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税制(庶民増税・徴税) (消費税, 免税点引き下げ)

2003年01月24日 第156回 通常国会 予算委員会 【186】 - 質問

消費税増税すれば低所得者に重い負担/中小企業を直撃 免税点引き下げなどで6300億円の増税

 2003年1月24日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、消費税増税問題について質問しました。

 佐々木議員は、国庫に入る消費税収が、導入から2002年度までに3倍にも増えている一方で、法人税収が半減していることを示し、消費税の税率を引き上げた一方、法人税率を引き下げてきた結果だと強調しました。
 導入初年の1989年の消費税は3兆2699億円で、租税・印紙収入全体に占める割合は5.95%。それが2002年度には9兆5920億円、21.66%へと3倍になっています。一方、法人税は、18兆9933億円、34.58%から9兆9900億円、22.56%へと半減しました。この間、消費税率は3%から5%にアップする一方、法人税率は1988年の42%から99年には30%へと引き下げられてきました。
 そのうえで佐々木議員は、97年の消費税増税と医療費負担増などをあわせた9兆円の負担増が消費を冷え込ませ、景気にマイナス作用を及ぼしたと指摘し、塩川正十郎財務大臣の認識をただしました。塩川大臣はその事実を認めました。
 次に佐々木議員は、消費税が、低所得者に重くかかっている逆進性を持つことを取り上げ、総務省の家計調査報告をもとにした独自試算で、消費税率があがるほど収入の少ない人により重い負担がかかることを明らかにしました。年収200万円未満の人と1500万円以上の人の負担率の差は、税率5%で2.8ポイントですが、日本経団連の奥田碩会長が提唱する16%に上げると9ポイントまで広がります。佐々木議員は、消費税の増税が「低所得者の生活を破壊する」と告発しました。
 塩川大臣は、消費税の持っている「逆進性」について、その「傾向はある」と認めながら、「国際競争力で企業活動を活発にするため法人税を下げないといけない」など述べました。佐々木議員は、「献金をくれる大企業のためには減税するが、庶民にはどんどん押しかぶせる」と、塩川大臣の姿勢を厳しく批判しました。

 厚労省は基礎年金支給に必要な費用の全額を消費税でまかなった場合、2025年度で9.2%の消費税増税が必要だと試算しています。「これは消費税増税でカバーすることを排除していないということだな」との佐々木議員の質問に対し、坂口厚生労働大臣は、「この部分は除く、この部分は除かないということを言っているのではないか」と消費税の税率アップも含めて検討することを否定しませんでした。
 そこで佐々木議員は、公明党が1992年の参院選重点政策で消費税廃止を主張していたことを指摘し、坂口大臣をただしました。
 坂口大臣は、「それはそういうときも確かにあった。導入するときの話だ。しかし年々刻々状況は変わっている。法人税、所得税を高くすれば(大企業、高額所得者が)海外に出ていってしまう。そうしたことを勘案して全体の税制を考えていくべき時期にきている」と答弁しました。
 さらに佐々木議員は、坂口大臣自身が、1990年2月の選挙公報で「公平な税とは『所得の多い人からはより多く、少ない人からはより少なく』が原則です。消費税はこの原則から大きくはずれているので廃止をいたします」と明確に書いていたことを示し、「この公約をどのように位置づけているのか」と迫りました。
 坂口大臣は、公約について「未来永劫これでいくということではない。時代が変わればそれに対する考え方も変わっていくのは政治家として大切だ」と開き直りました。
 佐々木議員は「時代が変わったのでなく、公明党と大臣の姿勢がクルクル変わった。こんな国民を愚弄するやり方はない」と厳しく批判しました。



 小泉内閣は、2003年度税制改正に、消費税の中小企業特例措置の改悪を盛り込んでいます。佐々木議員は、今回の改悪が中小零細業者の営業を直撃するものであることを浮き彫りにしました。

 今回の改悪は、将来の税率引き上げをめざした準備だと位置づけられています。消費税の免税点を売上高3000万円から1000万円に引き下げることで新たに140万者が課税業者となり、中小業者の事務負担軽減のためにもうけられている簡易課税制度の改悪によって、現在の適用業者の5割が対象外となります。
 政府は、これらの免税業者は「益税」を得ているといいますが、その根拠はありません。佐々木議員の質問に、塩川大臣も、益税の根拠はないとの答弁をしました。
 中小業者にとっては、消費税を転嫁できてはじめてトントンであり、転化できなければ「益税」ではなく「損税」になります。佐々木議員は、財務省の資料でも「適正な転嫁がなされていれば、いわゆる『益税』は発生しない。仕入れ価格の上昇分を価格に転嫁できなければ、いわゆる『損税』が発生することとなる」と述べていることを紹介し、さらに、1997年12月の中小企業庁の調査で47.8%が転嫁できていないと答えていることを示しました。
 平沼経済産業大臣は、佐々木議員への答弁のなかで、昨年8月〜9月の調査によると、転嫁できない人達が以前の調査より増えていることを明らかにしました。この調査では、転嫁できないと答えた業者は、52.3%となり、過半数を超えています。
 消費税は、転嫁できなくても業者は身銭を切って納税せざるを得ません。佐々木議員は、「実質的には企業課税のようなものだ」と述べ、免税点が1000万円になれば、年所得はわずか300万円程度にすぎない家族労働主体の中小業者まで納税義務を負うことになることを指摘して、「中小業者の営業破壊になる」と改悪に反対を表明しました。

