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金権・腐敗政治, 雇用・労働, 平和・憲法 (サービス残業)

2001年09月14日 第152回 臨時国会 予算委員会 【137】 - 質問

大企業のサービス残業・リストラへの規制を要求

 2001年9月14日に開かれた予算委員会で、佐々木憲昭議員は、小泉総理と論戦しました。

卑劣で野蛮な「同時多発テロ」を糾弾する
 佐々木議員は、はじめに9月11日にアメリカで発生した「同時多発テロ」について、「野蛮でひれつな犯罪行為」と、怒りを込めて糾弾しました。
 そして「テロの犠牲となった多数の人々とその家族の皆さんにたいして、心からの哀悼の意を表明」するとともに、「負傷された方々、救命・救援活動にたずさわっておられる方々に、お見舞い」を申しあげました。
 そのうえで、事件の真相解明とともに、テロの根絶を目指し、軍事力による制裁・報復ではなく、法と理性にもとづいて問題の解決がはかられることを求めました。

大企業のリストラが失業を増やした
 佐々木議員は、雇用・失業問題について小泉総理にただしました。
 失業者が増える要因の一つとして、大企業の人員削減をあげなければなりません。
 佐々木議員は、パネルを用意して、東京証券取引所の上場企業1794社の従業員が、1994年度から2000年度までの6年間に、536万人から428万人へと、じつに108万人も削減したこと、そしてこの間の完全失業者は192万人から320万人へと、128万人も増えていることを紹介し、大企業の人減らしが失業者を増やす大きな要因になっていることを指摘しました。

 次に、もうひとつのパネルをしめしました。 
 最近、あいついで大規模な「リストラ計画」を発表している大手電機メーカー8社の表です。それによると、この5年間だけでも7万人近くの従業員を削減していること、ところが経常利益をみると5年間であわせてなんと2兆2000億円にものぼっているのです。
 それなのに、またまた8万人もの人員削減計画を発表しているのです。いったい、どれだけ従業員にしわ寄せするつもりでしょうか。
 これだけではありません。数字にあらわれない派遣労働者、季節労働者(期間工)、パート労働者もあります。また、切り捨てられる下請け企業の従業員もいます。そして、家族もいるのです。これらを入れると、数十万人にのぼるに違いありません。
 大企業がリストラを競い合ったら、大量の失業者が生まれ、たいへんな社会不安をまねくことになり、日本経済にとっても大きな損失です。これは、雇用に対する大企業の責任放棄といわなければなりません。

 そこで、小泉総理にききました。「このようなリストラはやむを得ないと考えているのか、それとも大企業には雇用に対する責任を果たしてもらわなければならないと考えているのか、どちらですか」と。
 小泉総理の答弁は「経営者としての社会的責任もあるし、倒産させてはいけないという経営努力の責任もある」というものでした。雇用における大企業の責任を否定できませんでした。

日本の大企業は雇用責任を放棄している
 「大リストラ計画」を打ち出している大手電気メーカーは、ついこの前まで「ITバブル」を謳歌し過去最高水準のもうけをあげ「これからはITこそ成長分野だ」と豪語してきた企業ばかりです。
 それが、多少見込み違いになったからといって、みずからの「経営責任」を棚に上げて、そのツケを労働者と下請中小企業に押し付ける、こんなことは絶対に許せません。
 EU(ヨーロッパ連合)では、「一般労使協議指令」というリストラ・解雇規制のルールを、この6月の理事会で合意し、年内にも採択される見込みといわれています。
 また、EUの行政執行機関である欧州委員会では、今年7月18日に「企業の社会的責任の促進」という政策文書が発表され、雇用などについての企業の社会的な責任を求めていくことを明らかにしています。これがヨーロッパの流れです。
 ところが日本ではどうでしょう。これとはまったく逆に、大企業が先頭に立って社会的な責任を投げ捨て、大量に雇用を削減しているのです。

サービス残業を野放しにして何がリストラか
 ではほんとうに労働者が過剰なのでしょうか。そんなことはありません。職場では、人減らしがどんどんすすんで、少ない人員でたいへんな労働強化・長時間労働がおこなわれています。
 たとえば、松下電器など大手電機メーカーの組合が加盟している連合大阪の調査では、じつに44%もの労働者がサービス残業を強いられていると答えているのです。これらの大手企業は、最低限のモラルさえ守っていません。それでいながら、何がリストラでしょうか。
 これだけサービス残業があるということは、「人が余っている」のではありません。「人が足りない」のです。足りないから残業させるのです。しかも残業代も払わないのですから、まったく悪質です。
 それを放置しておいて、さらに大規模なリストラ計画が出されても、小泉内閣はまともにモノが言えない。そんないいかげんな対応があるでしょうか。
 私は、坂口厚生労働大臣に、サービス残業の根絶をもとめました。
 これに対する答弁は、「4月に出された通達の周知徹底を図っている」とのべるに留まりました。実態調査さえしていなかったのです。

