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金融(銀行・保険・証券) (中小企業融資)

2009年11月17日 第173回 臨時国会 本会議 【539】 - 質問

中小企業金融円滑化法案について本会議で質問

 2009年11月17日、本会議で、中小企業金融円滑化法案の趣旨説明・質疑が行われ、佐々木憲昭議員が日本共産党を代表して質問に立ちました。

 法案は、中小企業および住宅ローンの借り手が貸付条件の変更を申請した場合、金融機関はできるだけ応じるよう努力することなどを盛り込んでいます。
 佐々木議員は、返済の展望がない中小・零細企業にとって「返済猶予などの条件変更は新たな融資よりも、ある程度有効な支援策だ」と述べると同時に、「努力規定」では不十分として、「少なくとも銀行ごとに(中小企業の貸出残高の)数値目標を出させ、改善結果の報告義務を課すべきだ」と求めました。
 亀井静香金融担当大臣は、「目標を設けるとその達成が目的になる危険性がある。金融庁の検査、監督でしっかりやっていきたい」と答えました。

 また、佐々木議員が、条件変更により、新規融資・追加融資の貸し渋りが起こらないような対策が必要だと求めたのに対し、亀井大臣は「指導・検査できっちりやっていきたい」と答弁しました。

 佐々木議員は、中小企業の苦境の背景に「小泉・竹中構造改革」路線があると指摘。「小手先のやり方では金融システムの本来の機能は回復しない」「『構造改革』路線を転換することが、金融行政にとっても必要だ」と表明しました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表し、議題となりました中小企業金融円滑化臨時措置法案について質問します。(拍手)
 中小企業・業者の営業は、年末に向けて極めて深刻な事態となりつつあります。最近の統計では、大企業、中堅企業の倒産は減少基調にありますが、負債五千万円未満の小規模企業の倒産はなお増加を続けております。また、失業率も高い水準にあり、このままでは年を越せないという悲痛な声が上がっています。まず、この現状をどのように受けとめているか伺いたい。
 中小零細業者にとって資金繰り支援は、年末を控え、経営の破綻を回避し営業を改善するために緊急に必要となっております。とりわけ、返済の展望がないため、新たな融資よりも返済猶予などの条件変更は中小零細企業にとってある程度有効な支援策となると考えます。
 法案の具体的な内容に即して質問いたします。
 まず、努力義務だけで改善されるのかということであります。
 法案では、中小企業及び住宅ローンの借り手が貸し付け条件の変更を申請した場合、金融機関にはできるだけ要請に応じるように努力することが課されております。法律上、できるだけ努力と、努力義務が設けられたことは一歩前進とも言えますが、問題は、これだけで金融機関の不誠実な対応が一掃されるかどうかであります。このような努力規定では強制力が働かないのではありませんか。
 十年前の金融危機の際、公的資金を受けた銀行に対し、中小企業向け貸出残高の目標値を定めさせたことがあります。しかし、実際には、大きく目標値を下回る金融機関が続出し、大手銀行を初め一部の銀行に対し行政処分も行われましたが、大きな改善は見られませんでした。この教訓から学ぶなら、少なくとも銀行ごとに数値目標を出させ、改善結果の報告義務を課すべきではありませんか。
 また、金融庁は、金融機関が不誠実、不透明な対応をした事実を把握した場合、当然、検査監督において銀行に是正を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、体制整備と開示義務についてであります。
 法案では、金融機関に、責務を課すための体制整備や実施状況と体制整備状況等の開示を義務化しております。しかし、実効性を持たせるためには、その開示内容や基準、適切な罰則による監督が必要となります。例えば、条件変更の実施状況だけでなく、貸出残高についても開示させ、政府・金融庁が報告事項を公表する際にも、金融機関ごとの実施状況が一見して比較できる形で行うべきであります。金融庁はどのような開示基準を設けるのか、お答えをいただきたいと思います。
 本法案と同時に予定される検査マニュアル、監督指針の改定の内容も重要です。昨年、緊急保証制度など中小企業向け金融対策が実施されたときも、検査マニュアル等が緩和されました。今回は、具体的にはどのような内容となるのでしょうか。
 また、条件変更対応保証というものが新たに設けられますが、これは、公的金融機関を利用していない債務者、つまり、銀行からの融資しかない中小企業のみを対象としております。しかし、多くの中小企業、とりわけ零細企業は、公的制度を既に利用しているため、新しい保証制度の対象になりません。対象とならない事業者こそ、返済猶予の支援を受けたいと考えているのではないでしょうか。なぜそれを外すのか、説明を求めます。
 次に、条件変更を受けた中小企業・業者が新たな貸し渋りを受けないような対策をとるのかどうかです。
 返済猶予などの条件変更をすれば、金融機関は追加融資を避けるようになり、貸し渋りが発生するとの懸念があります。貸し付け条件の変更が実現したとしても、それを理由に金融機関が貸し渋るようなことがあってはなりません。そのようなことがあっては、中小企業は積極的に条件変更の要請をできません。一部の優良企業には新しい保証制度で対策がとられますが、多くの中小零細業者には何ら対策が施されないまま放置されることとなります。
 亀井金融担当大臣は、事あるごとに、新たな融資が受けられないようではだめだと言われていましたが、今回の制度で、新規融資、追加融資の貸し渋りが起こらないよう、どのような対策がなされているのか、お答えをいただきたい。
 民主党は、総選挙の民主党政策集で、特別保証制度を復活させ、保証制度をより使いやすくしますと公約しました。本法案にとどまらず、公約どおり特別保証制度を復活させれば、追加融資の懸念もなくなるのであります。なぜ特別保証制度の復活を行わないのでしょうか、経済産業大臣の答弁を求めます。
 これまで自民党が推し進めてきた構造改革路線は、不良債権の早期処理をてこに金融機関を統廃合させ、多くの店舗や職員の大胆なリストラを促進させました。その結果、地方銀行や信金、信組などは、中小企業を支えてきた目ききの能力が大きく損なわれたと言われています。
