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平和・憲法

2009年04月27日 第171回 通常国会 議院運営委員会 【515】 - 発言

憲法審査会規程づくりのための強引な参考人招致に抗議

 2009年4月27日、議院運営委員会で、小坂憲次議院運営委員長と自民・公明の与党は、改憲原案を審査する憲法審査会規程の議決をめぐり中山太郎前憲法調査特別委員長(自民党憲法審議会長)からの意見聴取を、野党の反対を押し切って強行しました。日本共産党をはじめ野党各党は、与党による一方的な運営に抗議しました。

 中山前委員長は、「一刻も早く国会に憲法論議の場を」として憲法審査会規程の早期制定を求める一方、「できるだけ広範な会派の賛同のもとに審査会を発足させるよう」にと主張しました。

 意見表明した佐々木憲昭議員は、「野党との合意なしに一方的に参考人を呼ぶというやり方は禍根を残す」と批判。「いま国民が求めているのは改憲手続きの整備ではない。貧困と格差が拡大し憲法25条の生存権が脅かされているという現実をどうするかが当面の最大の課題だ」と述べました。

 自民党は「(今日の)意見聴取は審議促進のうえでの一歩だ」と強調し、公明党は「強引だという野党の批判はまったく当たらない。国民投票法施行一年前となり憲法審査会発足は当然」などと述べました。
 与党理事は、今後の進め方について自民党と民主党の筆頭理事の間で協議していくとしました。

議事録

○佐々木(憲)委員 本日、委員長と与党が野党との合意なしに一方的に参考人を呼ぶことを強行したということに、厳しく抗議をしたいと思います。こういうやり方は、今後に禍根を残すものであり、認めるわけにはいきません。
 今、国民が求めているのは、改憲手続を整備することではありません。国民は、今の暮らしを何とかしてほしいと願っているのであります。深刻化する経済危機のもとで、貧困と格差が拡大し、憲法25条の生存権が脅かされている、この現実をどうするか、これが当面の最大の課題であります。
 改憲手続法が成立して2年たつのに憲法審査会が発足していないことが問題だと言いますけれども、そもそも、改憲手続法は、安倍政権のもとで自民党などの九条改憲の政治スケジュールに沿って強行成立させられたものです。慎重審議を求める圧倒的多数の国民の声を無視し、審議も不十分なまま、与野党の合意のないまま数の力で強行し、憲政史上に重大な汚点を残したものであります。このときの会長が中山太郎氏であったことは、記憶にとどめておかなければなりません。
 改憲手続法の内容は、投票率が低くても国民投票が成立し、有権者の2割台の賛成でも改憲案が通るなど、徹頭徹尾、改憲推進勢力に都合よくできております。このような法律に定められた審査会規程が未整備であるということを問題にするのなら、むしろ手続法そのものを見直し、廃止すべきであります。
 いずれにしても、今のどの世論調査を見ても、憲法を変えるべきだという声は少数であります。とりわけ憲法九条を変えよという声は少数であり、九条を守れという声が圧倒的多数です。
 この議運委員会でも、憲法審査会の規程を今つくれという点での与野党合意はありません。合意がないまま、また数の力で強行することを繰り返すことになれば、日本の憲政史上、さらに汚点を繰り返すということになると思います。
 今求められているのは、9条、25条を初め、平和と人権の保障を目指す日本国憲法を生かすことであります。その道を進むことを我々としては改めて決意をしているところであります。
 以上です。

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