大手電機メーカーから自民党に多額の政治献金
 9月13日に発表された「政治資金収支報告書」では、大手電機メーカーから、多額の政治献金が自民党に渡っていることが明らかになっています。
 日本電気工業会から7000万円、東芝、日立、松下がそれぞれ2964万円、ソニーが2000万円、富士通が1000万円、NECが1200万円と、軒並み自民党に献金されているのです。
 だから、政府は大手企業にまともにモノが言えないのではないでしょうか。

過剰なのは労働者ではない。労働時間だ
 今年8月31日、国連の経済・社会・文化権利委員会が、日本に対して、次のような勧告を発しています。「委員会は、締約国(日本)が、公共・民間部門双方において過剰な労働時間を許していることにたいし、深い懸念を表明する」と指摘した上で、「労働時間を短縮するよう勧告する」といっています。
 国連の担当委員会も、「労働時間が過剰だ」とはっきり言っているのです。
 「労働者が過剰」なのではありません。「労働時間が過剰」なのです。だから、政府がいまやるべきことは、リストラの後押しではありません。そうではなく、大規模なリストラに規制をかけ、労働時間短縮のためにあらゆる手をつくすことです。
 これが、国民が切実に求め、国際的にも求められている課題ではないでしょうか。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず最初に申し上げます。
 去る11日、アメリカで発生した同時多発テロは、極めて野蛮で卑劣な犯罪行為であります。私たちは、国際正義と人道の名において、このテロ行為を怒りを込めて厳しく糾弾するものであります。テロの犠牲となった多数の方々とその家族の皆さんに対して心から哀悼の意を表明するとともに、負傷された方々、救命救援活動に携わっている方々にお見舞いを申し上げます。
 日本共産党は、事件の真相解明とともに、テロの根絶を目指し、軍事力による制裁、報復でなく、法と理性に基づいて問題の解決が図られることを求めるものであります。
 それでは、小泉総理に、雇用失業対策に絞って質問をしたいと思います。
 7月の失業率は5%となりまして、大変不安が広がっております。国民の声にどうこたえるか、これが問われていると思います。9月2日の夜、NHKで「緊急討論・待ったなし日本経済」、雇用問題に関する緊急討論が行われました。そのとき、次のような声が紹介されております。
 46歳の男性、5月に倒産になり、失業しました。大学の子供を抱え、住宅ローンを抱え、絶望の日々を送っておりますが、政治とは国民の財産、生命を守ることが使命だと思います。こういう声がありましたし、41歳の男性からは、ことしの1月に4年半勤めた会社を解雇されました。職安やインターネットでの求職活動は既に百社を超えていると思います。しかし、面接までは1、2回だけです。履歴書の段階で御縁がなかったものとの返事が返ってくるだけ。蓄えももう底をついています。9月に振り込まれる失業給付が最後です。
 こういうふうに大変深刻な事態が、声が寄せられているわけでありますが、総理にお聞きしますけれども、職をなくすというのは単なる痛みというようなものではないと思うんです。家族も含めて生きる糧を奪われることだというふうに思います。5%の失業率が発表されたときに、小泉総理は、ある程度の失業増はやむを得ないというふうに述べたそうでありますが、私は非常に冷たいと思うんです。国民の切実な声に正面からこたえる、これが本当の政治ではないんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 何を言っても批判される立場でありますから仕方ありませんけれども、言葉じりだけをとらえればそういう解釈もあるのかなと思いますが、私は、改革に対する決意は変わらないということを言ったまででございます。そして、失業が出た場合の雇用対策はしっかりやらなければいけないということで、これから開かれます臨時国会におきましても、雇用対策国会というべきものであるなという認識を持って国会に臨もうとしているということを御理解いただければありがたいと思います。
○佐々木(憲)委員 失業対策を考える場合には、その原因を明確にするというのが大事だと思います。そこで、失業者がふえる原因として、私は大手企業の人員削減の問題というのが大変大きな要素としてあると思うんです。
 ここにパネルを用意しまして、資料も同じものですが配付をさせていただきます。
 これは、東京証券取引所上場企業の1794社の従業員の数がこの青いグラフで示されておりますが、536万人、1994年の時点で雇用されておりました。どんどん減らされまして、2000年、昨年の3月時点では428万人であります。つまり、この間に108万人減らされている。これに反しまして、完全失業者数は、94年、192万人でありました。この赤いグラフですね。2000年には320万人。現在、これが330万人にふえております。
 このようにして、この間、大企業が減らした分だけ、簡単に言えば、完全失業者数がふえている、こういう数字になっているわけであります。
 そこで、もう一枚パネルをお示ししたいと思うんですが、これは最近、大手メーカーが、大手電機メーカーですね、八社が大規模なリストラ計画を出しております。この一番右側にその計画がありますけれども、この八社でこの5年間に、合わせまして約7万人近い従業員の削減を行っております。
 利益はそれではどうなのか。経常利益は、5年間の総計で2兆2千億円であります。この赤い部分の隣にことしの3月期の経常利益を示しましたけれども、すべてのこの八社の大手電機メーカーは黒字であります。
 ところが、今度はリストラを競い合いまして、8万人も人を減らす計画を出しているわけですね。私は、これは非常に重大だと思うんです。このほかに、従業員の中には派遣労働者もおりますし、季節労働者あるいはパート労働者など、これらを入れますともっとこの数は大きくなります。また、このほかに下請労働者もいます。また、家族もあります。こうしますと、何十万人という方々が、このわずか8社、この関係で影響を受ける。
 私は、これは大変なことだと思うんですけれども、個々の企業が目先の利益のためにリストラをやる、それ自体、私は大変身勝手だと思いますけれども、それ以上に重大なのは、このようなことをそれぞれの大企業が競って実行するということになりますと、いわばリストラ競争であります。大量の失業者が生まれ、大変な社会不安を招く。日本経済にとって大変な不安、大きなマイナス、こういうことになると思うんです。これは私は、雇用問題について、雇用に対する大企業の責任を放棄することになるんじゃないか。
 総理に伺いますけれども、このようなリストラというのはやむを得ないものと考えておられるのか、それとも、企業には雇用の責任がある、社会的責任がある、その責任を果たしてもらわなければならない、こういうふうに考えておられるのか、それは一体どちらでございましょうか。
○小泉内閣総理大臣 結論から申し上げると、両方あると思いますね。経営者としての社会的責任、そして同時に、会社を倒産させてはいけないという責任感、多くの従業員を抱えて新しい時代に対応できるような体制をとろうという経営努力、いろいろあると思います。
○佐々木(憲)委員 私は、今示しましたが、倒産させてはいけないといいますけれども、一体この八社の中で倒産の危機にある会社はありますか。これだけの、過去5年間で合計2兆円を超える経常利益を上げ、ことしの3月期ではすべて黒字であります。合わせて約7千億円近い黒字を出しております。
 つまり、これだけの利益を上げていながら、いわばこれらの企業というのは、ITバブルで過去最高水準の利益を上げてきた企業でございます。また、これからITは成長分野だと豪語してきた大企業ばかりであります。ことし多少見込み違いが出たからといって、経営責任を棚に上げまして、そのツケを労働者と下請、こういうところに押しつけていく、私は、こんなことは絶対に許せないというふうに思うのですよ。本来、大企業というのは、企業の規模が大きくなればなるほど、雇用に対する責任も一層大きくなる。
 ヨーロッパでは、例えばEUは、一般労使協議指令というのがありまして、リストラや雇用に対する規制のルールをことしの6月の理事会で合意して、年内にも採択されるという予定だそうでございます。また、EUの行政執行機関である欧州委員会は、ことしの7月18日に、企業の社会的責任の促進、こういう政策を発表しまして、雇用などについての企業の社会的責任を求めていくことを明らかにしております。
 ところが、日本では、大企業が先頭に立って、大量に雇用を削減している。いわば社会的責任を放棄していると言わざるを得ないと思うのです。それでは本当に労働者が過剰で減らさなきゃならぬという状態なのかどうか。私は実態を聞いてみましたけれども、本当に、人が減らされているために職場に少数の人員しか保証されない、したがって、大変な労働強化あるいは長時間労働を強いられている、こういう訴えが寄せられます。
 厚生労働大臣にお聞きしますけれども、残業を多くのこれらの企業でやっておりますけれども、残業しても残業代を払わないというのは、これは労基法違反で犯罪であります。ことしの4月に厚生労働省はサービス残業をなくすための通達を出されました。私は、内容は大変いいと思います。今紹介をいたしましたこれらの企業は、少なくとも最低限のルールであるこの通達を守っているのかどうか、これは厚生労働省としては調査をされましたでしょうか。
○坂口厚生労働大臣 その問題にお答えをいたします前に、確かに大手電機メーカー等でリストラがやられておることは事実でございますけれども、これは外国の企業も含まれているわけでございます。ですから、この数字が全部国内の数字ではないというふうに思います。
 また、企業によりましては関連の企業への移行をする人もこれは含まれておりますから、例えば上の日立製作所でございますと、一番の、どうしてもやめてもらわなきゃならないという人は2003、400人ではなかったかというふうに私は思っておりますが、ちょっと正式の数字は今手元に持ち合わせておりませんが、そういうふうに思います。ですから、この数字が全部これは国内におけるものではないというふうに思っています。
 もう一つ、それから、この掛ける印になりましたのも、これも、大企業が確かに人数が減っていることは事実だと思いますけれども、そのこととそれから完全失業者がふえていくのは、もろにこれは関係しているものではないと私は思う。これを見ますと、いかにも下がるのと上がるのとでこれが相関があるような感じがいたしますけれども、私はそうではないというふうに思っておりまして、完全失業率の中身を見ていただきますと、それは一つは、自発的におやめになった方が114万、大変多い、そうしたこともあります。そういうことが一つ。
 それから、今御質問がございましたところにつきましては、今、鋭意各企業に対しまして、こういうことになりましたからということの説明、説得をしているところでございまして、4月から9月までの間に約4千回、約30万事業所に集まっていただきまして、そしていろいろの今説明をして、説得を、説得というより納得をしていただいているところでございます。ですから、もうこれは9月で終わりますので、終わりましたら、その後、どういうふうな状況かということを調べるということに進んでいくだろうというふうに思っています。
○佐々木(憲)委員 何か、今お答えを聞いておりますと、大変大企業のこのやり方について弁護的な立場といいますか、そういう姿勢が見えるわけでありますが、私が出しましたのは、これはほとんど国内ですよ。ですから、外国があると言いますけれども、それは一部ありますよ、しかし、この削減のほとんどは国内でやられます。これはもう事実、その数字をしっかりと押さえていただきたいと思うんです。
 それから、もちろん関連企業に出向、配転というのがありますけれども、しかし、その関連企業は、受け入れるとこれは結局過剰だという形になって、また人を減らさなきゃならない。つまり、玉突き解雇というのがあちこちで起こっているんですよ。そういう実態も、厚生労働省としては当然正確に押さえなきゃならぬというふうに私は思います。
 そこで、通達の件ですけれども、通達を出した以上、これは周知徹底するのは当たり前でありまして、問題は、それが守られているかどうかということを調べるのが本来の仕事だというふうに私は思います。
 そこで、具体的な点を挙げますと、例えば松下など大手電機メーカーの組合が加盟しております連合大阪の調査があります。ここでは44%の労働者がサービス残業を強いられていると答えております。これらの大手企業は最低限のモラルさえ守っていないと思うんですね。これだけサービス残業があるということは、人が余っているんじゃなくて人が足りないということですね。つまり、足りないから残業させるわけです。しかも残業代を払っていないわけですから、これは法律違反です。そういうことを放置しておいて、さらに大規模なリストラ計画を出されてまともに物も言わないというんじゃ、これは本当にいいかげんな態度と言わざるを得ないと思うんです。
 総理、ちょっと聞きますけれども、これまで政府は産業再生法などでリストラ奨励というのをやってきました。しかし、これまでのそういう姿勢を今改めるべきだと思うんです。こういう身勝手なリストラを規制する手だてをとる、これが今政府がやるべき政治の方向ではないんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 それは、各企業においてどのような雇用対策をとっているか、それぞれ違うと思います。そういう中において厚生労働省等の通達、これについては今大臣が努力されておりますので、その周知徹底についてより一層の努力が必要ではないかと思います。
○佐々木(憲)委員 どうもきちっとした姿勢が見えないわけであります。
 例えば日本の労働時間をとりますと、国際的に見ても、例えばドイツの電機産業の労働時間は年間1600時間です。日本の場合は2100時間。500時間多いわけですね。その上、こういうサービス残業がはびこっている。ですから、労働時間を短縮するということによって雇用を確保していく、こういう方向を当然目指すべきだと思うんですね。
 きのう発表されました政治資金報告書によりますと、リストラを大規模に推進しているこれらの大手電機メーカーから多額の政治献金が国民政治協会を通じて自民党に渡っているということが明らかになっておりまして、業界団体の日本電機工業会から7千万円、東芝、日立、松下がそれぞれ2964万円、ソニーが2千万円、富士通が1千万円、NECが1200万円、こういう、軒並み自民党に献金が入っているんですね。だから、どうも歯切れの悪い答弁が出てくるのはそこに原因があるのかなと思わざるを得ないわけです。
 ことしの8月31日に国連の経済社会文化権利委員会が日本に対して勧告を発していまして、過剰な労働時間を許していることに対して深い懸念を表明する、こういうことを言っております。ですから、今大事なのは、時間が過剰なのであって、リストラを後押しするんじゃなくて、リストラ規制に踏み出し、労働時間短縮に踏み出すべきだ、このことを最後に申し上げまして、時間が参りましたので終わります。

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