 免税点の引き下げによって新たな納税義務者になるのは業者だけではありません。無認可保育所なども消費税の納税義務が課されることになります。佐々木議員は、「取り上げるだけ取り上げますよということでは、保育所自身がやっていけなくなる」として、坂口厚生労働大臣に対応策の検討を求めました。
 坂口大臣は、無認可保育所への影響を認めたうえで、消費税の転嫁状況についての実態を調査する必要があるとの認識を示しました。さらに坂口大臣は、「できるだけ認可保育所にするように規制緩和をやっており、これからもやりたい。できるだけ認可保育所になっていただくというのもひとつの考え方だ」と述べました。
 佐々木議員は、「無認可保育所がいきなり認可保育所になれるわけではない。無認可で残る部分がかなりある」と指摘し、その部分をどう支えるかを検討するよう重ねて求めました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 このところ消費税の増税の議論というのがにわかに活発になっておりまして、日本経団連の奥田会長は、来年から消費税を毎年1%ずつ引き上げまして16%にすべきだ、こういうことを言っておりまして、びっくりいたしました。
 小泉総理は本会議の答弁で、私は、在任中、消費税を引き上げることは考えていないが、安定的な歳入構造の確保などの観点から、中長期的にはその役割は重要となっていく、議論は結構だ、こう述べたわけであります。
 これは、中長期的に消費税を引き上げるということを容認した発言だと思うんですけれども、きょうは、この消費税問題について集中的にお聞きをしたいと思います。
 まず、税収に占める消費税、法人税、所得税の比率はどうなっているかということで、お配りした資料を見ていただきたいと思います。
 1枚目の資料ですけれども、これを見てわかりますように、一番大きな特徴は、法人税が毎年どんどん減ってきているわけであります。89年に18兆9933億円でありましたが、2002年になりますと、9兆9900億円と約半分に落ちております。比率でいいましても、34・58%から22・56%と、そのグラフのようになっているわけであります。
 これに反しまして、消費税は急増しているわけであります。消費税は、3兆2699億円でありましたが、9兆5920億円で、5・95%であったのが21・66%と、約3倍にふえています。これは4%分の計算です。つまり、歳入に占める消費税ということで、このように計算をしました。これに地方消費税の1%分を加えますと、98年以後は消費税の方が法人税を上回っている、こういう状態であります。
 法人税というのは、確かに景気の落ち込みがありまして税収が落ち込んでいるという面もありますけれども、しかし、法人税の税率をこの間下げてきたということが税収に響いていると思いますけれども、大臣、この点はいかがでしょうか。
○塩川財務大臣 法人税の減収というのは、やはり基本的に景気の後退というもの、これが大きく影響しておるということでございまして、税率を下げたということ、若干は下げましたけれども、その影響というよりも、私は、景気対策の影響が大きいと思っております。
○佐々木(憲)委員 若干下げたと言いますけれども、88年の段階で、基本税率は42%でありましたものが37・5%に下げられて、98年になりますと34・5、それから99年になりますと30%、つまり、42%あったものが30%に大幅に下がっているわけでありまして、大変大きな減税の実施を行ったわけです。この減税で、もちろん課税ベースの問題も若干ありますけれども、しかし、この税率の引き下げというのは大変大きくきいているわけであります。
 この間の減税で幾らの減収になったでしょうか。平年度ベースでお知らせいただきたいと思います。
○大武政府参考人(財務省主税局長) お答えさせていただきます。
 平成5年度から平成14年度までの各年度の税制改正の要綱に記載されました平年度の増減収のうち、法人税に対する措置に係る金額を単純に、これは期限到来とかいろいろございますので、単純に合計いたしますと、期限の到来により既に廃止された制度分も含めて、3兆1千億円程度の減税となっているということでございます。
○佐々木(憲)委員 3兆1千億円、つまり、税率を引き下げるなどの税制上の改革をやって、その結果、落ち込んだ分が3兆1千億円であります。これは、ほんの少しというものではなくて、制度的ないわば減税効果がこれだけあるということでして、大変なことであります。
 これに対して、では消費税はどうかといいますと、消費税の分は、97年に、御承知のように3%から5%に上がったわけで、1%分は2・5兆円ですから、単純に言うと5兆円の負担増でございます。
 法人税の減税の場合には、大部分は大手の側に減税が回るわけです。いわば大企業減税というのが中心的な内容ですね。しかし、消費税の場合は、圧倒的に、いえばこれは庶民増税になるわけでありまして、97年の5%に引き上げたときは、消費税だけではなくて、医療の負担増ですとかその他合わせますと、大体9兆円の負担増になったわけであります。その結果、消費が大変冷え込みまして、大変な消費不況に突入したわけでございます。
 塩川大臣にお聞きしますけれども、97年の消費税の増税を初めとする負担増というものが家計を冷やして景気にマイナスの作用を及ぼした、この事実はお認めになりますか。
○塩川財務大臣 1997年のそういう改革のときに、多少、景気の変動とあわせまして、減税いたしたことは事実でございます。
○佐々木(憲)委員 ちょっと趣旨がよくわからなかったんですけれども、マイナスの作用を及ぼしたということをお認めになったわけでございます。
