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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (強行採決)

2009年05月13日 第171回 通常国会 財務金融委員会 【518】 - 討論

09年度補正予算の採決を与党が強行 租税特別措置法案の反対討論

 2009年5月13日、与党は予算委員会で、09年度補正予算案の採決を強行しました。
 自民党と公明党は、質疑を続けるべきだという野党側の主張に耳を貸さず、予算委員長の職権で質疑を終局し、補正予算案の採決を強行しました。
 民主、社民、国民の各党は、これに抗議して退席しましたが、日本共産党は出席して反対しました。

 これに連動しておこなわれた、財務金融委員会での租税特別措置法案についての採決も、民主、社民、国新各党が抗議して退席しました。
 日本共産党は、佐々木憲昭議員が出席して反対討論をおこないました。

 研究開発減税の拡充を盛り込んだ租税特別措置法「改正」案を自民、公明両党の賛成多数で可決しました。佐々木議員は反対討論で、与党による採決強行に抗議するとともに、この法案は、「大企業にいっそうの恩恵を与えるものだ」と批判しました。
 法案には、住宅取得のための贈与税減税も盛り込まれました。
 贈与税減税は、一部の資産家に恩恵をもたらすとともに、「資産格差」を広げることにもなります。さらに政府見込みでも、この減税を利用して住宅取得に踏み出す人は1万7000人程度。「経済効果」も期待できません。
 また、中小企業の交際費課税の軽減措置が盛り込まれたものの、赤字経営に追われる約7割の中小企業は恩恵を受けられません。
 佐々木議員は反対討論で、「倒産・廃業の危機に直面している多くの中小企業にとっては、消費税の減税こそ必要とされている」と強調しました。

 その後開かれた本会議でも、民主、社民、国新の野党3党は欠席。日本共産党は出席し、笠井亮議員が反対討論をおこないました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、租税特別措置法改正案に対し、反対討論を行います。

 討論に入る前に、一言申し上げておきます。
 与野党の合意なしに補正予算の採決に合わせて当委員会で採決を強行することに、強く抗議するものであります。
 予算委員会で強行採決された15兆円規模の補正予算案は、大型公共事業を復活させ、大手企業に減税をばらまくなど、無駄と浪費を肥大化させるものとなっており、そのツケを消費税の大増税で国民に回そうとするものであり、到底容認できないものであります。
 これとセットで出されたのが、租税特別措置法改正案であります。

 反対する第一の理由は、企業の研究開発減税の適用条件を緩和することにより、大企業に一層の恩恵を与えるものとなっているからです。
 研究開発減税に占める割合は、資本金10億円以上の大企業が93%、1億円以上に限ると減税額全体の97%、これを大企業が占めているのであります。中小企業は、大企業に比べて研究開発に取り組む割合が極めて低い上、約7割が赤字のため、わずか2・7%にすぎないのであります。

 第二の理由は、住宅取得のための贈与税減税は、一部の資産家への恩恵をもたらすとともに、資産格差を助長するものとなるからです。
 政府は、これまでにも相続税と贈与税の最高税率を引き下げる優遇措置をとってきました。今回、さらに贈与税の非課税枠を拡大する必要があるのでしょうか。高齢者の資産を活用した住宅取得の支援をうたっていますが、今日、多くを占める低所得の高齢者は、そもそも贈与する資産がない上に、医療や介護など老後の不安を抱えているのが現実であります。
 実際、今回の贈与税減税を活用して新たな住宅取得等に踏み出す人は、政府見込みでも1万7千人程度、昨年の新規持ち家着工戸数の2・7%にすぎず、経済効果を期待できるものではありません。

 第三に、中小企業の交際費課税軽減措置は、黒字企業が対象であり、赤字経営に追われている約7割の中小企業にとっては無縁の措置であります。
 中小企業の経営者の遊興費を援助するより雇用対策などに金を回すべきだとの厳しい意見が出されているのであります。倒産、廃業の危機に直面している多くの中小企業にとっては、交際費減税より消費税の減税こそ必要とされているのであります。

 以上の理由から、本法案には反対をいたします。

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