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金権・腐敗政治 (鈴木宗男議員疑惑, 国際協力・ODA)

2002年02月04日 第154回 通常国会 予算委員会≪総括質疑≫ 【154】 - 質問

アフガン会議でのNGO排除に鈴木宗男議員の影響 総理は認めたのに外務省は「なかった」と食い違い答弁

 2002年2月4日、予算委員会で、佐々木憲昭議員は、アフガン復興支援国際会議への一部NGO(非政府組織)の出席を拒否した外務省の決定にあたり、自民党の鈴木宗男衆院議員から圧力があった問題について、小泉純一郎総理と外務省に対し事実認識をただしました。

 このなかで佐々木議員は、小泉総理が「(鈴木議員の)影響を受けすぎた」と圧力を認めているのに、外務省の重家俊範中東アフリカ局長が「圧力はなかった」と一貫して答弁していることを指摘。重家局長に「総理の答弁と明らかに違う」とただしました。
 重家局長は「(不参加の)決定は外務省の判断」との答弁に終始し、当初出席させる方針だったのが、欠席へと変更する過程で鈴木議員の圧力があったことを認めず、総理答弁との矛盾が鮮明になりました。
 小泉総理と外務省の答弁が食い違ったため、質疑がたびたび中断。矛盾点が解決されていないにもかかわらず、津島雄二予算委員長は「総理は明確に答弁している」などとして、佐々木議員の質問を打ち切りました。

