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金権・腐敗政治 (鈴木宗男議員疑惑)

2002年05月10日 第154回 通常国会 予算委員会 【171】 - 発言

野党4党が鈴木宗男議員偽証告発動議を提出=自公保が反対し否決 佐々木議員が「前代未聞の愚挙」と批判

 2002年5月10日、自民、公明、保守の与党3党は、衆院予算委員会で、日本共産党など野党4党が共同提出した鈴木宗男衆院議員を議院証言法違反(偽証罪)で告発することを求めた動議を反対多数で否決しました。与党は鈴木氏に対する再度の証人喚問も拒否しており、疑惑解明にフタをする姿勢を示しました。

 鈴木氏は、3月11日に行われた予算委員会の証人喚問で、「ムネオハウス」の建設工事入札での秘書の関与を全面否定しました。しかし、鈴木氏の公設秘書が4月30日に偽計業務妨害容疑で逮捕され、野党側は鈴木氏の証言は偽証にあたるとして、予算委員会による鈴木氏の告発を求める動議を提出したものです。

 与党3党を代表して意見表明した自民党の藤井孝男議員は、「偽証となる判断材料はない。何ももっていない」と鈴木氏をかばいだてし、野党が国政調査権の発動として要求する再喚問にも「司法手続きと競合することであり、自重すべき」だと述べました。

 採決にあたり賛成の意見表明に立った佐々木憲昭議員は、入札・受注への鈴木氏の関与の追及や、外務省の公表文書などで鈴木氏と秘書の関与疑惑がいよいよ濃厚となり、東京地検が秘書を逮捕するに至ったと指摘。偽証の疑いがきわめて濃厚となった以上、議院証言法の規定にもとづき、偽証告発することは当然と強調しました。さらに佐々木議員は、何ら説得力のある説明をしない与党に対し、告発しないことは「明白な偽証の疑いを多数で抹殺するにほかならない。まさに前代未聞の愚挙であり、本委員会の権威を著しく失墜させるもの」と批判しました。

 その後、9月5日に、鈴木宗男議員を議院証言法にもとづき、偽証で告発することを議決しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して意見表明します。
 去る3月11日の予算委員会における鈴木宗男議員の証言が偽証である疑いは極めて濃厚であり、同議員を偽証罪で告発することは、本委員会の当然の責務であります。
 証人喚問の焦点であったムネオハウス疑惑は、鈴木議員が外務省に圧力をかけて入札要件を不当にねじ曲げた上、同議員の後援会企業である渡辺建設工業、犬飼工務店に受注させ、そこから政治献金を受けていたというものであります。私たちは、外務省の内部文書を示して、入札、受注への同議員の関与を追及してきました。
 ところが、自民党の浅野議員が証人喚問で、あなたの秘書がかかわっていた可能性はありませんかとただしたのに対し、鈴木議員は、かかわっていたということはございませんと、全面否定する証言を行いました。
 しかし、次々に公表された外務省文書によっても、鈴木議員及び宮野秘書の関与疑惑はいよいよ濃厚となり、4月30日、東京地検は宮野秘書を偽計業務妨害罪で逮捕するに至ったのであります。
 鈴木議員の3月11日の証言がうそであり、偽証の罪に当たることが極めて濃厚となった以上、議院証言法第八条、委員会は証人が偽証の罪を犯したものと認めたときは告発しなければならないとの規定に基づき、偽証告発をすることは当然であります。
 そもそも、証人喚問は、憲法62条の国政調査権の行使であります。国会の権限である国政調査権は、真実を述べる旨の宣誓をした証人が虚偽の陳述をしたときは3月以上10年以下の懲役に処するという刑罰を背景に、不正行為などの真相を解明する機能を国会に与えているのであります。
 しかも、最高裁判決によって、この偽証罪は国会の委員会の告発を起訴条件とすることとされ、鈴木議員の偽証の疑いが、事実に照らして、だれの目にも明らかになったとしても、本委員会が告発を行わない限り、検察当局は偽証罪で立件できないという運用がなされているのであります。
 ところが、小泉政権・与党三党は、宮野秘書の逮捕だけでは偽証の証明はできないなどと言うだけで、説得的な説明を何ら行わず、偽証告発の動議を否決するというのであります。
 それは、本委員会が鈴木議員の当該証言を偽証ではないと認め、告発しないと表明するものであり、明白な偽証の疑いを多数で抹殺するものにほかなりません。事実を多数で葬ることは断じて許されないのであります。これまでにも、ロッキード事件を初め、金権疑惑の解明に対して、疑惑にふたをするさまざまの動きがありました。しかし、偽証告発を否決するなどということは一度もなかったのであります。まさに前代未聞の愚挙であり、本委員会の権威を著しく失墜させるものであります。
 与党三党は、なぜ事実に目を向けず、鈴木議員をかばい続けるのか。余りにも異常な状態と言わなければなりません。
 このことを指摘し、鈴木議員の偽証告発に賛成の意見表明を終わります。(拍手)

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