 消費税の増税ということが結果的には景気に対してマイナス、つまり家計消費にマイナスの作用、大変な負担増という作用を及ぼすということは、政府自身もいろいろなところでお認めになっているわけであります。
 もう一つ大事なことは、消費税が、低所得者、所得の低い層になればなるほど所得に対する負担の比率というのは非常に重くなる、所得が大変高い階層になりますと、消費税の負担の比率が相対的には、比率からいいますと低い、こういう逆進性を持っているというのは、当時の竹下大蔵大臣の、消費税に対する九つの懸念というものを出しておりまして、その第一の懸念の中に、逆進的な税体系となり所得再配分機能を弱めるのではないかというふうに書いてある。もう一つは、第三の懸念として、所得税のかからない人たちに過重な負担を強いることになるのではないか、こういう懸念を大蔵大臣自身が表明していたわけであります。
 この基本的性格は今でも変わらないと思うんですが、いかがでしょう。
○塩川財務大臣 それは、佐々木さん、ちょうど時点がこんなに違うものを一つにしてきた理論になっていまして、竹下総理が言ったときは、たしか消費税創設のときだと思いますね。ところが、消費税を上げましたときは5年前でございますから、随分経過した後。
 97年に、私たちは大幅な個人所得税の減税をやっておりますね。それは、あのときに、配偶者特別控除であるとかあるいは一般の所得控除をやって、減税をやっておる。その減税によって低所得者の負担を軽くする。それに伴ってというか、それとバランスをとる意味において、直間比率を変えるという思想から消費税を2%上げる、そして安定財源を図る、こういう趣旨でやったことでございまして、何も低所得者を踏み台にして税制改正したということではございません。
○佐々木(憲)委員 私が質問をしましたのは、消費税の税制自体が、その税というものの性格が、低所得者に比較的重くかかっていくという逆進性を持っている、そういう性格をお認めになりますかとお聞きしたわけです。
 所得税の減税という話をされましたが、所得税の減税といいましても、最高税率の引き下げというのがかなり中心でありまして、低所得者には、もともと所得税を払っていないわけですから、減税もないわけですね。しかも、所得の低い階層には減税効果はほとんど及ばないわけでありまして、むしろ消費税の増税だけがどんと来た。
 こういう経過があるというのを一つ御指摘をいたしますが、この前段の、基本的性格です。逆進性という性格は今も変わらないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
○塩川財務大臣 これは、消費税の性格上、逆進性といえば、あえて言えばそういう性格も包含されておることも事実であります。
○佐々木(憲)委員 この点は、政府税調の石会長も、第27回総会の中で、議事録を読ませていただきましたが、こういうふうに言われております。「私も逆進性は平成6年以降高まっていると思います」、むしろ逆進性というのは高まっている、こういうふうに税調会長も認識されているわけです。
 この日の総会では、逆進性をめぐりまして議論が行われていますが、逆進性そのものを否定された委員はだれ一人としておりません。逆進性はあると。こういうことでございます。
 そこで、私は、これはグラフにつくってみました。皆さんのお手元に配付してある資料のもう1枚をめくっていただきますと、これは、2001年の年間収入の階層別消費税の負担率であります。つまり、そこの一番下にありますのが年間の収入階層ですね。一番左側にありますのが、収入が200万未満の階層です。一番右側にありますのが、年間収入が1500万円以上ということでございます。
 これは勝手につくったのではございませんで、総務省統計局、この家計調査報告の全世帯の統計から試算をいたしました。課税対象支出というのは、消費支出から家賃地代など課税対象外のものを除きまして算出をいたしました。
 そうしますと、非常にはっきりと逆進性、つまり低所得の階層ほど負担の比率が重い。200万円未満のところには4・09%ということで、1500万円以上になりますと1・26%、こうなります。これは、今塩川大臣がお認めになりましたように、基本的な逆進性という性格を持っているということを示しているわけであります。明らかにこれは逆進性になっている。この表の傾向ですね、これは私は否定できないと思いますが、これはいかがでしょう。
○塩川財務大臣 これを認めろということですね。そのおつくりになった数字は、私自身がつくったものじゃございませんけれども、何か資料によって出たんであろうと思いますが、その傾向はあろうと思います。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、逆進性を持っている消費税が仮に増税されるというふうに仮定した場合に、この逆進性というものが一層きつくなっていくのではないかというふうに思うわけであります。
 それで、次の3枚目のグラフを見ていただきたいんですけれども、これは今の数字を基礎にいたしまして、この96年の3%の消費税率の時点の数字は実際の統計から出しました。それから、2001年の5%の部分も実際の統計から出しました。
 仮に、これをベースにいたしまして、税率が倍になって10%になったら一体どうなるか、こういう試算をしてみたわけでございます。そういたしますと、年間収入が200万未満の場合は負担率が8・18%になる。1500万円以上の場合には2・52%でございます。したがいまして、この格差というのは非常に大きく開くわけであります。これを仮に、日本経団連の奥田会長がおっしゃるように16%にする、こうなりますとこの右端の数字でございまして、一番低い階層は負担率が13・08%になるのです。
 つまり、負担というものが一番低い階層に物すごく重くかかっていくわけです。それで、所得の高い階層には、比較的、相対的に低い。これはもう当然、逆進性があるから、税率が上がれば上がるほどその開きがどんどん大きくなっていくわけです。
 これはもうだれが考えたってこうなるに決まっていると思うのですけれども、これは非常にはっきりしていると思いますが、これはお認めになりますか。
○塩川財務大臣 佐々木さんのはゲーム感覚で出ているようなあれですね、こうなればこうなるというのは。
 しかし、これが現実の社会でこうなるか、一挙になるかということは、これは数字から見たらこうなるでしょうが、そこは政治の問題が働いてまいりまして、要するに、これがすなわち、あなたの話を聞いておったら、これは国民の負担がみんなこうなってしまうぞ、こんなに聞こえるのですけれども。この負担の問題ではなくて、数字はこうだと、あなた、これは学校で教えているとなるとこうだろうとも思いますが、学生がこういうぐあいに計算したらこうなるだろうと、それは私は認めます。
○佐々木(憲)委員 学生がじゃなくて、私がやったんですからね。
 これは、政府が出した資料に基づきまして試算をすれば、だれが試算してもこうなるんです。これは大臣が試算したってなるんです、学生じゃなくたって。だから、これを否定するんなら別な数字を出していただきたいんですけれども、これはもう明確なんです。だれも否定できないんです。
 ですから、私は奥田経団連会長というのは何を考えているのかよくわかりませんけれども、16%に上げるという発想が極めて私は異常だと思いますよ。こういう格差が生まれる、低所得者の生活を破壊するということを全然考えていない。
 では、平沼経済産業大臣にお聞きしますけれども、あなたは1月7日に、経団連の奥田会長のこの16%への税率引き上げ構想について記者に聞かれまして、示唆に富んだ提言である、こういうふうにおっしゃったそうなんですが、これは事実でしょうか。
○平沼経済産業大臣 お答えさせていただきます。
 それは閣議後の記者会見で、ちょうど奥田会長の経団連の発言の後の質問でございました。
 これは前段後段がございまして、むしろ前段で長く言ったんですけれども、やはり今の日本の経済というものは、これは先行きが不透明で、一方においては個人の金融資産が1400兆もあるのに、結局なかなかそれが動かない。しかも、今GDPの6割以上が個人消費である。これが動かないことが景気の低迷、経済の低迷につながっている。
 ですから、そういう観点を踏まえると、もちろん前提としては、政治というものが先行きの青図というものを明確に示して、そして国民の皆様方が納得するということが前提ですけれども、しかし、そういう中で、やはりこういう今の先行き不透明ということを打破して、国民の皆様方がそういう形で納得をするということの前提で考えれば、一つの示唆に富んだ提言だ、私はこういうニュアンスで申し上げました。
○佐々木(憲)委員 国民が納得すればといいますが、納得しないと思いますけれどもね、私は。
 塩川財務大臣、同じ日に記者会見で社会保障の財源に触れて、「根源的な問題として、税によってこの負担をカバーしていく、耐えていくということでなければならない」と述べまして、「その根本的な負担、改革はどこに置くかというのは、私は直間比率の見直しをせざるを得ないのではないかと思います。そういうことから考えまして、間接税をもう少し強く負担してもらう方法に行かざるを得ないと、私はそう思っております。」こうおっしゃっていますね。
 つまり、消費税の税率引き上げ、これは逆進性があって低所得者に極めて重くなっているわけですけれども、どうしてこういう間接税中心という発想になるんでしょうか。なぜ法人税などではいけないのでしょうか。
○塩川財務大臣 経済が進んでまいりまして、そういたしますと、国民の負担、これは給付と負担の関係が非常に変わってまいりまして、それに順応したものにしていかなきゃならないということは当然でございます。
 したがって、何も日本だけじゃございませんで、世界各国を見ましたならば、直接税の負担というものをできるだけ軽減して、そして間接税とバランスをとるということをしております。
 そして、トータルにおいては、絶えず国民の公的負担は幾らになるのかということが議論でございまして、現在日本におきまして議論されておるのは、公的負担が45、6%ということ、これを何とか50%以下で確保していきたい、けれども、毎年進行していくところの高齢化社会に対して当然増が起こってくるが、その当然増をどう吸収しながら全体の国民の公的負担を抑えていくかということが問題だと。
 その場合に、公的負担が税に重点を置くのか、あるいは保険料というか受益者負担に重点を置くのかというこの考え方に、相当きちっとした考えを持ってこれからの税制を考えなければいけない、こういうことがまず第一点でございます。その発想のもとにおいて、私は、税負担を重点とするならば、この際に直間比率を見直さなければその負担に耐えていけないのではないのかということを申しておるということであります。
○佐々木(憲)委員 公的負担というものを考えなきゃならぬ、それは一般的にはわかります。
 しかし、それをなぜ間接税、消費税で全部負担しなきゃいかぬのか。つまり、法人税の方はどんどん下がってきている、先ほど言ったように。大企業の方は負担が軽減されている。日本の社会保障負担も、ヨーロッパなどと比べますと3分の1、2分の1というのが企業の負担であります。それなのに消費税を上げて、5%に上げて大変な消費低迷になり、かつ生活が深刻な事態になっているその消費税の方にだけ負担をまた負わせていく。こういう発想というのは、私は全く逆ではないかと思うわけですね。
