2001年11月13日 第153回 臨時国会 本会議 【148】 - 討論
党を代表し補正予算案への反対討論「生活防衛なくして景気回復なし」と主張
2001年11月13日本会議で、小泉内閣が掲げる「構造改革」を推進し、それによって生じる痛みの“緩和策”を盛り込んだ2001年度補正予算案(追加歳出総額 2兆9955億円)が、自民、公明、保守の与党3党などの賛成多数で可決されました。日本共産党、民主党、自由党、社民党は反対しました。
補正予算案は、小泉流「構造改革」の優先事項を定めた「改革先行プログラム」を財政面で具体化したもの。「雇用・中小企業対策」を看板にしていますが、人減らし・リストラを応援し、「不良債権処理」の名で中小企業つぶしをすすめるなど、大失業・大倒産政策をワンセットにしているのが特徴です。
佐々木憲昭議員は、日本共産党を代表して本会議で反対討論に立ち、次のように指摘し、このような補正予算案は認められないと述べました。
(1)雇用不安の根本にある大企業の大量人減らしの規制がまったくない
(2)中小企業つぶしとセットの中小企業対策となっている
(3)防衛庁関連の補正予算として総額420億円と過去最高額が計上され、在日米軍基地の警備、普天間基地に代わる米軍新基地建設強行のためのSACO(日米特別行動委員会)関連経費を盛り込んでること
佐々木議員は、「生活防衛なくして景気回復なし」だと強調し、日本経済の6割を占める個人消費をあたためて経済を再建することを求めました。
議事録
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました2001年度補正予算三案に対して反対の討論を行います。(拍手)
反対理由の第一は、本補正予算案が、大量の倒産と失業を生み出す小泉内閣の構造改革路線、改革先行プログラムと一体のものであり、暮らしを守り日本経済を再建する方策がまともに盛り込まれていないからであります。
小泉内閣が発足して半年余、景気は悪化を続け、失業率5・3%、完全失業者は357万人、潜在失業者を加えると800万人近くにも及んでおります。ところが、本補正予算案には、雇用不安の根本にある、大企業の大量人減らしに対する規制は、全く盛り込まれておりません。そればかりか、委員会審議を通じて、小泉内閣が構造改革のためなら失業と倒産がふえ続けるのもやむを得ないとの態度をとっていることが、一層明らかになりました。本補正予算案の雇用対策は、今後3年間でわずか100万人弱、しかも原則六カ月未満という一時的雇用にすぎず、それは大企業の大量人減らしで完全に吹き飛んでしまう規模のものであります。
第二の理由は、本補正予算による中小企業対策が、小泉内閣の不良債権早期最終処理、中小企業つぶしとセットで出されているからであります。
本補正予算案では、売り掛け債権担保融資の創設など、中小企業の資金調達手段を拡大する措置がとられています。しかし、これらの対策は、過去のものと比べて一けた少ない融資枠を設ける程度の貧弱なものであり、これでは中小企業倒産の激増を防ぐことは全くできません。
その一方、銀行株式買取機構に対する2兆円もの債務保証は、大銀行に対する新たな税金投入の仕組みをつくるものであります。大銀行を守り中小企業をつぶす小泉内閣の逆立ちした姿勢が、ここにも明白にあらわれているのであります。
第三は、本補正予算案が、防衛庁関連の補正予算としては、総額420億円と過去最高のものになっていることであります。
今国会で改悪された自衛隊法に基づく米軍基地など重要施設警備のための予算、沖縄の普天間代替基地強行のためのSACO関連経費、東ティモールへの自衛隊派遣に伴う準備費などが盛り込まれております。しかし、これは認めるわけにはまいりません。
最後に、本補正予算案では、1兆6800億円余りもの国債を追加発行した上、決算上の剰余金の全額を特例を設けて財源に充てようとしています。
今回の国債新規発行によって、我が国の国債依存度は、当初の34・3%から35・8%にまで上昇することになります。また、本来、決算上の剰余金を財政法をも踏みにじってまで財源に充てるのは、小泉内閣が掲げた国債発行額30兆円枠の帳じり合わせ以外の何物でもありません。
このような予算案は、断じて認めるわけにはいきません。今、緊急に求められているのは、日本経済の6割を占める個人消費を温め、経済を再建することであります。
生活防衛なくして景気回復なし、このことを強調して、私の反対討論といたします。(拍手)