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平和・憲法

2004年01月30日 第159回 通常国会 財務金融委員会 【221】 - 質問

イラク復興支援費は現地でどう配分されるのか、明確な説明ができない外務省

 2004年1月30日、佐々木憲昭議員は、2069億円にのぼるイラク関連経費のうち 1666億円を占める「イラク復興支援協力費」の使途をめぐって、財務金融委員会で質問しました。
 佐々木議員は、(1)国会に何の説明もないまま、陸自先遣隊の隊長が現地で日本の支援は「3段階・10年」でおこなうと説明していると報道されている問題、(2)日本が支出した復興支援費が現地の地方組織にどのように配分されるか、を追求しました。

 イラク関連予算は、今年度補正・来年度予算を合わせて2000億円以上。佐々木議員は、陸上自衛隊の先遣隊長がイラクのムサンナ州(州都サマワ)知事と20日に会談した際、3段階・10年規模とされる日本の復興支援構想を伝えたとの報道を取り上げ、「(国会の議決に基づく)財源が必要な問題で、事実関係を調査すべきだ」と述べました。
 谷垣禎一財務相は「報道がすべて正しいわけではない」と調査を拒否しました。
 佐々木議員は、補正予算に含まれている559億円の「直接援助」について、米英占領軍に事実上支配されているイラク暫定評議会を通じて出さないとしているが、使途や内容、資金の受け皿が不明りょうだと追及。陸上自衛隊本体の派兵先であるサマワの市評議会の存在について政府が答弁撤回・変更を繰り返していることをあげ、「わけのわからない相手に支援するのか」とただしました。
 外務省の古田肇経済協力局長は、「日本が供与するパトカー620台のうち20台をサマワに配分した」と述べたものの、使途・配分は日本側の「想定」でしかないと弁明。佐々木議員は、“まず支援ありき”の姿勢だと批判し、「支援計画」の具体的資料の提出を要求しました。
 佐々木議員は、2003年度補正予算案に含まれている「イラク復興経済協力費」(1188億円)のなかの直接援助の“受け皿”があいまいで、米英軍による不法な占領支配を固定化するもので、認められないと主張しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。補正予算の大変重要な柱がイラク関連予算でありますので、この点についてお聞きをしたいと思います。
 全体の金額ですけれども、2003年度、本年度予算ですね、それから今回提案されている補正予算、さらに来年度予算、合わせまして、このイラク関連予算というものは幾らになるのか。谷垣大臣にこの全体像を、主な項目と全体的な金額、これを示していただきたいと思います。
○谷垣財務大臣 自衛隊部隊のイラク派遣に関する経費につきましては、イラク人道復興支援特措法に基づく基本計画、実施要項の策定がございました。それを受けて、自衛隊がイラクで使用する装備品の購入や事前の訓練といった派遣の準備に要する経費は約241億円、これを昨年12月19日に予備費でまず措置いたしました。
 それから、自衛隊がイラクで活動する際に必要となる手当とか、あるいは通信、糧食、燃料、こういったものに関する経費のうちで、今年度中、平成15年度中に必要な経費につきましては、防衛庁長官の派遣命令が発出される都度、予備費で合計約27億円を措置しております。
 それから、来年度に、平成16年度に必要な経費につきましては、16年度予算に約135億円を計上しているということであります。
○杉本政府参考人(財務省主計局次長) 今大臣から御説明ございましたのが、イラク復興に関する自衛隊の派遣に関する経費でございます。
 それに加えまして、イラクの復興支援に関する経済協力の関係の経費を計上させていただいております。
 これは、昨年の10月、イラク復興支援会合のマドリード会合におきまして、我が国といたしましては、総額15億ドルの無償資金の供与をプレッジしたところでございますので、これに基づきまして、15年度補正予算におきましては、この15億ドルのうち、イラク支援のための経済協力費といたしまして10.8億ドル相当、1188億円を計上させていただいております。
 15億ドルと10.8億ドルのプレッジの差、4.2億ドルにつきましては、15年度既定予算及び16年度当初予算で手当てさせていただくこととしておりまして、想定しております額は、16年度予算、当初予算におきまして全体で2.9億ドル相当、319億円、それから15年度既定予算におきましては1.3億ドル相当、159億円ということを想定しております。(佐々木(憲)委員「合わせて」と呼ぶ)
 合わせて15億ドルでございますので、1666億円。それは、15年度予算の既定予算、補正予算、当初予算合わせて、イラク復興に係る経済協力に関する経費でございます。
 このうち補正で計上させていただいております1188億円、この支援の内訳につきましては、イラク復興信託基金への拠出金といたしまして495億円、それから、ユネスコ等の国際機関経由の支援といたしまして134億円、イラクへの直接支援等といたしまして559億円の事業を実施することを想定しております。
 支援の分野といたしましては、電力、教育、水・衛生、保健、雇用等、イラク国民の生活基盤の再建及び治安の改善に重点を置くこととしておりまして、イラクへの直接支援につきましては、例えば発電所や変電所等の緊急リハビリ、それから浄水機やごみ収集車の供与、地方中核病院のリハビリ等の実施を検討しているところでございます。
○佐々木(憲)委員 要するに、自衛隊関連で合わせて403億円、直接自衛隊派遣にかかわる経費ですね。さらに、経済援助として1666億円。ですから、合わせますと2619億円。イラク関連といいますと、こういうことになるわけですね。非常に規模としては巨額な資金であります。
 しかし、これは全体の中のまだ一部ではないんでしょうか。総額としては、昨年50億ドル支援というような話もありましたが、今後どのぐらいかかるのか、この点についてお聞かせいただきたい。
○杉本政府参考人 先ほど申し上げましたマドリードの支援国会合で、15億ドルの無償供与を表明いたしまして、その他円借款等を含めまして、50億ドルの支援を考えているところでございますが、まずは無償協力をやっていくということでございますので、15年度、16年度を合わせました予算措置におきましては、この15億ドルの無償協力に関連して予算措置をさせていただいたというところでございます。
○佐々木(憲)委員 そこで、外務省は15億ドルの一部を自衛隊の活動費用に活用することを検討しているという報道が一部ありますけれども、もしこれが行われれば、ODAを自衛隊が活用するという初のケースである、こう言われるわけですが、そういうことを想定しているんでしょうか。
○古田政府参考人(外務省経済協力局長) 御答弁申し上げます。御指摘のようなODA予算をそのまま自衛隊に活用するということは、私どもとしては考えておりません。
○西川政府参考人(防衛庁運用局長) 従来のODA等とのすみ分けと申しますか、そういうところはきちっとされておりまして、我々は我々の活動の範囲内での予算の執行ということで仕組みがつくられております。(佐々木(憲)委員「ちょっと意味がよくわからない」と呼ぶ)
 済みません。自衛隊の活動用の経費ということでODAの部分を当方で使わせていただくことはございません。
○佐々木(憲)委員 それで、これは東京新聞の1月21日付でこういう報道がありますので、この点についてお聞きしたいんですが、陸上自衛隊先遣隊長の佐藤さんが、サマワを州都とするイラク南部ムサンナ州のハッサン知事と会談をした、これは20日のことであります。「その中で、サマワを中心とした同州を対象に、日本側が3段階、10年規模の復興支援構想を持っていることを伝えた」、こういうふうに報道されております。
 3段階で10年規模の復興支援を行うという構想はこの報道で初めて知ったんですが、この構想はあるんでしょうか。「会談には、日本の外務省関係者も同席した。」こういうふうになっていますので、外務省も同様の構想で考えているんだろうと思うんですけれども、その辺はどうですか。
○西川政府参考人 陸上自衛隊の先遣隊が1月の20日にムサンナ州の知事と懇談をいたしましたことは、これは事実でございます。
 この際、知事、部族の代表、それから宗教指導者、サマーワ市評議会代表、これが実は議長代理でございましたが、等に対しまして、当方の先遣隊の佐藤隊長より、1点は、自衛隊の行う人道復興支援活動は、医療、給水、公共施設等の復旧整備等を考えており、その活動の実施に当たっては、CPAやオランダ軍と連携する考えであること、それから、自衛隊の行う人道復興支援とは別に外務省も経済協力を実施していく考えであり、自衛隊と外務省で連携をとりながら復興支援に取り組むということなど、我が国の今後の人道復興支援活動の基本的な考え方について説明いたしております。
 この1月20日に実施されましたムサンナ州の知事等との懇談におきましては、ただいま申し上げましたように、当地における我が国の今後の人道復興支援活動の基本的な考え方について説明したにすぎず、委員御指摘の3段階10年サマワ復興といった具体的な復興支援計画を明らかにしたという事実はございません。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。当日のやりとりにつきましては、ただいま御答弁になったと同様に私ども認識しておりますが、外務省といたしましては、イラクへの自衛隊の派遣が円滑に行われるように、職員の安全確保に十分配慮しながら引き続き最大限の協力を行っていくという方針でございまして、このために、防衛庁とも御相談しながら、先遣隊の派遣に伴って職員を派遣しておるわけでございます。
 これらの外務省職員は、自衛隊が現地で人道復興支援を行うことに伴って現地からさまざまな援助に関する要望等も伝えられることがあり得るわけでございまして、こういったニーズを外務省本省にしかるべく連絡、報告をするというような業務もあり得るというふうに思っておるわけでございます。
 この20日の会合におきましては、外務省の職員も参加しておったわけでございますが、その時点では、同行した外務省職員は、外務省の事務所を開設するということは御説明いたしておりますが、御指摘のような10年規模の復興支援を念頭に置いて事務所を開設する云々というようなことは申し上げておりません。
○佐々木(憲)委員 言っていないという話なんですが、ただ、これは報道されているところによりますと、佐藤先遣隊長は、復興は3段階で実施したい、最終的には5年から10年の期間を要するが、復興に役立ちたいと知事に伝えたと。
 関係者によるとということで、第1段階は、主にイラク復興支援特別措置法の基本計画に盛り込まれている浄水・給水、医療支援、道路復興などの人道復興支援活動で、期間は3から5カ月間を見込む。第2段階は、内外の企業を誘致しやすくするために整備すべき社会資本を絞り込み、具体的計画を練る、これには1年から1年半をかけるという。最終段階、第3段階では、計画を現実化し、企業誘致を進める、早ければ5年、遅くとも10年で復興計画が完成すると見ていると説明したという。こういうふうにかなりリアルなんですね。ああ、さもありなんと思うような報道がされている。
 ということは、かなり現地では具体的に説明が行われていたという可能性が非常に高いわけでありまして、一体、本当にどのような説明をしたか。今そういうことは言わないと言っていますけれども、しかし、こういう報道をされている以上、実態はやはり違うのではないか。この点については引き続き私ども、正確な情報を把握していただきたい、実際にこういうことを言っていないのかどうか、現地の実態を掌握していただきたいと思います。いかがですか。
○西川政府参考人 お答えいたします。
 ただいま報道にありますような形につきましては、当方の、この1月20日の会合でございますけれども、実は、1月の16日に先遣隊が参りまして、その上で19日にサマワの方へ先遣隊の一部が、一部といいますか20数名が入っております。その翌日に知事にお会いしておるということで、実はこのとき、先ほどお話ししましたように、30名ほどの方が、例えば各部族代表だとか宗教指導者とか、こういう各界の代表的な方が来ておられて、うちの隊員たちも非常にびっくり……(佐々木(憲)委員「いや、調べるのかどうかと聞いているんだから」と呼ぶ)
 済みません。そのあたりについて我々としては、今のところ、そういうふうな話は、これは歓迎会が非常に主であって、そういうことはなかったと私たちは考えております。
○佐々木(憲)委員 調査するのかしないのかと言っても、全然するとは言わない。こう考えていると言うわけでありまして、全く正確な情報を国会に提供する姿勢がないということを今示していると思うんです。
 私は、非常に重大だと思いますよ。といいますのは、この10カ年計画なんというものがもし仮に説明が行われていたとすれば、当然そのための財源が要る。財務大臣は、10カ年計画とか3段階、聞いていますか。
○谷垣財務大臣 1月21日の報道にあるような、あるいは今委員がこの場でおっしゃったような具体的な事実に関しては、私は一切承知しておりません。
 佐々木委員も、報道がすべて正しいわけではないということは、共産党の御経験でも十分御承知ではないかと思うんですが。
○佐々木(憲)委員 だから、調査をしなさいと言っているんですよ。具体的にこういう情報がある。それに対して、調査をするとは言わない、私はこう考えているという程度の答弁ではだめなんですよ。そうでしょう。事実関係を明確にするというのが国会の役割であって、その実態を調査するように引き続き要求をしたいというふうに思います。
 さらに、もう一つお聞きしたいのは、この復興支援計画、復興支援の予算でありますけれども、どのようなルートを通じて現地に渡るのかというのが次の疑問であります。
 全体としては、多国間、つまり国際的な機関、こういうところを通じて、その機関のルートで渡されるというのが一つありますね。
 それからもう一つは、559億円がイラクへの直接支援となっているわけであります。これは2国間の枠組みでやるということなんですが、一体この直接支援というものはどういう形で、つまり、現在はフセイン政権は崩壊して、政府としては、行政組織としては存在していないわけですね。しかし、米英軍が駐留をし、米英軍の占領統治になっている。一体、その相手はだれなんですか、支援の相手は。そこをはっきりさせていただきたい。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。
 まず、一般論として申し上げますが、我が国の無償資金協力でございますが、その受け手としては、相手国政府、それから国際機関、あるいはNGOといったものがございますが、このほかに、地方の共同体でありますとか学校、病院等の公共性、中立性の高い団体であって、しっかりと機能しており、事業を効果的かつ適切に実施する能力のあるものに対して供与しておるということでございます。これはいわゆる草の根援助も含めて申し上げておるわけでございます。
 イラクに対する直接支援でございますが、私どもとしては、統治評議会のもとの中央各省庁、これにつきましては国連安保理決議の1511で、イラクの主権を体現しているものというふうに位置づけられておりますので、この中央省庁とも接触をしておりますし、それから、県あるいは病院等の機関のうちで、活動目的でありますとか、その実績、人員の数、専門的知見の有無等からプロジェクトの実施能力を総合的に判断して、供与先として適切かどうかということを決定することといたしております。
○佐々木(憲)委員 暫定行政当局、CPA、これはどういう扱いになるんですか。ここには出すんですか、出さないんですか。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。
 御指摘のCPAでございますが、私どもとしては、我が国のODAをここに直接供与する考えはございません。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、イラク暫定統治評議会、ここを通じた支援ということになるんだということなんですね。しかし、このイラク暫定統治評議会というのは、CPAとの関係というのは極めて明確でありまして、事実上、予算の配分などもこのCPAの了解なしにはできないというような関係にあるわけですね。
 そうすると、一つの問題は、CPAの事実上の支配下にあるそういう行政組織に出すということになれば、これは憲法上の問題が出てくるのではないかという議論があります。しかし、それは今ここでは置いておいて……。
 では、もう一つは、このイラク暫定統治評議会というのはどういう組織になっていて、それから、各地域、このサマワの地域というのも一つの日本が深くかかわる地域というふうに想定されているわけですけれども、一体、どの組織に幾ら、何のために配分をするか、それはだれが決定するか、そこのところをはっきりさせてください。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。
 まず、統治評議会でございますが、これは全国の行政を束ねる組織で、イラク人から成る、25人のイラクの代表から成る組織でございまして、そのもとにさまざまな中央省庁があるということで、これを全体をあわせて国連の安保理決議ではイラクの主権を体現しているものというふうに位置づけておりますので、私どもとしては、例えばこの中央省庁との関係でいきますと、電力のプロジェクトでございますと、電力省との間でどこにどんなプロジェクトが必要であるかということを検討するわけでございますし、それから、水・衛生回りでは地方公共事業省というものがございまして、そちらと同じように議論いたしますし、保健医療の分野では保健省というものがございます。それから、先般発表させていただきましたが、620台の警察車両を提供するということにいたしましたが、この場合には内務省と御相談をしてプロジェクトを決めておるわけでございまして、中央省庁との関係では、以上のようなところが今具体的に私どもがコンタクトをし、プロジェクトをいろいろと想定しているところでございます。
 このほかに、例えば水回りで、バグダッド市でありますとかバスラ市でありますとか、市の当局、例えば下水道局とか、そういった当局とも接触をいたしまして、そういったところからのニーズをくみ上げるということもございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、各中央省庁のみならず、その他の県でありますとか病院でありますとか、あるいは市の当局も対象になるわけでございまして、そういったところとお話をしながらニーズを見きわめて、そしてプロジェクトを決定するということで、最終的には日本国政府として決定するわけでございます。
○佐々木(憲)委員 では、具体的にお聞きしますけれども、サマワの場合、市評議会というものが一体存在するのかしないのかというのは大議論になっておりますけれども、ここはどういう形で地方組織に配分をするんですか。
 それから、ルマイサの市の評議会のメンバーが辞任をしたと言うけれども、結局、地方組織というのは存在しているのかしないのかも日本政府自身も全く把握できないような状況があるわけですね。一体、どこにどういう形で配分するかということですね。それはどうなっているんですか。だれがそれを検証するんですか。だれが決定するんですか。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。
 サマワに対する経済協力、さまざまなプロジェクトが考えられるわけでございますが、現在動いておりますのは、例えば、先般発表しました警察車両でございますが、620台のうちの20台をサマワに持っていくわけでございますが、これはイラクの内務省が620台を全国にどう配分するかということで決定をして、そしてサマワの警察に提供する、こういう流れになっております。
 それから、同じく先般発表いたしましたが、国連のハビタットという組織が住宅でありますとか学校の修復、建設をやるわけでございますが、これにつきましても、県の当局、あるいはハビタット自身が、昨年来ずっとイラクで活動してきて、この部分にこういうことをしたらいいのではないかというようなことを判断しながら、具体的にどこで何をするかということを決めていくという流れもございますし、それから、サマワの属する県、ムサンナ県でございますが、県の当局と御相談をして、いろいろな個別のニーズを伺うということもあり得るわけでございます。