 大体、法人税というのは、今までも高い高いと言われてきた。だがしかし、どんどん下げられてきて、最近の「改正税法のすべて」という資料を見ますと、国、地方合わせた法人税率の実効税率は40・87%、国税の法人税の基本税率の水準は、イギリスと並んで、主要先進国の中で最低の水準となっています。これは低いと言っているんです。その上に社会保障の負担がもっと軽いわけですから。
 だから、何で法人税の議論が出てこないのかな、消費税、間接税の議論ばかりしか出てこないのかな。私は、その裏に何かあるのではないかと思うのです。何があるんですか、この裏に。
○塩川財務大臣 まあ、そこが共産党との違いですね。これはやはり思想的な違いがはっきりとそこに出てくるんです。
 それは、そもそも国民所得が低いときには直接税に依存せざるを得ないんです。これはエンゲル係数を見てもわかります。そうしますと、国民所得がだんだんとふえてまいりますと、ただ直接税だけに重点を置いた税制を組むことができない。
 しかも、こうしてグローバリゼーションの社会になってまいりますと、国際競争ということが起こってまいりますと、どうしても、企業活動を活発にしなければ国民の総トータルの所得の保障はできないということになります。そうしますと、やはり法人税を国際水準に近づけざるを得ないという状況になってまいりまして、そのために42%であったものを30%に下げざるを得なくなってきたということは、国際競争場裏からなってきたんです。
 一方、所得税につきましても、いわば所得の向上に伴いまして、低所得者に対しましては、我々は十分な配慮をして、課税最低限はもう世界で最低のところまで考慮してやってまいりました。それだけの配慮をしておる。そのかわりに、少しは間接税でカバーしてバランスをとったらどうだろうということなんです。
 ですから、国民の税の負担というものはどの程度にするかということは、これは社会保障制度の維持と質の状態によって変わってくる。それはトータルで公的負担となってあらわれてくる。その公的負担の分担は税なのか利用者負担なのかという考え方もしなきゃならぬ。そうならば、税でやるとするならば、税がすべての階層に平等に当たるような措置を講じなきゃならぬ。何も、税を増収するためにどうするというんじゃないということでございまして、そういう点をとってやっています。
 まあ、共産党の考え方では、とにかく企業から取るもの取ったらいいじゃないかということ、そして個人はゼロにしたらいいと。それはそうで、それができれば理想でしょうけれども、そうしたら社会の活力というものは全くなくなってしまう。そうした場合に、実際に自分ら自身がいわゆる所得というものをどこで吸収するのかということも考えなきゃならぬ。
 現に国営企業を見てごらんなさい。何であんな状態になったのかということを見たら、これは、私はやはり歴史が歴然と語っておる問題だと思うんです。
○佐々木(憲)委員 いろいろなことを言いましたけれども、結局、法人税は絶対上げない、消費税だけは上げる、そういう意図だけが極めて鮮明になりました。
 大体それが私はおかしいと思っているわけですよ。つまり、法人税は国際水準並みというんじゃないんです。国際水準以下なんです。それは政府の資料で明確に書かれているわけです。そこまで下げる。
 しかも、課税ベースからいいますと日本は非常に狭いわけです。実質的には世界で最低水準。しかも、社会保障の負担率は、日本はヨーロッパの2分の1あるいは3分の1という状況でございます。それを絶対に上げないと。そちらの方はほっておいて、もう本当に今毎日お買い物で大変な状況にある国民の側にだけ負担をかぶせていく。そういう発想というのが私は間違っていると。
 私は何でそうなるのかなと思いましたら、経団連はことしの1月1日に新しい何かビジョンを出したようでありまして、それを見ますと、消費税増税を主張して、法人税はもっと減税しろ、こういうことを求めているわけで、その経団連がこの要求に賛同する政党、政治家を選んで企業献金をやると。つまり、金を配ってこの政策を実現しようというわけです。
 どうも、塩川大臣の御答弁を聞いておりますと、献金をくれる大企業のためにはどんどん減税をするけれども、庶民の社会保障の負担、庶民にはどんどん押しかぶせる。大変、自民党と共産党の違いが明確にここに出ているというふうに私も自覚をいたしました。
 そこで、坂口労働大臣にお聞きをしたいと思います。
 坂口大臣は昨年の10月1日、時事通信社のインタビューに答えまして、2004年度実施の年金制度見直しの検討に当たりまして、基礎年金の国庫負担引き上げ、3分の1から2分の1へ、この財源について、消費税の引き上げでお願いする案を示し、国民に議論してもらう時期に来ていると述べたそうでありますけれども、これは事実でしょうね。
○坂口厚生労働大臣 それは、時事通信がしっかりと聞いていなかったからそういうあれになるわけでありまして、平成16年から2分の1に上げていただかなければならないということは、これは決まっているわけであります。それに対する財源というものを明確にしていかなければならない、つくり出さなければいけないということ、これはもうはっきりしている。
 ですから、その財源をつくるについては、間接税だとか直接税だとか、そういう何でするということの前に、税制全般について御議論をいただいて、その中から財源を求めてもらわなければならない、こういうことを私は言ったわけで、それを短絡的にそういうふうに書いたとすれば、それは時事通信の大きな誤りであります。
○佐々木(憲)委員 時事通信は消費税の引き上げというふうに書いていますけれども、学識経験者、団体代表で論議をしております社会保障審議会年金部会では、この財源について全額税方式にすることも含めて検討しているということでありまして、基礎年金の支給に必要な費用として、厚生労働省は、2002年度で15兆7千億円、2025年度には22兆9千億円というふうに試算をしまして、この財源を全額消費税とすると、2002年度で6・3%、2025年度で9・2%の増税が必要になる、結果として税率は15%を超える、こういう試算までしているわけであります。
 そうしますと、坂口大臣の消費税容認といいますか、つまり、消費税の増税は否定はされていないわけですね。この可能性、これは一つの試算ということでしょうけれども、消費税の増税でカバーするということはこれは排除していない、こういうことですね。
○坂口厚生労働大臣 それは税制全般について議論をしなければならないということを言ったわけでありますから、この部分は除く、この部分は除かないということを私は言っているわけではありません。
 少なくとも、これから少子高齢化が進んでいくわけでありますから、現在の段階でありましたら、公費半分そして保険料半分、それぐらいなところで、後期高齢者医療、介護、そして基礎年金、その辺のところは半々でやっていけるだろうというふうに思いますが、これ以上高齢化が進んでいく、少子化が進んでいくということになれば半々では済まないということになってくる。
 保険料をどんどん上げていくといいましても、保険料も限界があるということになれば、半々ではなくて、将来の、少子高齢化が進めば、それは保険料よりも一般財源の方のウエートを多くせざるを得ないというふうに私は考えているということでございます。
○佐々木(憲)委員 一般財源で一定の負担をするというのは、私もそれは一般的にはそうだと思います。ただ問題は、その一般会計の負担を一体どこでやるのかという問題でございます。これを消費税で見ることに我々は反対しているわけであります。
 今の財政のむだ遣いというのは、公共事業その他いろいろあります。また税制につきましても、国際的に見て法人税の余りにも負担の軽さ、そういう点も全面的に洗い直して、もう一度負担を考える必要がある、これが我々の考え方であります。ところが坂口大臣は、消費税の税率アップも含めて検討の対象にする、つまり排除していない。ここに重大な問題があると私は思うんですね。
 ただ、私は、坂口厚生労働大臣にお聞きしたいのは、大臣の所属する公明党というのは、もともとは消費税導入に反対と言っていまして、あるいは消費税の廃止ということを唱えていたのではないかと思うわけですね。ここに、92年の参議院重点政策、公明党の政策を見ますと、「わが党は消費税の廃止を主張しつつ」と、極めて明確に廃止というふうにおっしゃっているわけです。これは、そういう政策を掲げていましたですね。
○坂口厚生労働大臣 それは、そういうときもそれは確かにあったでしょう、最初、導入するときの話でありますから。
 しかし、年々刻々状況は変わってきているわけでありますし、非常にグローバル化してまいりました、国際化をしてまいったわけでありますから、先ほど御指摘のように、すべて法人税にすればいいかといえば、法人税を高くすれば、こういうグローバル化のときですから、それでは海外に出ていこうかという話になってしまう。所得税に全部いこうかということになれば、それでは高額所得者は全部外国に籍を置こうかという話になってくる。そうしたことも勘案をしてやはり全体の税制というものは考えていかなければならない時期に来ているのではないかということを主張しているわけでありまして、一つの税制で、それで全部確保していくということは、それはやはり難しい、あらゆる税制の組み合わせによってやっていかざるを得ないのではないかというふうに思っている次第でございます。
○佐々木(憲)委員 どうも坂口大臣の答弁を聞いていますと、この程度の公約は大したことはないというような印象を非常に強く持ちました。
 それでは、坂口大臣自身は選挙のときにどういう公約を掲げていたでしょうか。私はここに、坂口大臣が平成2年2月18日、これは選挙公報ですよ。この選挙公報の中で明確に、「公平な税とは「所得の多い人からはより多く、少ない人からはより少なく」が原則です。消費税はこの原則から大きく外れているので廃止をいたします。」こういう政策を掲げていたじゃないですか。選挙公報、国民に対する公約です。これはこのときで、その後、こんな公約は破棄しても大したことないと。結局、大企業や高額所得者には負担をかけたくない、この公約は破棄しても庶民に消費税を重くかぶせる、それでも当たり前なんだという。私はそういう発想は非常に問題だと思いますね。
 この公約は、坂口大臣は一体どのように位置づけておられるんですか、みずからの公約は。
○坂口厚生労働大臣 やはり公約というのは、それから3年ないし4年務めなければならない、その間にどうしていくべきかということを言うものでありまして、未来永劫これでいくということではないわけでありまして、時代が変わればそれに対する考え方も変わっていくというのは政治家として大切なことだと思っております。
○佐々木(憲)委員 時代が変わればくるくる変わると。本当にひどい話でありまして、この坂口大臣の選挙公報が出されましたその4カ月前ですけれども、1989年10月4日、当時の公明党の石田幸四郎委員長は、所得の少ない人ほど負担が重い逆進性の問題、税率の歯どめがないと批判をしているわけですよ、消費税について。
 逆進性については今も残っている。残っているだけじゃない、税率上げたら逆進性はどんどん広がる、その基本性格は変わっていないんです、今も。逆進性があるからこの税率引き上げには反対なんだ、廃止をすべきだと言っていたんです。今、逆進性があってもこの税率引き上げは排除しない。全く逆じゃないですか。公約違反じゃありませんか。まあ、この程度の公約は大したことないと言っているから、ひどい話であります。
 要するに、坂口さんの方は、公明党は、以前に消費税に反対を言っていたんです。導入直後は廃止と言っていたんです。廃止の共同提案に加わったんじゃありませんか。国会で共同提案をしていたわけです。それなのに、今の5%の税率、さらに引き上げることを容認するという。時代が変わったからと。時代が変わったんじゃないんです。坂口さんの姿勢が変わったんだ。公明党の姿勢が、政策がくるくる変わったんですよ。私は、こんな国民を愚弄したやり方はないというふうに思います。
 私は、将来の税率引き上げの問題というのは今後大いに議論していきたいと思いますが、絶対に我々は税率引き上げは反対でありますから、その立場を今はっきりとここで表明しておきます。
 さらに、今度の税制改正の問題でありますけれども、将来の税率引き上げを目指して、当面何をやるかということを税調は決めているわけです。当面の対策は透明性の確保だと言っている。透明性確保の内容は何かといいますと、中小企業の事務負担を軽減するためにつくられた簡易課税制度を見直す、あるいは免税点を引き下げる、売り上げ3千万から1千万、その水準に引き下げる、こういうことですね。
 そこで、お聞きをしますけれども、免税点の引き下げ、これは売上高3千万から1千万に引き下げる、どうしてこんなことをやるんですか。
○塩川財務大臣 これは、かねてから政府にいろいろな意見の申し入れがございましたことと、それから、私たちが昨年全国11カ所でタウンミーティング、税によるタウンミーティングをやりまして、いろいろと参加者の方から意見を聞きました。そのときに、消費税の免税点の問題が、非常に多く議論が出てまいりました。益税、益税とおっしゃるから、私は、益税という考え方はやめなさいとむしろ言っているんです。そのかわりに、免税点を引き下げてというか、免税点を廃止しろという意見が圧倒的に多かった。これは国民の声ですから、私たちはそれを真摯に受けとめなきゃいかぬと思いました。
 ところが、一挙に免税点を引き下げますと、零細企業の方々の事務的負担が耐えられないと思いまして、どの辺がいいだろうかということで、いろいろとタウンミーティングで意見を聞きましたら、まあ1千万円だったら、農家の人もあるいは零細企業の方も事務的な制約からは助かるということでございました。そこで、1千万円ということを想定してやったのでございます。けれども、やはり消費税の納税については、国民全部が消費税を、徴収したら全部納めてもらうというのが本旨でございますから、免税点を設けたということは事務的な負担を軽減したということでございますので、誤解しないようにしていただきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 誤解はしていないんです。では、益税と言うなとおっしゃいましたが、益税というものはあるという証拠はないわけですよね。
○塩川財務大臣 だから言うなと言っていたんですよ。
○佐々木(憲)委員 わかりました。そうすると、益税があるから引き下げるという理屈は、そういう理屈は崩壊をしているわけであります。
 では、そうしますと、転嫁、つまり消費税分を消費者に負担をしてもらう、つまり、負担をするのは消費者である、それを納税するのは売った方が納税をするという仕組みになりますね。転嫁できているかどうかが問題なわけです。転嫁が全部できていて初めてとんとんで、消費者の負担したものを預かった部分を納税するということになるわけですけれども、これは、転嫁できていないというふうになりますとどうなるか。転嫁できない場合はこれはどうなりますか。
○塩川財務大臣 私は、納税者は全部、また消費者も善意であるから、転嫁はそう抜けておるとは余り思っておりません。けれども、インボイス制を採用せいという意見が非常に多いのでございますが、その中には、あるいは転嫁不可能でそういう脱落しておるものも中にはあるということからインボイス制をとれとおっしゃっているのかなと思うたりいたしておりますけれども、現在の制度のもとにおいてこのまま運営していきたいという方針は変わっておりません。
○佐々木(憲)委員 いや、転嫁できない場合はどうなるのかということを私はお聞きしているわけです。
○塩川財務大臣 例えばどういうことか、例を挙げていただきたい。
○佐々木(憲)委員 それでは、これは財務省の資料でございますが、「仕入価格の上昇分を価格に転嫁できなければ、いわゆる「損税」が発生することとなる。」益税ではなくて損税、つまり身銭を切らざるを得ない。税金の負担は本来消費者が負担するんですけれども、これは企業、業者が税金を負担しなければならなくなる、これが損税であります。そういうことになりますよね。
 さてそこで、現実に益税はないわけですから、すべて転嫁できていれば、これはとんとんなんですね。しかし、転嫁できていない業者というのは、私はかなりあると思います。
 これは、経済産業省、以前の通産省が、中小企業庁が実態を調査したことがございまして、以前の調査では、97年の12月の調査がございます。データを見ますと、転嫁できていないという方がかなりいらっしゃって、「転嫁せず」と「ある程度転嫁」、つまりすべて転嫁されていない、100%ではないというのを合わせますと、47・8%、つまり半分近くが転嫁できていないわけであります。最近、これは転嫁できていない人がかなりふえているのではないかと思います。
 私、資料をいただいたんですけれども、これは平沼経済産業大臣にお聞きしますけれども、転嫁できていない業者は以前に比べてふえているんじゃありませんか。比較で、簡単に結論だけ言ってください。
