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金権・腐敗政治 (鈴木宗男議員疑惑, 税金の還流, 国際協力・ODA)

2002年03月11日 第154回 通常国会 予算委員会≪証人喚問≫ 【163】 - 質問

鈴木宗男議員の証人喚問 「ムネオハウス」入札資格は1社だけ・受注企業が献金を増加

 2002年3月11日、予算委員会で、「北方四島」支援事業の入札をめぐる関与疑惑などについて、自民党の鈴木宗男衆院議員に対する証人喚問が行われました。2月20日の参考人質疑に続くものです。この証人喚問で佐々木憲昭議員が質問しました。

 このなかで鈴木氏は、疑惑の焦点である「ムネオハウス」(国後島「友好の家」)建設で、地元の「根室管内」の業者を使うよう働きかけた点について「領土返還運動の政策的理念に基づく根室重視と、地元の要望からお願いしたのは事実」とのべ、関与を認めました。
 一方で「ムネオハウス」の入札参加資格が事実上自分の後援企業に絞られた点については「個別具体的な企業の話はしていない」と疑惑を否定しました。
 外務省の調査報告(3月4日)によると鈴木氏は、1999年10月24日の「ムネオハウス」竣工式に出席した際、現場に地元の作業員がほとんどいなかったため「激怒」し、同行した外務省職員に調査を命じています。
 佐々木議員は、そういう中で同社に追加支払い(2374万円)がされたことを明らかにし、元請けの渡辺建設工業が翌25日に50万円、12月21日にも100万円を追加して献金したのは、こうした工事受注へのお礼ではないかと追及しました。
 鈴木氏は「追加工事にはタッチしていない」と述べる一方、献金については、渡辺建設工業からは政治資金団体に毎年定期的に50万円、党支部の方に「その年ごとの協力」とあいまいな答弁で受注との関係を否定しようとしました。
 たしかに、鈴木氏の資金管理団体「21世紀政策研究会」への献金は毎年50万円ですが、鈴木氏が支部長をつとめる「北海道第十三選挙区支部」への献金を合わせれば、97年の50万円から98年の150万円、「ムネオハウス」を受注した99年には250万円にはねあがっており、受注の見返りである疑いは濃厚です。

