具体的に資料を見ていただきたいんですが、ちょっともうきょうは時間がだんだんなくなってきましたので連続してやりますが、現時点で政府が提案している範囲で、手当と増税の差し引きがどうなるかを示したのが一ページの表です。
 サラリーマン片働きの両親と3歳未満の子供の三人の家庭で、子ども手当が月額1万3千円のケースだと、収入別に見るとこういうふうになります。つまり、所得税を納税して児童手当を現在支給されている世帯は、おおむね負担増になるんですね。これは間違いありませんね。
○古谷政府参考人(財務省主税局長) 技術的なことでもございますので、私の方から答弁をさせていただきます。
 先ほど副大臣の方から説明がございましたように、子ども手当が月1万3千円のままであれば、24年度からこういう計算が可能だと思います。
 先ほどの議論で、年少扶養控除の廃止等の部分が5・2万円、300万円の給与収入の部分でございますが、そういう議論がございました。この注にもございますように、税源移譲の際の調整税額控除を加味してあるということでございますので、300万円、500万円の、収入金額が低い方の部分の増税はこういう金額になろうかと思います。
 そういう意味で、24年度以降現状のままであれば、こういう計算が可能であろうかと存じます。
○佐々木(憲)委員 それで、現時点で、月額2万6千円というのは確約されたものではまだありません。月額を倍にするための財源、それもまだ明らかにされていない。その財源でふえるか減るかというふうな話も聞こえてまいります。
 例えば、今回見送られたけれども、見直しに取り組むと税制改正大綱に書き込まれた配偶者控除の問題というのがありますね。民主党はマニフェストで、それが子ども手当の財源だ、こういうふうに主張されていました。
 仮にこの配偶者控除が廃止された場合、これが資料の三枚目の試算となります、年収700万円ぐらいの家庭では増税による負担増の方が大きくなるんですね。この数字は間違いありませんね。
○古谷政府参考人(財務省主税局長) お答えをいたします。
 700万円、900万円と収入金額が上がっていきますと、適用される税率が上がっていきますので、こういう計算になろうかと存じます。
○佐々木(憲)委員 特定扶養控除の上乗せ部分の廃止でも、同じように負担増の懸念がぬぐえないわけです。
 先ほども少し議論がありましたけれども、高校の無償化の財源の一部として特定扶養控除、16歳から18歳の上乗せ部分の廃止による増税分、これがある。地方住民税でも同様の措置がとられ、所得税の控除額が63万円から38万円に25万円縮小される。住民税の控除額は45万から33万に、これは12万縮小ですね。これは2ページの表を見ていただければ。
 この結果、特定扶養控除の上乗せ部分廃止の影響は、所得税と住民税を合わせ最高で11・2万円の増税。負担の差し引きは、資料の2ページの文科省の作成した表で読み取ることができるわけです。
 特定扶養控除は、16歳から22歳で、税制上の扶養対象であれば学生かどうかは関係がない制度でありますから、単純に高校授業料の無償化と連動させれば、一部に負担増となる矛盾が発生します。例えば、定時制、通信制の高校や特別支援学校など全日制高校よりも学費が安い場合、あるいは公立高校の授業料減免を既に受けている場合、これは23万人おられるようですが、負担増になってしまう。通学も就労もせずに親族に扶養されている場合、これは恩恵はなく増税だけになります。
 それから、文科省の資料の高校実質無償化、11万8800円を安い学費に置きかえていたしますと、どれだけの負担増になるかわかるわけです。例えば、公立高校の定時制で年間3万3千円だといたしますと、すべての収入階層で負担増になります。
 税制改正大綱あるいは答弁で、このような世帯には適切な対応を検討すると明記されているわけですが、今のところ、まだ具体策が示されておりません。これは……
○玄葉委員長 佐々木委員、申し合わせの時間が経過しております。御協力願います。
○佐々木(憲)委員 わかりました。もう終わります。
 この点については、先ほども指摘がありましたが、具体策を早急に示すべきだと思いますが、最後にこの点だけお聞きをしておきたいと思います。
○玄葉委員長 簡潔に。峰崎財務副大臣。
○峰崎財務副大臣 先ほど来ずっと指摘をされております点について、昨年末、閣議決定された税制改正大綱においては、高校の実質無償化によって、特定扶養控除の縮減によって、現行よりも負担増となる家計については適切な対応をするということです。
 さらに、特定扶養控除の縮減によって実際に家計に影響が出る平成23年末、これに必要な対策については、関係省庁で今対策を検討するということになるわけでありまして、その点で、先ほども私は予算措置ということで言いましたけれども、これらの点については、この年末に向けて議論されるものだと私たちは承知しております。
○佐々木(憲)委員 以上で終わります。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる