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金融(銀行・保険・証券) (保険業法)

2003年06月04日 第156回 通常国会 財務金融委員会 【207】 - 質問

「生命保険予定利率引き下げ」法案 国民・契約者の理解のない法案に道理はない 生保への不信感を増幅させる

 2003年6月4日、「生命保険予定利率引き下げ法案」が審議されている財務金融委員会で、佐々木憲昭議員が質問に立ち、国民・契約者の理解が得られないことを認めながら法案をおし進める政府の対応を批判しました。

 佐々木議員は、予定利率の引き下げを検討した金融審議会第2部会が2001年6月にまとめた「生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告」などのなかで、「契約条件の変更」について、「国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となる」として、国民からの意見募集の結果、9割が反対意見だったため、「意見募集結果を踏まえれば、現時点では、制度導入の前提となる環境が整っていないと判断せざるを得ず」と結論づけていることを指摘。現在でも世論調査で賛成が5.8%にすぎないことを示し、「制度導入の前提となる環境が整っていないのは明らかだ。それなのに強引に導入しようとしている」と政府の対応を追及しました。
 竹中金融担当大臣は、「この2年間で生命保険会社の財務基盤の拡充など社会的認知の前提となるべき問題について前進があった」、などと述べましたが、金融審議会が「制度導入の前提」としていた「社会的認知」が得られた材料を示すことは一切できず、「何をもって社会的認知と見るかは難しい」と答弁しました。
 佐々木議員は、「社会的認知を得られていない証明をしただけだ」と述べ、政府が国民の声を無視しているもとでは、財務金融委員会が国民の意見を聞くべきだとして、法案に対する公聴会を開くよう委員長に要求しました。
 また佐々木議員は、竹中金融相が、5月12日の金融審議会第2部会で法案化が了解されたと答弁したことを受け、反対意見が多数だったのではないかとして、審議会の議事録を、法案審議の資料として提出するよう求めました。

 次に、「生保会社の経営難の原因はどこにあるのか」と述べた佐々木議員は、金融庁の資料に基づき、生命保険会社の損益状況を踏まえて、株価の下落が生保会社の経営に打撃を与えている実態を明らかにしました。
 生保会社の本源的利益と言われている費差損益、死差損益、利差損益について2001年度の生保会社全体の統計数字をみると、低金利によって利差益は1兆5198億円の損失が出ていますが、費差益は7898億円、死差益は2兆7067億円にのぼっており、結果として1兆9767億円利益が出ています。この足を引っ張っているのが、株価の下落によって生まれた有価証券の含み損です。
 佐々木議員は、生命保険会社の経営難は、内部要因というより、政府の経済政策がもたらしたものだと強調し、「経営難に追い込んだのは政府ではないか」と竹中金融相の責任を追及しました。
 竹中大臣が、「株の下落で生保が厳しいというのは事実だ」と認めながら、株の下落は世界的な傾向だと開き直ったため、佐々木議員は、「経済を悪くしておいてその自覚がない」と厳しく批判しました。
 さらに佐々木議員は、主要保険会社の保険料収入が5年連続で減少している実態を示し、その理由として、国民の所得が減り保険料を払う余力が減っていること、生保会社が約束を守ってくれるのかという不信感があることを指摘。「利率引き下げの法案を議論していること自体、生保業界の信用不安を増幅させている」と述べ、「国民の所得を増やす政策と、契約はしっかり守るという信頼感がないと保険は成り立たない。この点で、政府の政策はまったく逆行している」と主張しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。基本的な事実関係についてまずお聞きをしておきたいと思います。
 金融審議会の金融分科会第二部会が、小泉内閣発足直後の平成13年6月26日に、生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告というのを提出しております。ここでは契約条件の変更についてこういうふうに書いております。「このような制度は、その内容について国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるもの」と認識している、こういうふうに書いておるわけですね。
 9月21日の、「生命保険をめぐる諸問題への対応 ―今後の進め方―」という報告書がありますが、そこでも、予定利率の引き下げなどの生命保険の既契約の条件変更を行う制度について、こういうふうに書いています。「この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものであり、」これはきのうもこの問題が議論になりましたが、こういうふうに書かれていることは事実ですね。まずそこを確認しておきたいと思います。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) お答え申し上げます。
 平成13年6月の金融審議会第二部会でまとめられました、生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告におきましては、保険会社・保険契約者自身の意思決定による契約条件の変更に関しまして、「このような手続の下で、生命保険会社が、保険契約者の理解を得るためにあらゆる経営努力を行った上で、契約条件の変更を行おうというのであれば、生命保険会社による自助努力の途の一つとして、否定されるべきものではないと考えられる。」としつつ、「このような制度は、その内容について国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものと認識している。」というふうにされたものと承知しております。
 また、平成13年9月にまとめられました「生命保険をめぐる諸問題への対応」いわゆる「今後の進め方」におきましては、保険会社・保険契約者自身の意思決定による契約条件の変更につきまして、「このような制度の導入については、生命保険会社による自助努力の途の一つを開くものとして、その基本的な意義は否定されるべきものではないと考えられる。」としつつ、「この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものであり、」と書かれてあると承知しております。
○佐々木(憲)委員 藤原局長、私はここに書かれていることは事実かと聞いているんですから、事実なら事実、そうでなければそうではないと簡単に答えてください。私が読み上げたんですから、同じことをまた読み上げる必要はないでしょう。時間が倍になるだけですよ。ちょっとひど過ぎるよ、それは。
 要するに、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られていなければ導入はできないんだ、これがこの結論なんですよ。
 もう一つ確認をしたいんですが、このときのパブリックコメントでは、賛成意見、反対意見、それぞれ何件、何%ありましたか。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) お答え申し上げます。
 このときのパブリックコメントというのは、いろいろなものについてパブリックコメントを得たわけでございますが、その中で、契約条件の変更に関する部分につきまして申し上げますと、賛成が24件、反対が280件、賛成が7・5%、反対が87・2%でございます。
○佐々木(憲)委員 圧倒的に反対が多いわけでありまして、87・2%、約9割がこのような制度の導入には反対であると。だから、この第二部会の報告では、「この制度の導入問題に対する意見としては、賛否が併存しているものの、反対論が多数を占めた。」となっているわけですね。
 この意見の中にはいろいろありますけれども、例えば、「「約束は守る」という社会の基本すら守らなくていいと国がお墨付きを与えようとしている。個別の契約者ごとに了解を取り、契約ごとに見直せばよく、それに反対するものにまで不利な契約を国が押しつけるのは問題。」こういう意見。あるいは、「保険とは信用だ。経営難の時はいつでも契約変更できる保険など存在価値なし。保険会社の自己否定だ。」こういう意見が出されています。パブリックコメントはここにありますけれども、たくさんこういう意見が出されているわけであります。
 そのため、金融審の生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告は、「上述の意見募集結果を踏まえれば、現時点では、制度導入の前提となる環境が整っていないと判断せざるを得ず、」こういう制度はできない、そういうふうに結論づけているわけであります。
 では、今はそういう状態が変わったのか。
 例えば、6月7日付の週刊東洋経済という雑誌に、契約者に対するアンケートの結果が紹介されております。それによりますと、「予定利率引き下げについて賛成されますか?」反対52・6%、賛成5・8%、圧倒的に反対だ。だから、社会的認知が得られていないのは今でも変わらないんですよ。今でも圧倒的多数の契約者・国民はこれには反対である。したがって、中間報告のように、制度導入の前提となる環境が整っていないということは明らかであります。それなのに強行しようとしているわけであります。
 では、今回政府が、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られたと判断をした根拠は何ですか。何に基づいて、社会的認知が得られた、国民に支持されている、こう判断をされたのか、その具体的な資料を示していただきたい。
○竹中金融担当大臣 先ほどから佐々木委員御指摘のように、一昨年の審議会の議論で、この制度の必要性のようなものは否定しない、しかし、まさに社会的認知が必要であり、その前にやるべきことがあるというような御指摘をいただきました。
 その中でやるべきこと、その前にやるべきことに関しては、実はこの2年間、我々としても努力をしたつもりでございます。これは、保険会社に関して言うならば、財務基盤の強化、そのための経営の努力、さらには情報開示の進展、我々としてもそれをサポートしてきたところであります。そのような意味では、その前にやるべき多くの事項について対応が図られてきたというふうに思っております。
 それともう一つ、これは、機が熟すということの中に入るかどうか、解釈が分かれるかもしれませんが、実はこの2年間、保険会社を取り巻く環境が一層悪化して、逆ざや問題が非常に深刻になった、そういう客観的な変化もやはり考えなければいけないと思っております。
 それともう一点、これは5月の12日に金融審議会の第二部会を開催しまして、この問題について御議論をいただきました。御承知のように、これはオープンでありましたから、御出席いただいたプレスの方もいらっしゃったと思いますが、これは非常に幅広い観点からさまざまな議論はありました。しかしながら、結論としては、行政として作業を進めることは了とされたということであります。
 その意味では、これは引き続き、この制度そのものはなかなか複雑な面がありますし、やはり私も一契約者としては、予定利率の引き下げというのはなかなか承服しがたい面がありますけれども、先ほどから申し上げているように、このまま放置しておいた場合と一体どちらがよいのか、そうした観点から、理解を得るような努力は引き続き我々としてはしっかりと続けていきたいというふうに思っておりますが、今申し上げたような意味で、2年前に比べて、こうした法案を出させていただく、その機は熟してきたというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 審議会の問題は後で聞きますが、私がお聞きしたのは、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られたという根拠を出してくださいと言ったんです。機が熟したというのは、それは主観的判断ですね。
 この中間報告では、制度導入の前提であると。つまり国民の認知、契約者が理解し、社会的な認知が得られた、こうなければこれは導入できませんと言っているわけです。だから、どういう調査をされてその認知が得られたと判断をしたのか、それを提出してください、資料を。
○竹中金融担当大臣 何をもって社会的な認知と見るかというのは大変難しいかもしれませんが、先ほどから申し上げてきましたように、社会的な認知の前提となる、先にやるべき諸問題、これについては進展があった、社会的な認知の前提となるべき問題については進展があったというふうに一つ強く認識をしております。
 それに加えて、先ほど申し上げましたように、国民の広い層から出ていただいております金融審議会においても、この問題について引き続きさまざまな意見があるけれども、行政としてこうした作業を進めるということに関しては了解が得られた、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いているのは、社会的認知が得られたという根拠を出してくださいと言っているんですよ。ないんですね。ないのかあるのかはっきりしてください。
○竹中金融担当大臣 繰り返し申し上げますけれども、社会的認知の前提となる条件が満たされたということと、金融審議会において作業を進めることが了とされたということでございます。
○佐々木(憲)委員 結局、資料を出せないわけですね。つまり、社会的認知が得られていないことをあなた方が逆に今証明をされたわけであります。
 では、金融審議会で、このような制度を導入する、例えば5月12日の金融審議会で意見が約15、この要旨の中では出ておりますが、そのうち賛成意見は幾つありましたか。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) 主な御意見を要旨として御提出しているわけでございますが、具体的に何名賛成で何名反対というような数え方はいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 この意見が公表されておりますから、これは議事要旨ですけれども、私は全部読みまして、15意見が出ておりますが、約10が反対意見です。賛成意見は3分の1程度であります。間違いありませんね。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) 私、正確に数えたわけではございませんが、ただ、審議会におきましては、同じ特定の委員が繰り返し繰り返し発言しましたので、そこの数え方いかんにもよるかと思っております。
○佐々木(憲)委員 そんなでたらめなことは、そういうことを言うなら、正確な議事録を出してください、資料として。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) 議事録といたしましては今通常のルートに乗りまして作業を進めておりますので、でき次第御提出したいと思っております。
○佐々木(憲)委員 いつできるんですか。この審議の前提でありますので、直ちにこの法案質疑の中で提出してください。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) できるだけ早く提出するよう努力いたします。
○佐々木(憲)委員 法案の質疑の中で活用できるように提出できますか。約束してください。
○藤原政府参考人(金融庁総務企画局長) 若干精査しなきゃいけない部分を省略する等の工夫を凝らせば、できるように努力いたしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 必ずこれは出してください。あなたが今、一人で何度も反対意見を言った方がいると言ったわけですから。私はこの議事要旨を見た上で、反対の方の数が3分の2ありまして、賛成は3分の1しかないんですから。それが正確かどうか、では、この委員会でその資料を提出していただいて、これはこの法案質疑の前提となるものですから、必ず提出していただくと今お約束していただきましたので、出していただくということ、その上でまた質問をさせていただきたいと思います。
 それで、竹中大臣、パブリックコメントは今回やらなかったということなんですが、これは委員長にもお願いをしたいんですけれども、この保険の質疑を行う場合は、国民の意見を聞くということは大変重要だと思います。
 私は、財務金融委員会として、ぜひそれをやっていただきたい。公聴会を開いて、国民の意見をぜひ聞くように要望したいと思いますが、いかがでしょう。
○小坂委員長 公聴会の要望については、他の委員からも要望がありますので、理事会において協議することになっております。
○佐々木(憲)委員 では、生命保険会社の経営難の原因は一体どこにあるのかという点についてお聞きをしたいと思います。
 損益の実態でありますけれども、本源的利益と言われる三つの損益、費差損益、死差損益、利差損益、皆さんにお配りをしたこの資料は金融庁が提出した資料でございまして、生命保険会社の利源別損益の状況というのであります。
 これを見てもわかりますように、これは業界全体の統計でありますが、三利源の合計ではプラスになっているわけですね。これは資料を見れば明確であります。例えば、13年度、2001年度について言えば、費差益は7898億円であります。死差益について言いますと、2兆7067億円に上っております。この二つを見ますと、全く問題はないわけであります。ところが、利差損益を見ますと、1兆5198億円の損失でありますが、これは明らかに低金利によって生まれたものであります。しかし、費差益と死差益によってこの部分は埋め合わされまして、結果として1兆9767億円、約2兆円の利益が出ているわけであります。
 そうなりますと、一体経営が悪くなったのは何によって悪くなったのか。これは大臣、何によって悪くなったんでしょう。
○小坂委員長 五味金融庁監督局長。大きな声でしっかり答えてください。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 計数関係を簡単に御説明を申し上げます。
 おっしゃるように、この費差、死差、利差のうち、利差が大きな損失となっておりますが、これが超低金利の継続を原因といたします経営上の大きな構造的な問題ということのあらわれであろうと思います。いただいた資料では基礎利益が大きくプラスで出ておりますけれども、これはおっしゃるように、費差、死差の部分での稼ぎが影響しているわけでございます。
 なお、経営が苦しいという意味で申しますと、当期利益の問題がございます。これは、直近、手元にございます資料では、大手生命保険会社10社の合計の数字がございますが、これで見ますと、株価の下落などの厳しい運用環境のもとで、有価証券の評価損あるいは売却損、こういったキャピタル損が大きく出ておりまして、大手10社合計で平成14年度、1兆5823億円のキャピタル損となっております。こうした結果から、基礎利益では約2兆円の利益を大手10社では計上しておりますけれども、当期利益では平成14年度、3543億円というのが10社の合計ということになっております。
○佐々木(憲)委員 今説明ありましたように、その他の損益という部分でこれは足を引っ張っているわけですね。これは何かといいますと、これは株の下落によって生まれた損失なんです。そうすると、今の生命保険の経営難というのは、基本的な生命保険の業績によって悪くなったのではないわけであります。株の下落によって生み出されたということになるわけですね。だから、2ページの金融庁の資料でも、有価証券含み損益は2年前の7兆5696億円から、ことし3月の2兆9435億円と、約6割ぐらい下落しているわけであります。
 だから、マスコミの中でもこういうふうに言われているんです。生保にとって逆ざやは大きな経営問題だが、保険料収入などの収益でカバーできる部分も大きい、株安による含み損はこうした計算を全くすべて狂わせてしまう、こういうふうに言われておりまして、私は、このとおりだと思うんです。これは、生保そのものの内部要因というよりも、外部要因でありまして、まさにこれは、すべて政府の経済政策の結果であります。
 政府は、不良債権処理というものを強引にやる、期限を切ってやる。倒産と失業がふえる。これはデフレ要因だというのはみずから認めながらこれを強行してきた。さらに、ことしから来年にかけて4兆円国民負担をふやす。消費が低迷して経済の先行きが不透明になり、株が落ちるのは当たり前です。こうなれば経営が苦しくなる、これはすべての、銀行にしろ、生保にしろ、経営がおかしくなるというのは当たり前でありまして、追い込んだのは政府だということですよ。その反省は、竹中さん、ありませんか。
○竹中金融担当大臣 株の下落によって多くの業界、特に生保で大変厳しい状況が出現しているというのは、全くそのとおりであると思います。我々も、経済政策、構造改革を進めることによって、株が結果的に上昇するように全力を尽くしているつもりでございます。
 しかしながら、この株の下落に関しては、いつも申し上げますけれども、この2年間、日本の株価が4割下落した。その中で、ドイツは5割、6割下落した、フランスも同様であった、アメリカも、ナスダックでとるかニューヨークでとるかはともかく、20%、30%下落しているという世界の状況の中での大変厳しい経済状況である点も、これは認めなければいけないのであろうというふうに思っております。
 いずれにしましても、生保の収益をむしばんでいるのは、一つは、そういった株に代表されるような経済環境の悪化であり、さらには逆ざや、これはまさに構造的な問題である。その逆ざやという構造的な問題に対応するために、そのためにも今回のような法案を我々としては準備をしたつもりでございます。
○佐々木(憲)委員 株が落ちたのは、アメリカやフランスやドイツや、世界が落ちたから落ちたんですか。世界が落ちたのが原因なんですか。
○竹中金融担当大臣 株が上昇する理由、89年にあれだけ高くつけた理由、その後の落ちた理由、それぞれ株価の変動を一々説明するということは大変困難であろうかというふうに思っております。しかし、今株価に関しては世界のトレンドの中にあるということ、さらには、日本の抱えている潜在力が不良債権の問題等々によってなかなか発揮できないような状況にある。日本の潜在力を高めて株価の上昇を実現するためにも、我々としては構造改革をしっかりと進めなければいけない、そのための状況を、そのための政策を進めているつもりであります。
○佐々木(憲)委員 これだけ経済を悪くしておいての自覚が全然ない。
 不良債権処理はデフレ要因である、これは認めているわけですね。認めていながら強行したわけです。我々は、デフレ対策をやれば不良債権はなくなると言っているんですよ。不良債権なくすのは当然なんですよ。そのなくし方です、問題は。国民の消費をふやして、中小企業を助けて、そして景気がよくなれば不良債権なくなるんですよ。そういうことを我々はずっと前から言っているんです。全く今の小泉内閣がやっているのは逆なんですよ。
 自民党の中だって、我々と同じようなことをたくさん言っているんだよ、これは。賛成しているでしょう、皆さん。だから、政府の政策が経済をだめにしたというのは、これは党派を超えてみんな言っているんですから。その責任を何も感じていない。何か、株が落ちたのは世界が落ちたから落ちたんだと。自分の政策によってどういう結果が引き起こされているのかということの検討も反省も、全く一片のかけらも見られない。私は、そういう状態であれば、もうこれは大臣をやめてもらうしかないと言わざるを得ない。
 午前中の参考人質疑でも、生保協会の会長さんが言っていましたけれども、今度の生保についても、結局は株が落ち、低金利、そういう状態の中で、生保会社が幾ら努力してもその部分については変えられない、それは政府の責任だ、こういうことが参考人の皆さんからこもごも語られました。ですから、今やるべきことはむしろそちらの方なんです。契約者に負担を押しつけたら、また景気が悪くなるじゃないですか、不安が広がるじゃないですか、消費が冷えるじゃないですか。どうしてそういう逆のことをやるんですか。
 生保の予定利率の引き下げについて、生保業界はどうするんですかといいますと、それぞれの会社は、申請をするつもりはない、こう言っているわけです。そうしますと、予定利率の引き下げという法律をつくり、この法律ができた、さあできたからこれに対応して、選択肢がふえたからどうぞおやりくださいと言ってもだれも手を挙げない。
 結局、そうしますと金融庁がそれを促すということにならざるを得ないのじゃないでしょうか。金融の検査をやる、あるいは会社の経営実態を握る、その情報は金融庁が持っているわけですね。そうすると、結局、金融庁が上から押しつけるという結果になるのではないか。私は、その危険が非常に強いと思います。政府がそういう形で上から危機をあおるものですから、また、こういう法律を出すものですから、解約がどんどん出ているんです。解約がふえると保険料の収入が減ります。
 この1年間で保険料収入というのは一体どのぐらい減りましたか。
○竹中金融担当大臣 ちょっと、数字につきましては局長の方で今探しておりますので、その前に御答弁させていただきたいと思います。
 私は、日本の株が下がったのはすべて世界のせいである、そんなことを申し上げるつもりは全くございません。日本としてはしっかりと日本の経済をよくするための努力を、我々としてまさに責任を持って進めていかなければならない、大きな責任を感じて当たっているつもりであります。
 あと、この点は佐々木委員とは意見がかなり違うんだとは思いますが、私は、小泉内閣が行ってきた構造改革の政策は全く間違っているとは思っておりません。不良債権をこのまま置いておいてよいとは思いません。不良債権を処理してマネーサプライがふえるような状況をつくることが、結果的にデフレを克服していく有効な道になっていくというふうに確信をしております。
 消費を元気づけるということが重要だという佐々木委員の御指摘は、これはこれで私も事実としてはそのとおりだと思います。しかしながら、これは繰り返し申し上げますが、今回の保険の問題にしても、このまま逆ざやが続いて、保険会社が一体経営がどうなっていくんだろうか、そういう中で、そういう状況が高じますと、ますます消費が萎縮する可能性がある。その意味では、まさに制度そのものが持続可能であるようにしっかりと立て直しを図っていくことが消費自体を活性化する道でもあるのであろうかというふうに思っております。もちろん、それだけではなくて、さまざまな政策を講じなければいけないと思っておりますが、これは我々としても最大限の努力をしているつもりでございます。
○佐々木(憲)委員 消費が萎縮すると言いますけれども、消費が萎縮するような政策を政府がとっているからであります。
 先ほどの数字出ますか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 申しわけありません。手元にある限りの資料ですが、もし間違っておりましたら後ほど訂正させていただきますが、この1年間ですと、大手生保10社の2003年3月期においては保険料収入が約19兆5千億ということで、前年度比では8%の減少ということになっております。
○佐々木(憲)委員 8・3%ぐらいだと思いますが、前の期に比べましてマイナスなんですね。これで5年連続減少なんですよ、5年連続。こういうふうに減ってきているというのは、私は、二つ理由があると思うんです。
 一つは、保険料を払う余力が低下している。つまり、全体として所得の低迷がある、収入が減っている、将来不安がある。したがって、保険料そのものもなかなか払えなくなってきているという実態があります。
 それからもう一つは、生命保険というものが果たしてこのまま約束を守ってくれるんだろうか、そういう不信感があるわけですね。この不信感を増幅させている政策が、今出されているこの法律がその引き金を引いているんじゃないか。予定利率を引き下げたいという保険会社が一社もない中で、こういう法案を議論していること自体が、生保業界全体の信用不安を増幅させております。
 パブリックコメントの中で、生命保険会社からの意見としてこういうのがあるんですね。当社を初め、多くの生命保険会社が、仮に本制度が導入されたとしても実施する考えはないと明確に表明しているにもかかわらず、制度導入が検討されている以上、必要性があるんだろう、制度が導入されれば予定利率引き下げを実施する会社があるだろう、実施する会社はどこか、こういう憶測が広くなされており、国民・契約者の生命保険業界全体への不安感、不信感をふやす結果になっている。私は、この意見というのはまさに図星だと思います。
 大体、政府の姿勢というのは、保険業を守ろうという姿勢ではないと思いますよ。契約者に不安を与える法律を出し、将来あなたの保険金は減らされるかもしれませんよということをこれだけ世間に流布して、そして信用を失墜させて、契約者自身もどんどん減っている。新規契約者が減ってきている。これで一体生命保険がどうして再建できるんですか。
 私は、国民の消費をふやしていくというしっかりとした政策を出し、生命保険に加入できるような余力をつくっていくということが一つと、契約をしっかり守っていくという信頼感、これがなければ保険というのは成り立たないと思います。政府の政策は全くその点で逆行している。このことを最後に申し上げまして、終わります。

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