 続いてこの問題をとりあげた社民党の横光克彦議員の質問に、小泉総理は「『鈴木議員の発言を気にしすぎた』というのは私の判断。局長と違っていても何ら矛盾はない」と食い違いを認めたうえで開き直り、川口順子外務大臣も「総理と局長の言い分に矛盾はない」と無責任な答弁をしました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 私は、アフガン復興会議へのNGOの参加拒否問題についてお聞きをしたいと思います。
 NGOというのは、アフガンなど、地雷撤去の面でも、あるいは医療の支援の面でも、援助物資を末端の住民に届ける、こういう面でも極めて重要な役割を果たしていると思います。まさに政府のできないことをやっている。アフガンの復興に関しても、なくてはならない存在であります。
 そのNGOを会議の初日のNGO会議、20日の会議から排除したということは、これは外交上の重大な汚点となったというふうに思うんですけれども、総理はそういう認識はお持ちでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 NGOと協力すべきは協力するという点について、これからも、今までの経緯をよく反省しながら、外務省も、いろいろなNGO団体があると思いますので、適切なNGOとは今後も協力体制、連携体制をしっかりとって外交に当たっていただきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 問題の重要性について私はお聞きをしたんです。これは国際的な、大変重大な問題をもたらしたと思うんです。
 例えば、アメリカの貧困対策NGOのマーシー・コープスの副議長はこう言っておられるんですね。世界のNGOと政府が連携してアフガンの復興に取り組もうというせっかくの機会に、NGOの役割を理解しない今回の措置は残念で驚きだ。あるいは国際NGO、ICVAのデンマーク代表は、会議からの排除はヨーロッパならあり得ない、NGOは時には政府を批判するものだ、政府は批判に耳を傾ける度量を持つべきだ、このように言っておられるわけですね。
 まさに世界に恥をさらしたというか、大変な問題を残したものであります。その責任というのは私は極めて重大だと思うんです。
 そこで、総理に伺いますけれども、政府を批判したNGOを政府主催の会議に参加させないというのは私は根本的に間違っていると思うんですけれども、そういう認識はお持ちでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 政府を批判しようがどうしようが、適切なNGOとは協力をとっていった方がいいと思います。
○佐々木(憲)委員 それでは、重家中東アフリカ局長、お見えですか。お聞きしますが、総理のこれまでの答弁では、不参加の決定をしたのは、細かな点は別として、特定の議員、すなわち鈴木宗男議員の影響があったからだ、こういうふうに言っておられます。外務省はだらしがないと述べているわけです。しかし、これまで重家局長の答弁というのは、NGOの不参加決定というのは外務省が決定したことであって、鈴木議員に言われたり圧力を受けたのではない、そういうことはないと言い続けてこられました。
 例えば1月25日のこの予算委員会で、この決定は外務省自身の判断で行ったものでございます、あるいは1月28日の予算委員会でも、先生から参加問題について圧力があった、かかったということもございません、こういうふうに答弁されている。あなたは一貫してこういうふうに言われている。
 今までの総理の答弁とこれは明らかに違うんじゃありませんか。いかがですか。
○重家政府参考人(外務省中東アフリカ局長) お答え申し上げます。
 先生御指摘の決定は外務省自身の判断で決めたことでございまして、特定の政治家の主張に従ったものではございません。
○佐々木(憲)委員 全然違うじゃないですか。
 総理は、変な議員の変な言い分を聞くことはなかったと言っているんですよ。鈴木宗男代議士の圧力があってこのような事態が発生した。あなたが今言ったのは、そういうものは全然なかった。違うじゃないですか。
○小泉内閣総理大臣 違わないんですよ。議員がどんな意見を言ってもいいんです。決めるのは外務省なんですよ。気にするかどうかというのは問題ですよ。しかしながら、決めるのは外務省なんですよ。議員が決めるんじゃないんですよ。そこについて反省すべき点があったと私は言っているんです。最終的に、外務大臣が参加させた方がいいということで外務省は決めているんですから。
○佐々木(憲)委員 途中で、最初外務省が、NGOの参加を決定した、招待状を出した、10日の日に。19日になって、二つのNGOの代表を参加させない、こういうふうに排除の決定をした、そして伝えた。その過程で鈴木宗男代議士の影響があった、圧力があった、変な言い分があった、総理はそうおっしゃったわけでしょう。重家局長はなかったと。総理と違うじゃないですか、あなたの答弁。
○小泉内閣総理大臣 違わないんです。いろいろな意見があってもいいんです、議員は。それに従うかどうかというのは、最終的に外務省が決めるんです。野党の議員の中には参加すべきだという意見もあるんです。それが、野党が言ったから決めるというんじゃないんです。野党の意見も、参加すべきだという議員の意見も聞きながら、最終的に決定するのは外務省なんです。それをおわかりいただきたいと思います。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 外務省の判断として決めたことでありまして、特定の政治家の主張に従ったものではございません。
○佐々木(憲)委員 全然答弁が食い違っているじゃないですか。どっちが正しいんですか。はっきりしてくださいよ、これは。
○小泉内閣総理大臣 よく聞いてくださいよ。
 参加、不参加のことについて特定の議員のことに従ったわけじゃないと。どのNGOに参加しろとか参加すべきだということは、外務省もそういう影響は受けていないと。
 決まったのは、意見はいろいろ言いましたよ、議員は。それは野党もそうです。このNGOを参加させろと野党は言っているでしょう。影響力行使という意味においては同じですよ。しかし、それに従ったわけじゃない。いろいろな意見を聞いて、最終的に判断するのは外務省なんです。
○佐々木(憲)委員 最終的に、間違った判断を是正したのは田中外務大臣でしょう。その以前に出席が決定されていたのを、それを覆して、外務省に圧力かけて外務省の方針をゆがめて、その結果、排除したんじゃないですか、途中で。問題はそのことを言っているんですよ。
 総理は影響があった、外務省は全然なかった、全然違うじゃないですか。だめだ、こんなのは。全然違うじゃないか、答弁が。食い違っているよ。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 総理の言われましたとおり、外務省の判断で決めたことでございます。(発言する者あり)
○津島委員長 佐々木憲昭君。