 さらに佐々木議員は、入札参加資格を説明した外務省側に鈴木氏が「根室管内にBランク以上は何社か」と尋ねたことを外務省が認めていることを指摘し、当然、外務省から「1社のみ」という報告を受けているはずだとして、その回答があったかどうかただしました。
 鈴木氏は「外務省が決めた枠組みで了解したと認識している。」「個別の業者の名前の説明を受けたという記憶はない。思い出すことはできない」とのべました。
 佐々木議員は「肝心なことになると忘れる。非常に問題だ」と批判しました。
 佐々木議員は、独自の調査に基づき、1995年度から1999年度まで根室管内で行われた36件の官公庁発注実績がすべて渡辺建設工業で、「根室管内で施工実績を十分に有する者」との入札参加資格に該当するのが同社しかないことを明らかにし、「この地域のことをよく知っているあなたはご存じではないか」と追及しましたが、鈴木氏は「個別の業者名は言っていない」と逃げに終始しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、2月20日の参考人質疑の際に外務省の内部文書を明らかにして、あなたが、友好の家、いわゆるムネオハウスの入札に深く関与していた事実を指摘をいたしました。その後、外務省の調査報告書では、文書の存在を確認をし、深く関与していたことを認めたわけであります。
 問題は、この入札参加資格決定過程でありました。しかも、これらの事業を受注した企業からあなたに対する政治献金がふえていることであります。
 例えば、渡辺建設工業は、97年の50万円から、98年の150万円、99年の250万円とふえております。これは明らかに受注に対する見返りと思われるわけですけれども、それは事実ですね。
○鈴木証人 全くそういったこと、私自身依頼も受けたこともありませんから、同時に、私自身が献金をいかほどしてくれというお願いもしておりませんので、ぜひともその点は誤解のないようにしていただきたい、こう思います。
○佐々木(憲)委員 前からのつき合いだったとおっしゃっていました、先ほどね。私は、だから問題だと思うんです。献金を受けてきた企業に仕事をつくってやった、そういう関係にあったのではないか。
 具体的に、じゃ、お聞きをします。
 ムネオハウスの竣工式が、式典が99年の10月24日に行われました。その帰りの船の中で、あなたは、地元の作業員がほとんどいなかったことに激怒し、同行した外務省欧亜局職員をどなりつけ、調査を命じたと書かれております。こうしたことから、渡辺建設に、その後、2374万円の追加支払いが実施されております。あなたが激怒した翌日、10月25日に、渡辺建設工業から50万円の政治献金が渡されております。また、2カ月後の12月21日には、100万円の政治献金が渡されております。もう明らかにこれらの献金は工事受注へのお礼ではありませんか。
○鈴木証人 帰りの船の中でどなりつけたという話がありますが、この点、私の言葉に問題があれば、これは反省しなければいけないと思いますが、ただ、すべて私が言ったことが、どなり上げたとか怒ったみたいな話になっておりますけれども、この点、あの記録も、外務省の調査報告も、私は、受けとめた側のやっぱり認識というのは多分に入っている、こう思っておりますので、この点は、決めつけはぜひともしてほしくないと思います。
 同時に、今佐々木委員から、その追加工事があった2千数百万円ですか、これは私は、全くそれはタッチしてもいなければ、佐々木委員の今のその指摘でわかる話であります。
 同時に、佐々木委員が当委員会に示された、私のこの政治資金報告の過去6年間分ぐらいの資料がここへ出たと思いますが、その中で、私の政治資金団体には、渡辺さんは、毎年、佐々木委員の出した資料によりますと、50万、定期的に入っておったと思います。
 そして、自由民主党の方に関しましては、この入金の日にちだとか、あるいはその期日なんかでは差がありますけれども、これも、自由民主党は自由民主党に対しての、私は、会費といいますか、その年ごとの協力があった、こんなふうに私は認識をしております。
○佐々木(憲)委員 まあ、質問に直接答えていただけないのは非常に残念です。自民党といっても、それはあなたの支部でありますからね。
 それから次に、いわゆるムネオハウスでありますが、99年5月27日、あなたは、この入札工事に関して、外務省関係者から参加資格について説明を受けた。その際、根室管内に限定してはどうか、根室管内にはB以上は何社かと聞いています。その後、直ちに支援委員会、外務省が調べたら、根室管内のB以上は1社のみ、渡辺建設工業ということでありました。この報告をあなたは外務省から当然受けていますね。
○鈴木証人 佐々木委員の質問の際のこのメモで、私はあのときのやりとりというものをわかったんですけれども、あのとき佐々木委員の示したメモに、私自身、根室管内に何社あるのかというお尋ねをしました、先方もそのお尋ねに対してはわからなくて持ち帰ったというのが、あのときのメモの私は詳細でなかったか、こう思うんです。
 それで、その後、私は外務省の方が当然説明に来たんだなと、こう思いますが、その説明がいつであったのか、同時に、私は、その説明の際は、外務省が決めたルールといいますか外務省が決めてきた枠組みで私は了解をしているんでないかな、こんなふうに認識をしております。
○佐々木(憲)委員 質問に対して後で回答があったけれども、そのときの回答の中には、渡辺建設工業という1社ですと、名前を出すか出さないかは別として、1社ですというそういう回答はあったんですね、なかったんですか。
○鈴木証人 そういう個別の業者の名前を、説明を受けたという記憶はございません。
 あとまた、どう思い出しても、個別に何社かという中で、次回、あれが、今先生、28日と言いましたけれども、27日なんですね、私のところに来たのが。で、メモが28日のメモなんですよ。ですから、その後の経緯について説明はあったかと思いますけれども、個別具体的な企業の私は説明を受けたかとなると、これは思い出すことはできません。
○佐々木(憲)委員 肝心なことになると忘れる。非常に問題だと。このくらいのことは当然覚えているはずなんですね。
 最終的に入札公示は、北海道に本社があって根室管内で十分な施工実績のある者、こうなりました。この要件に該当する会社は渡辺建設工業だということは、当然、御存じですね。
○鈴木証人 全くそういった認識は持っておりませんでした。
○佐々木(憲)委員 我々の調査では、渡辺建設工業しか実績のある会社はありません。平成7年、8年、9年、10年、11年、ずっと調べましたら、5年間36件の官公庁発注実績があります。これ全部、ここに資料がありますけれども、この資料によりますと、すべて36件、渡辺建設工業しか根室管内で仕事をしていないんです。
 つまり、北海道内に本社があろうが根室管内に本社があろうが、根室管内で実績のある会社、公示によって決められたその要件に該当するのは、渡辺建設工業しかない。これは当然、この地域のことをよく知っているあなたは御存じだと思うんですけれども、いかがですか。
○鈴木証人 佐々木委員の質問等、参考人招致のときから聞いておりますと、どうもそちらの方向に持っていきたいがゆえの、私は、話でありますけれども、私自身、その認識は持っていなかったということ、あと、個別具体的な企業の話はしていないということは、調査書の中でもこれははっきりしているわけでありますから、ぜひともその点は私は明確にしておきたい。
 先ほど来言っているとおり、私が、なぜ根室かというと、領土返還運動の原点であるということ、さらには、地元からそういった要請、要望があるということで私は根室管内という話であって、個別の業者の名前は言ってないということだけは明確にしておきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 聞いたことにだけ答えてください。
 外務省調査報告書では、「入札参加資格案として同議員に説明し、同議員は、これを了承した。」と書かれています。これは極めて重大なんです。根室管内に限定する、根室管内の実績のある会社に限定する、これはつまり、入札資格参加を事実上あなたが決めたということと同じなんです。そうじゃありませんか。
○鈴木証人 この点、外務省の調査報告書にもありますし、また、委員の先生方も、いわゆる入札参加基準の公告というのが公になっておりますから見ていただきたいと思いますが、私が5月27日やりとりしたとおりの結果にはなっておりません。これはきちっと、入札の公募の際、明確でありますから、どうぞ佐々木先生、その点を比較していただきたい。27日のやりとりのとおりであったかどうかということを見てもらえれば、私は、おのずからはっきりすることではないか、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 終わります。

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