○佐々木(憲)委員 この経済支援の受け皿のそれぞれの組織がどうなっているかというのは、非常に不明確であります。サマワ市評議会も、存在しているという国会答弁が、存在しているというのは撤回しますと。つまり、機能していない、存在していないと。ところが、きょうのイラク特の総理の説明は、存在しているかしていないかわからないと。本当にくるくる変わるわけですよ。そういうわけのわからぬ相手に、一体どういうふうにそのお金が流れていくか、どこに使われていくか、さっぱりわからないわけですよ。
 本当にこれはいいかげんなので、私はここで資料を要求したいんですが、この経済援助が最終的にどのレベルに、どの組織に幾ら、何の目的で提供されるかの一覧表をこの委員会に提出していただきたいと思います。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。まず、サマワ市の評議会については、いろいろと御議論ございますが、今般の15年度補正予算の中で、サマワ市の評議会を対象とする支援は想定いたしておりません。それから、御指摘の点について、この15年度の補正予算を要求するに当たりまして、私ども、どういう分野の案件を想定しているかということは整理はできておりますので、それに関する資料はお出ししたいと思います。
○佐々木(憲)委員 いや、分野はいいんですよ。分野はわかっているんです。それはもう既に発表されておりますしね。そうではなくて、受け皿の組織、一体どういう組織に幾ら、何の目的でそれが提供されるのか、その一覧表を出してくださいと言っているんです。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。
 この補正予算を要求するに当たりまして、いろいろと想定をいたしております。これはあくまでも想定でございまして、最終的にどう決まっていくかということは、これからのプロセスもあるわけでございますが、私どもがどのように想定をしてこの補正予算を要求しておるかということで資料をお出ししたいと思います。
○佐々木(憲)委員 その想定というのは何ですか。想定というのはどういうものなんですか。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。まだ先方との間で最終的にプロジェクトとして幾ら、何に幾らということが厳密な意味で合意が、合意といいますか、決定をしていないという意味で想定というふうに申し上げておるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 そんないいかげんなものじゃだめだと思うんですよ。具体的に何にどのように使われるかということがまだはっきりしない、しかし枠だけは決めると。だれに渡るかもわからない。そういう状況で、一体これは審議できるんでしょうか。これは根本的な問題だと思うんですけれども、それを具体的に出さない限りは、実際審議できないんじゃないですか、どうですか。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。繰り返しになるかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、例えば電力でありますと、電力省との間でいろいろなプロジェクトを念頭にずっと議論してきておるわけでございまして、その煮詰まり状況、ニーズというものはあるわけでございますので、そういったものを踏まえて、この559億円をどういうふうに積算をしてきているかということについては、もちろんお出しできるわけでございます。
○佐々木(憲)委員 ちょっと今の答弁だと、先ほどと変わらないのですが、具体的な資料を出していただかないと。
○古田政府参考人 御答弁申し上げます。559億円という補正予算の要求をさせていただいておるわけでございますから、それの根拠となる、どこを対象にどの分野で幾らということについては当然あるわけでございまして、例えば、電力でいえば電力省、それから水・衛生であればバグダッド市当局あるいは地方公共事業省、保健医療でありますれば保健省または病院そのもの、それから治安関係で申し上げますと警察車両では内務省、その他日本のNGOの活動費ということでNGOに対して供与するものもございます。(佐々木(憲)委員「だから、資料を出すのかどうかです、受け皿組織の資料」と呼ぶ)
 ただいま申し上げましたことに関する資料をお出しする用意がございます。
○佐々木(憲)委員 今、出すという答弁がありましたので、理事会でその内容について検討していただければ幸いです。
○田野瀬委員長 期限も理事会で検討させていただきます。これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

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