2001年11月13日 第153回 臨時国会 予算委員会 【146】 - 質問
「求人数700万人」はまやかしの数字、公共職業安定所の職員増員を
補正予算案を審議した2001年11月13日の予算委員会で、佐々木憲昭議員が質問にたち、雇用問題を取り上げました。
「求人数700万人」はまやかしの数字 実態を反映しないことを小泉総理も認める
佐々木議員は、小泉総理が繰り返し主張する「求人数700万人」のまやかしを明らかにしました。
小泉総理は、これまでの国会答弁で「公共職業安定所には求職者を上回る年間700万人もの求人がある」「バブル期に匹敵する水準だ」「公共職業安定所、ハローワーク等には毎月50万人、60万人、求人が来ている。年間700万人の人がほしいと求人が来ている」と述べ、求職者数をはるかに上回る求人数があるかのように描いてきました。
“仕事がないのではなく、求職側と求人側との間にある条件面などの「ミスマッチ」が問題なのだ”という政府の主張を裏付けるものとされています。
佐々木議員は、厚生労働省の求人計算方法では、たとえばある会社が1カ月に100人の求人を出し、応募者がない状況で1年間求人を出し続けると、3カ月ごとに100人の求人がカウントされるため、年間求人数は400人になることを示し、小泉首相の言う「700万人」という数字は、このような水増しを含むものであることを指摘しました。
これに対し坂口厚生労働相は「小学校式の計算をすればそうなる」と答弁。
小泉総理も、佐々木議員の「(年間700万人の求人数は)実態を反映しない、ダブルカウントがかなりあることを認めるか」との追及に、「そういう場合もあるのかなと思う。もっといい基準のとりかたを考えればいい」と答弁せざるを得ませんでした。
雇用の実態を正確に反映するのは、有効求人倍率です。0.57倍という9月時点の数字は、100人の求職者にたいし、求人数は57人にすぎないということです。
佐々木議員は「雇用のミスマッチを完全に解消しても、4割以上があふれているのが実際の姿だ」として、「(求人の)絶対数が不足していることに目を向けた対策」こそ求められていると強調しました。
公共職業安定所の職員増員を 「民営化もあり得る」と小泉総理
また、佐々木議員は、「求人の絶対数が足りないもとで失業者があぶれ、職を探す人が職安に押し寄せている状況だ。これにしっかりと対応できる職安の態勢が必要だ」として、小泉総理に公共職業安定所の職員増員を求めました。
佐々木議員は、1989年から2001年までの間、有効求職数は約2倍に増えているのに、職安の職員は145人減少していることを示し、次のような職員から寄せられた訴えを紹介しました。
「窓口には、仕事を求めて連日多くの人が列をなしています。本来であれば十分な時間をかけて、丁寧な職業相談をおこなうことにより、就職に結びつけることが何よりも重要なのですが、現在の窓口はそれが行える状態にありません。職員は『時間内で1人でも多くの利用者と相談し、紹介すること』と『時間をかけて充実した職業相談を行うこと』との狭間で悩み苦しんでいます」
これに対し小泉総理は、「公共職業安定所より民間(職業紹介所)の方が仕事を見つける場合もある」「ただ役人を増やせばいいというものではない」と答弁。
それどころか、「民営化すべきではないかという声もある。研究の余地がある」と述べ、公共職業安定所の民営化を検討する姿勢さえ示しました。
佐々木議員は、「とんでもない発言だ。民間はカネにならなければ仕事をしない。“職探しもカネ次第”となる。実態は、相談の内容が難しくなっていると『職安へ行ってください』となっている」と小泉首相の姿勢を批判し、「セーフティーネットというのなら、職安の職員を増やすべきだ。それが政府の役割ではないか」と強調しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
雇用問題について質問をしたいと思います。
9月の失業率は5・3%で完全失業者数は357万人、大変な状況であります。六カ月連続して増加をしている。前年同月比で37万人ふえております。また、有効求人倍率は0・57倍に低下しまして、かつてない深刻な事態となっております。