 質問をして究明をしてください。佐々木委員、質問をして究明をしてください。――佐々木委員、質問をしてください。(発言する者あり)冷静にやってください。冷静にやってください。冷静にやってください、これは予算委員会ですから。
 佐々木君、質問をして究明をしてください。(発言する者あり)
 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○津島委員長 それでは、速記を始めてください。
 それでは、佐々木委員に申し上げます。
 もう一度局長に答弁をさせ、それから総理からも答弁をしていただきます。
 それでは、重家局長、御答弁をお願いします。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年来、NGOのあり方につきましては、与党も含めましていろいろ議論がなされておりまして、その過程で外務省の方にもさまざまな意見が表明されていたことでございます。しかし、会議の参加問題につきましては、外務省自身が判断したことでございまして、特定の議員の主張に従ったことはございません。しかし、その判断につきましても、21日に至りまして、大臣の御指示によりまして、省内で検討の上、22日の閉会セッションにはオブザーバーとして他のNGOと同様に出席していただくことに決めたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 問題は、参加を10日の日に決めていて、招待状を10日の日に出して、その後19日になってそれを撤回して拒否をした。つまり、今までの方針を変えたんですよ、途中で。その変えた過程で何があったのか。
 総理は、参議院の小池議員の質問に対して、「簡単に言えば影響を受け過ぎたんでしょう。そこが外務省のだらしないところですよ。」と答弁されているんですよ。影響を受けたんでしょう、鈴木議員の発言によって。
 大体、鈴木議員というのはもともとどういう意見を持っていたか。これはもう既にテレビでも放映されているわけですけれども、なぜ政府を信用しないと言う人が政府主催の会議に出席したいのか、お上を信用しない者がなぜお上の会議に出たいのかね、これが鈴木議員の考え方ですよ。
 その影響を受けたんでしょう。その影響を受けて、参加だった大西さんを代表とするNGOが参加できなくなった、そういうことじゃないんですか。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 その間、18日の新聞記事が出まして、これで私どもは、信頼関係が損なわれたことがいわば決定的になったというふうに考えた次第でありまして、そういうことで、外務省の判断としてそういう決定をしたということであります。
○佐々木(憲)委員 これ、全然総理の見解と違うじゃないですか、あなた。こんなんじゃ全然だめだよ、これ。進まない。同じじゃないか。
○津島委員長 重家局長、明確に答弁してください。速記をとめてください。
〔速記中止〕
○津島委員長 速記を起こして。
 外務省重家中東アフリカ局長。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年来、先ほど申し上げましたように、NGOのあり方につきまして与党内部で議論があったわけでございます。鈴木先生も発言をしておられるわけでございます。
 しかし、会議のことにつきましては、総理が先ほど御答弁されておりますように、私ども自身の判断でそういうことを決めたということでございます。
○佐々木(憲)委員 総理の発言とあなたの発言、まるっきり違うよ。
 総理は――いや、今質問します。総理は、参議院の答弁でも先ほどの答弁でも、途中でNGOを排除したことについて、特定の議員の影響を受け過ぎた、外務省はそれを聞き過ぎたという趣旨の御発言をされましたね。そのとおりですよね。
○小泉内閣総理大臣 過程で、鈴木議員も含めていろいろな意見があったと思います。それについて最終的に決定したのは外務省です。だから、そういう過程で、いろいろな今の事情を考えてみると、事情聴取した様子を私が聞いてみると、鈴木議員の意見も気にし過ぎたな、その点はよく反省しろと。だから、事務方の責任者として次官もやめてもらうことにしたんですよ。
○佐々木(憲)委員 では、局長の答弁は総理の答弁と全然違うわけですね。全然違うじゃないですか。
○津島委員長 重家中東アフリカ局長。――重家局長、答弁してください。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 一部のNGOの会議におきまして、鈴木先生がNGOの支援について、より詳しく申し上げれば、草の根無償の使い方についていろいろ御発言されておられたことは事実でございまして、しかし、会議の参加、不参加の問題につきましては、総理御答弁のとおり、外務省自身の判断で行ったものでございます。(佐々木(憲)委員「全然違うよ」と呼ぶ)
○小泉内閣総理大臣 では、よく聞いてくださいよ、違わないということを。
 いろいろな意見を議員が言っても結構。それは与党でも野党でも言ってくるでしょう。しかし、そういう意見を聞いて判断するのは外務省なんですよ。そういう判断に今回気にし過ぎた点があったから反省すべきだと、私はそういうふうに思ったから、この問題は今後外務省改革に生かしていかなきゃいかぬということで、外務省もこれはきっちりとした対応をとるべきだということで、今回、次官もやめることになったし、そして外務省の改革について国会の紛糾があったから大臣もやめることになった。何も矛盾していないじゃないですか。
 しかし、決定は外務省なんですよ。いろいろな意見がある、与党も野党も。それは、この団体を参加させるべきだというのも意見、参加さすべきでないというのも意見、与党が言うのも意見、野党が言うのも意見、そういう意見を聞いて決定するのは外務省なんですよ。
○津島委員長 佐々木委員、総理が明確に答えておられます。(発言する者あり)
 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。
 次に、横光克彦君。(佐々木(憲)委員「何を言っているんだ、質問中でまだ終わっていないよ」と呼ぶ)
 佐々木君、時間が参りました。(発言する者あり)
 それでは、佐々木君の質問に対して、重家局長から、総理の答弁を踏まえて答弁をしてください。
○重家政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年末の自民党の合同部会でNGOの問題につきまして議論がありまして、草の根無償の使い方に関して鈴木議員から意見があったことは事実でございます。しかし、他方、今回の会議につきましては、その参加、不参加のことにつきましては外務省自身が判断したことでございます。
○津島委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

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