 また、市場原理主義を中小企業金融にも持ち込む金融検査マニュアル、あるいはスコアリングモデルの導入で、中小企業の評価を収益性により判断することが求められました。そのため、地域社会に貢献し、雇用を維持してきた中小企業であっても、一時期の経営難を理由に倒産、廃業に追い込んでしまったのであります。
 市場原理を持ち込んだ構造改革が金融機能を弱体化させ、その上に、今回の新たな金融危機が中小零細企業を襲ったのであります。もはや、小手先のやり方では金融システムの本来の機能は回復いたしません。小泉・竹中構造改革路線を転換することが金融政策にとっても必要だと考えますが、亀井大臣の明確な見解を求め、質問を終わります。(拍手)
○国務大臣(亀井静香君) 佐々木議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、金融システムの本来の機能の回復は小泉・竹中の構造改革路線との決別が大事ではないかという御指摘でございます。私も全くそのように考えております。私は、そうした考え方のもとで、このたびこうした法案も提出をしたわけであります。
 議員御指摘のように、今の我が国経済は、格差が広がっておるといいますけれども、私は、極めて深刻な状況になっておると思います。中小零細企業が大企業まで伸び上がっていく、そういうエネルギーも持てなくなっております。
 私は、格差の是正というのは、金持ちを貧乏人にすることじゃないと思っております。そうではなくて、豊かでない人が豊かになっていく、それが格差の是正だ、このように考えておりますけれども、小泉構造改革と称するものによって、上っていく階段が壊されてしまっておる状況にあると思います。
 そういう状況の中で、中小零細企業、今倒産が非常に多いとおっしゃいましたけれども、今深刻なことは、倒産が依然として多いこともさりながら、もう将来の経営に希望が持てないということで、自主閉業、これが非常に激増をしておる状況があると思います。簡単に言いますと、もう気力を失ってきておるという状況が広がっておるということを、私は、これは国家として看過できない状況であるとも考えております。
 そういう観点から、このたび、少しでも希望を持っていただく、元気を出していただく、その狭い守備範囲の中での一助としてこの法案を提出したわけでございますけれども、先ほど、実効性に問題があるのではないかという御指摘がございました。
 しかし、日本は、共産主義国家ではございません。自由主義経済国家でございます。
 では、どうやってインセンティブを与えていけるかということに対して大変苦労をしたわけでありますけれども、これは、金融庁の検査監督の金融マニュアルを全面的に改定していく、そうした業務自体のやり方を変えていくということとの一体の中で実効性を担保していかなければ現実的ではない、このように私は考えておるわけであります。
 そうしたことと、金融庁に対して、実施状況、体制等を報告していただく、こういうことを実施することによってこれも大きなインセンティブが働くのではないか、このように考えております。
 それから、数値目標を置いた方がいいのではないかという御指摘がございましたけれども、そうした数値目標を置きますと、その達成だけがこの目的になるような処理がなされる危険性もございますので、金融庁の検査監督の中で十分これはやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
 それから、開示基準をきっちりと設けたらどうかという御指摘がございましたが、できるだけ開示基準については明確にしていきたい、このように考えておるわけであります。
 また、金融機関が条件変更等の措置を行った場合、そうした中身について、これをきっちりと金融庁に対して報告させる中において、不適切である場合に対しては私どもが強い指導をやってまいる次第でございます。
 また、金融マニュアルの方向をどうするのかということでございますが、これは先ほども申し上げましたが、もうコペルニクス的に変えます、今準備はしてありますから。
 経営コンサルタント的な機能を果たしておるかどうかということが検査の眼目ということであります。もちろん、金融機関としての健全性ということも同時に検査いたしますけれども、そういう形で、検査マニュアル、また監督指針を現在検討しておる最中でございます。
 それから、新しい融資が受けられなくなるのではないかという御懸念でございますけれども、まさにそういうことが起きないように、今後、指導、検査をやっていく、そういう業務遂行の中でこういう問題はきっちりと処理をしてまいりますから、御安心をいただきたいと思います。
 以上です。(拍手)
○国務大臣(直嶋正行君) 佐々木議員にお答えさせていただきます。
 質問は二つございました。
 一つは、条件変更対応保証の対象者に関する御質問でございます。
 今回の条件変更対応保証の対象は、公的金融を利用していない者を原則といたしております。
 これは、これまで公的金融を利用している企業は、従来からの公的金融による積極的な条件変更や新規融資に加え、中小企業金融円滑化法案の施行により、民間金融機関が条件変更にさらに積極的に取り組むことが期待できます。これに対して、これまで公的金融を利用していない企業にはこうした施策が行き届かないことによるものでありまして、今回の措置は、そこに光を当てたものでございます。
 二つ目の御質問の、特別保証制度の復活に関する件でございます。
 年末に向けて、資金繰り対策に空白期間を設けてはならない、私どもは今これが一番大事だというふうに思っております。したがいまして、まずは、緊急保証やセーフティーネット貸し付け、中小企業金融円滑化法の施行や条件変更対応保証により、中小企業金融の円滑化に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 さらに、信用保証も含め、中小企業金融支援のあり方については、経済状況や中小企業の声を伺いながら、中小企業の皆さんが安心して事業に取り組んでいただけるよう、絶えず改善を重ねていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)

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