そこで、まず坂口厚生労働大臣にお聞きしますが、この有効求人倍率というものの意味ですけれども、これは、職を求めている方が仮に百人あるとすれば、企業が求める人というのは57人しかいない、そういう関係をあらわしたものだというふうに思うわけです。つまり、43人には仕事がない、絶対的に不足しているということを意味するというふうに思うんですが、このように理解してよろしいですね。
○坂口厚生労働大臣 有効求人倍率というのは、もう御承知のとおり、ある月、例えば9月ならば9月にどれだけ求人があり求職があるか。そして、それは三カ月で見ているわけですね。有効求人倍率のときには、その三カ月間は、もしもそこで求人を求めたら、それをその月できなければその次というふうにいけるわけです。一言で言えば、有効求人倍率は、ある月のそれまでのストックの比較、求人と求職の比較。それから新規求人、求職の場合には、ある月一カ月の間に来た求人と求職の比較、こういうことだと思います。
○佐々木(憲)委員 何かちょっと複雑な説明をされましたが、要するに、ある月で百人職を求めている人がいる、しかし、その月に57人しか求人がない、これが0・57ということの意味だと思うんですけれども、そういうことですよね、簡単に言うと。
○坂口厚生労働大臣 それは、一カ月で見ればそういうことです。
○佐々木(憲)委員 小泉総理にお伺いしますけれども、総理は、9月27日の所信表明演説で雇用問題についてこのように述べておられます。「公共職業安定所には求職者を上回る年間700万人もの求人があります。バブル期に匹敵する水準です。」と。それから、9月14日の予算委員会でもこう述べておられます。「公共職業安定所、ハローワーク等には毎月50万人から60万人、求人が来ている。年間700万ですね。700万人の人が欲しいと求人が来ている。どうしてこれだけ失業者が多いのに来ないのかというミスマッチもあります。」と述べておられるわけです。
総理、今でも失業者をはるかに上回る700万人の求人があると本当に思っておられるのかどうか。ミスマッチを解消するとこの失業者がほとんど解消する、こういうふうに思っておられるのか、確認をしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 そんなに悲観すべき点ばかりじゃないなという例として挙げたわけであります。700万人もの求人数がある。これは求職者を上回っている。このミスマッチをいかに解消するかによって、少しでも失業者が減ればいいな、雇用づくりに寄与できればいいなということで例を挙げたわけでありまして、こういう点については、なぜこれだけの求人数があるのに求職者はふえているんだろうかという点を解明することによって、一つでも雇用創出に手がかりができるのじゃないか。
また、今までの情報にしても、もっと情報提供することによって、ああ、こういうところには職があるのか、こういうところに人が要るのかという点も今後の努力いかんによっては開発できるのではないかという点からその例を挙げたわけでありまして、こういうミスマッチを埋めることによって、もっと失業者が減る可能性を見出したいと思って例を挙げたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 先ほど坂口厚生労働大臣は、いわば百人の求職者がいても求人は57しかない、ある月をとってみますと。43人がいわばあぶれているわけです。それなのに、700万人、年間あると。求職者数よりも求人が上回っていると。これは全く私は理解できないわけですけれども、700万人という数字は一体どんな形でつくられてきているのか、究明しなければならぬと思うんです。
この数字は厚生労働省がつくったと思うんですけれども、なぜこんなに大きな数字になるのか。実際には、失業者があぶれていて、求人よりも求職者の方がたくさんあるわけです。何で、年間にすると700万人になるんですか。なぜこんな大きな数になるんですか。
○坂口厚生労働大臣 それが、先ほど私が最初にちょっと説明をしようと思ったことでありまして、ある月一カ月単位で見ればその一カ月の求人と求職があるわけで、一カ月単位の新規求人というのがあるわけですね。それを1月から12月まで足したものが、先ほど総理がおっしゃったように、700万、703万というような数字になってくるわけであります。それで、一カ月単位で見た求職の方を足していくと670万になる。こういうことをおっしゃっているわけで、新規求人で見れば、これは求人の方が多い、こういうことをおっしゃったわけであります。
○佐々木(憲)委員 数字のミスマッチなんですけれども、では、具体的に計算方法についてお聞きをしたい。
例えば、ある会社が、ある年の1月に百人の求人を出した。しかし、その会社は、賃金が非常に低い、労働条件が悪いということで、応募者がだれもないということがあって、この百人の求人を1年間ずっと出し続けた。だれも応募する人がいなかった。そういう場合は、年間としてはどのような数になるのでしょうか。
○坂口厚生労働大臣 急に難しい計算をしろと言われるとなかなかできないわけですが、現実問題といたしましては、例えば百人なら百人、新規にあった。そうすると、普通、有効求人といいます場合には、三カ月の間に見るわけですね。その間で百人ありましても、それでだれもそこに応募する求職者がなかったという場合には、それでは、おたくの条件は少し厳し過ぎますよ、もうちょっとそれは下げないとだれも来ませんよということを言うわけです。そうすると、その会社は、それじゃ、もう私のところはやめておきますというふうに言うか、あるいはそれを下げて、そしてお願いしますというふうに言うか、どちらかになるわけですね。
だから、百人あったものがそのまま1年間ずっと百人でいくということはないわけで、東京でも見ておりますけれども、百人ありましたものが、その人たちはその3月後には大体11人ぐらいに減っておるわけですよ、途中でそういういろいろな話し合いをするものですから。だから、百人あったのが、それがそのまま最後までいくというわけではないということでございます。
○佐々木(憲)委員 私は、実態を聞いているんじゃなくて計算方法を聞いているんです。百人求人を出したけれども応募者がいない場合、その会社が1年間求人を百人続けた場合、これは計算としては、年間の新規求人者数というのは何人という計算になるんですかとお聞きしたわけです。
○坂口厚生労働大臣 だから、それはそういうふうに、現実問題としてはそうならぬということを私は申し上げているわけで、それは小学校の数学式に足していけば、それは百人がいきますけれども……(佐々木(憲)委員「何人になるんですか」と呼ぶ)いや、何人になると言われましても、それは現実にはそうならないということを私はお答えをしています。
○佐々木(憲)委員 私は質問通告を出しているんだから、このぐらいのことは答えてもらわなきゃ困りますよ。
例えば百人を出しますね。その求人は、翌々月の末日までで一つの単位になるわけであります。それを越えますと新たな百人として登録をされまして、4月から6月までは百人と計算をされます。7月から9月までも百人、10月から12月までも百人。ですから、合わせますと、ずっと同じ百人を求人し続けましても、年間の新規求人数としては400人と計算されるわけです。こんなのは単純な計算なんです、求人倍率の定義にそうなっているわけですから。厚生労働省に確かめましたが、そのとおりでございますということでありました。
ですから、今大臣にここではっきり確認をしたかったわけですが、そういうことになるんでしょう、大臣。そういうことでしょう。
○坂口厚生労働大臣 それは、小学校式の計算をすればそうなりますけれども、しかし、現実問題はそういうふうにやっていないということを私は申し上げているわけです。
○佐々木(憲)委員 実際にダブルカウントされている部分がかなりあるんです。ですから、総理、700万人とおっしゃいますけれども、例えば半年間同じ数を求人するという場合には、これは倍に計算されるということになりますし、年間ですと、同じですと四倍に計算されるということになるんです。その数字が積み重なっていったのが700万人ということでありますので、この点は実態を正確には反映しないわけであります。専門家の方に聞いても、これは余り意味がない、足せばそうなるというだけの話だということでありまして、総理、この点、実態を正確に反映しない、ダブルカウントがかなりある、こういうことはお認めになりますよね。
○小泉内閣総理大臣 今お話を伺っていまして、そういう場合もあるのかなと思っていますが、あるんだったらば、もっといい基準のとり方を今後考えればいいのであって、要するに、民間の職業紹介等を聞いてみますと、求職者よりも求人数の方が非常に多いんだという話を伺っていますので、まだまだそんな捨てたものじゃないな、もっとこれは努力の余地があるな、求人と求職の間を埋める余地があるなという点で例を挙げたんですから、そういう点については、もっといい統計の方法があれば、今後検討するのにやぶさかではございません。
○佐々木(憲)委員 ですから、正確な実態を反映するような統計といいますと、先ほど最初に坂口労働大臣がおっしゃったように、その月の有効求人倍率というのが極めて正確に反映するというものであります。つまり、ミスマッチを完全に解消しても4割以上があぶれているというのが実際の姿なんですよ。その点をぜひ認識をいただきたいと思うのです。
次に、ミスマッチということをよく言いますが、その解消というのは、いわば57%の部分ですね、この部分の枠内でのミスマッチの解消というのが問題になっているわけでありまして、絶対数が不足しているわけですから、やはりそちらの方に目を向けた対策ということを考えていく必要がある、同時に、その原因はどこかということを考える必要があるというふうに私は思います。
そこで、それだけ絶対的に職がないわけですから、失業者があぶれて、職を探す人が職安に今押し寄せているわけです。次に問題になるのは、これにしっかり対応できる職安の体制があるのかどうかということであります。私が職安の職員から話を聞いたところによりますと、ともかく求職者の数が多いものですから、大変忙しい、もうトイレに行く時間もない、こういう話なんです。
平成元年から今日までの間に、月間有効求職者数、この数字をお伺いしますけれども、これはどのようになっていますでしょうか。実数と増加割合を教えていただきたい。また、職安の人員、これは同じ期間でどのようになっていますでしょうか。
○坂口厚生労働大臣 例えば、平成元年の9月におきましては、これは有効求職者数でございますが、134万9078人でございました。それから、2年になりましてから125万9998人、3年になりまして129万7436人……(佐々木(憲)委員「一番新しいのだけでいいです」と呼ぶ)一番新しいのだけ。そうしますと、平成13年の9月におきましては、260万3762名、こういうふうになっております。
○佐々木(憲)委員 つまり、職を求めて来られる方が134万人あったのが、現在では260万人、倍近くふえているわけですね。
では、職安の定員はふえていますでしょうか。
○坂口厚生労働大臣 平成元年度におきましては1万2837人、平成13年におきましては1万2692人、こういうふうになっております。
○佐々木(憲)委員 結局、職を求める方が倍にふえているのに、それに対応する職員の方が今の数字では145人減っているわけです。つまり、一人当たりの求職者が倍になっているわけです。これは大変なことでありまして、私は、いろいろ現場の話を聞きますと、大変な労働強化だと言うのです。
こういう訴えがあるので、ぜひ総理もお聞きいただきたいと思うのです。
窓口には、仕事を求めて連日多くの人が列をなしています。本来であれば、十分な時間をかけて丁寧な職業相談を行うことにより就職に結びつけることが何よりも重要なのですが、現在の窓口はそれが行える状態にありません。込み入った相談を行っている最中に、列の後ろから、いつまでやっているんだ、何しているんだ、早くしろという罵声が上がることも珍しくなく、職員は、時間内で一人でも多くの利用者と相談し、紹介することと、時間かけて充実した職業相談を行うこととのはざまで悩み苦しんでいます。
窓口の職員は、朝から晩までしゃべりっ放しで、机の後ろに見えないように置いてあるペットボトルからお茶をがぶりと飲んでまた相談を続ける、いわばマラソンランナーのような勤務がこの数年間続いています。相談待ちの列の切れ目でトイレに行こうとして大声を出され、怖くてすくんでしまった若い職員もおります。電話の応対も緊張の連続です。何しろ、列をなす求職者を待たせておいて電話に出るわけですから、大変なプレッシャーを感じます。職安に足を運んだ者より電話の方が大事なのかと言われてもやむを得ない状況にあるのです。
これは現場の職員の生の声なんですけれども、総理、こういう訴えをどうお感じになりますか。
○小泉内閣総理大臣 大変な御苦労だと思います。仕事がふえているのに人が少ないという状況で、御苦労のほどがわかるわけでありますが、その一方で、そういう点をカバーしているのが民間のいろいろな企業の方だと思います。
今いろいろな話を聞いていますと、公共職業安定所よりももっと民間の方がきめ細かに、親切にいろいろ対応しているという声も聞きまして、ハローワークも民営化したらどうか、そうすると、人数が少なくてもっと求職者に手厚い対策ができるんじゃないかという声も聞いております。なるほど、ハローワークの民営化というのもあるか、これはおもしろいなと私は思っているのですけれども、そういうことによって今民間企業が本当にきめ細かに求職者に対して対応している点も見習いながら、ハローワークにしても、もっと効率的に求職者に対応するような仕事ぶりはどういうものかという研究の余地もありますし、同時に、仕事がふえるからまた役人ふやせとなりますと行政肥大化になりますから、これもまた政府として慎まなきゃならない。こういう点は、今後、ハローワークの民営化論も含めまして、よく検討していきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 今の発言はとんでもない発言であります。
大体、民間の場合は、金にならなければ仕事をしないというのが民間なんですよ。ですから、求人を出す会社から今料金を取っているでしょう。今後は、そういう民間の企業というのは、職を求める人からも金を取ろうなんという、職のさたも金次第、そういう状況になろうとしているわけで、こんなことを政府が奨励したら大変なことになりますよ。今大事なのは、公共的なこの職安がしっかりと役割を果たすことだと思うのです。大体、民間の職業相談所に行きますと、難しい問題になると、あなたは職安へ行ってください、こういう話になるのですよ。そんな話、たくさんありますよ。
大事なことは、職安の職員のこの労働強化の事態をどう解消していくか、ここにやはり政府が取り組むという一番大きなポイントがあると思うのです。やはり、国民の失業の実態からいっても、職安の職員の数がともかく少ない。この点についてやはり定員を見直して、この部分については異例の措置、臨時措置として、政府はよく言いますけれども、セーフティーネットだというなら、このところを職員をふやす。どうですか、総理、そういう決意をここで言っていただけませんか。
○小泉内閣総理大臣 大事なことは、求職者に対して職を実際に見つけてもらうようにすることだと思うのですね。そこが、共産党と、自由主義社会の方が効率的に経済が活性化するという我々の考えと違うのであって、仕事があるから役人をふやせと言っていたら、本当に社会主義政権になっちゃいますよ。これを避けなきゃならない。仕事が多ければ多いほど民間にできることは民間に任せるということは、これはいいことなので今進めているのですから、今、ハローワークの中でも、実際は民間がやっている部分があるのです。そういうことによって、むしろ民間の方の職業紹介とかそういうところに行って職を見つけることができる人もいるのです。
だから、そういうものも含めて、ただ役人をふやせばいいという話じゃないでしょう。仕事が多いから、そういう発想だと、ますます役人がふえて行政が肥大化するばっかりですよ。それで、民間は営利を求めるからとんでもないと言うけれども、職を求める人にとってみれば、職を見つけることができる、それだったら多少お金を払っても職を見つけたいという気持ちの方が多いのですから、そういう点も考えないと、ただ役人をふやせばいいという問題じゃないと私は思いますよ。
○佐々木(憲)委員 全く今の実態をよく御存じない答弁だと思いますね。
大体、民間の職安、民間の職業紹介所というのは、まあ効率的に、ともかくぱっぱかぱっぱかとやるということが第一で、難しい問題は全部、職安に行ってください、こういう態度なんです。
自由主義経済と言いますけれども、今自由主義経済でどれだけ大企業が大手を振って人減らしをやっていると思っているのですか。このことがどんなに今失業をふやしているか、明らかではありませんか。そういうものに対して、国民の立場に立って、雇用を安定させる社会的責任を企業に果たしてもらう、こういう姿勢を国がとらないで、さあ、どうぞ自由に失業者をふやしてください、もう職安も民営化だ、こんなのでは、国としての役割を果たせないではありませんか。私は、もう全然根本的に発想が間違っているということを申し上げたいと思うのです。
そういうことで、最後にそのことを強調して、質疑時間が終了しましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。