○平沼経済産業大臣 転嫁の問題でございますけれども、私どもといたしましては、この転嫁に関しまして、平成9年のときの、消費税のときにやらせていただいて、今おっしゃったような数字が出ております。今回さらに、8月か9月にかけてやらせていただきまして、そのときは、半数近くが転嫁することができるけれども、それを転嫁できないという人たちは統計上は若干ふえている、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 今おっしゃったように、以前は半分近くが転嫁できていなかったんですが、最近は半分以上の方々が転嫁できていないんです。ということは、数字で見ますと52・3%、以前は47・8%でしたから、大変厳しい状況にある。転嫁できていない。
 転嫁できない場合には、これは当然企業側が負担をして、自分で身銭を切って払わなきゃならぬのですね。預かっていないんだけれども、しかし納税義務が発生しているわけですから、これは今は3千万以上ですけれども、身銭を切って納税せざるを得ないということになりまして、そうなりますと、実質的には企業課税のようなものなんですね、転嫁できない場合にはその部分は。
 そういう状況になるわけで、3千万の売り上げの水準を1千万に下げるということは、転嫁できない人たちをさらにふやす、こういう結果にならざるを得ないと思うんです。新たに納税義務を負う業者というのは何社ふえるのか、個人で何人ふえるのか、その数字を教えてください。
○平沼経済産業大臣 お答えさせていただきます。
 事業者免税点の水準を3千万から1千万円に引き下げるといたしますと、免税事業者数で申しますと、370万社から230万社。ですから、140万という数字が出ております。
 ただ、佐々木先生御承知のように、平成16年度の4月からの実施でございますので、私どもとしては、その間徹底的なPR、そういった形をしまして、そしてそういう割を食う方がないように、しっかりと私どもはPRをして徹底をしなきゃいかぬ、こう思っています。
○佐々木(憲)委員 PRをすると言うんですけれども、身銭を切るという事態を解消することはできないと思いますね。これは、競争が非常に激しい、あるいはデフレ状態にある、そういう中で利益が減っているわけですから、しかも、今でさえ身銭を切る方がどんどんふえているわけです。これを、今まで納税義務がなかった140万の方にさらに納税をしてもらうということになりますから、そうなりますと、そういう方々が本当に負担に耐えられるんだろうかということになるわけです。つまり、中小企業、業者の営業破壊になるんじゃないか、こういう心配があるわけですね。
 大体、売上高1千万の業者というのは一体どういう業者か、どういう水準なのか。仕入れや経費を除いても、仮に3割残ったとしましても、年収、年所得わずか300万円ですよ。わずか300万円の、家族労働でやっている業者が納税義務を負うわけであります。このぎりぎりのところでやっているわけですから、長時間労働に追われて、記帳も、つまり帳簿もなかなかつけられない、そういう方々に帳簿をつけるということを義務づける、こういうことになっていくわけでありまして、これは大変な事務負担になり、そして帳簿をそろえない場合にはペナルティーを科す、こういうことになっていきますので、この細かな点についてはまた財務金融委員会で、私、やりたいと思いますけれども、最後に坂口厚生労働大臣に一つだけお聞きしておきたいと思うんです。
 免税点を引き下げると新たな納税義務者になるのは業者だけではございません。これは、社会福祉法人の認可を受けていない、いわゆる無認可保育所あるいは学童保育を営む方々、こういうところに消費税の納税義務が課されていくわけでありまして、年間1千万から3千万というこの水準に入る対象、どの程度の方々がこれに入るのか。無認可保育所とか無認可学童保育の場合ですね、やはり大変なことになるんじゃないかと私は思います。
 これは何らかの対応をしないと、これはもうどんどん、ともかく取り上げるだけ取り上げますよ。もうぎりぎりでやっているところが、保育所自身がやっていけなくなるという危険性があります。これは何らかの検討が必要だと思いますけれども、坂口大臣はどのようにお考えでしょうか。
○坂口厚生労働大臣 学童保育の方につきましては、20人以上のところは、これは非課税になっておりますから、だから20人未満のところなんですね。だから、20人未満のところはそんなに、1千万もないと私は思いますから、それは学童保育のところは影響ないと思うんですね。
 問題のありますのは、今、出るとすれば、それは無認可保育所であります。この無認可保育所のところで所得税をきちっとお取りになっておれば、それは話は別だと思うのですね。お払いいただくのは当然だと思うんですけれども、そこが、お取りになっているかどうかということは一遍きちっと調べないといけない。
 その辺のところは、認可保育所にするのにいろいろの条件があったりしてなりにくいということがあって、できるだけ認可保育所にするように規制緩和を今一生懸命やっているところでございます。これからもやりたいというふうに思っております。
 ですから、できるだけそこは認可保育所になっていただくようにしていくというのも一つの考え方だと思っております。
○佐々木(憲)委員 もう時間が来ましたので終わりますが、最後に、無認可保育所というのはいきなり認可保育所に簡単になれるわけではありませんので、無認可保育所で残る部分がかなりありますから、その部分をどう支えるかということをぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。

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