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金権・腐敗政治 (閣僚等の疑惑, 日歯連問題)

2004年03月04日 第159回 通常国会 予算委員会 【228】 - 質問

「日歯と日歯連の癒着を峻別させよ」日歯連から坂口厚生労働大臣へ献金

 2004年3月4日、予算委員会で、佐々木憲昭議員は、日歯と日歯連の組織が一体化している問題を取り上げ、峻別が行われていない実態を示し、厚生労働省に指導するよう求めました。
 また、佐々木議員は、坂口厚生労働大臣が過去に「(所管する団体の)政治連盟からの献金は大臣就任中は受けない」と答弁していた事を指摘し、その後も日歯連や地元の三重県歯連からパーティー収入がある事を厳しく批判しました。

 日歯と日歯連の関係については2001年8月、厚生労働省が各都道府県に通達を出し、現状の報告と是正指導を要請。坂口厚生労働大臣も国会で「明確に区分してもらう」と答弁しています。
 佐々木議員は、厚生労働省の現状調査に回答したのは13府県、指導・改善したのは4県にとどまっていることを指摘。地方の日歯連機関紙で「各支部については峻別は問われない状況」(福岡市)と居直っている実態を示し、「これは峻別がまともに行われていない証拠だ。きちんと指導すべきだ」と迫りました。
 坂口厚生労働大臣は「全体として把握していない。峻別されていなければ徹底したい」と答えました。

 佐々木議員はまた、坂口厚生労働大臣が過去に「政治連盟からの献金は大臣就任中は受けない」「パーティー券は20万円を上限」と答弁していたことを指摘。この答弁に反し、日歯連によるパーティー券購入に加えて地元・三重県歯連などから1回20万円以上、2年間で計128万円のパーティー収入があったことをあげ、責任を追及しました。
 坂口大臣は「地元が出すものと中央の歯科医師会とはまた違う」と無責任な答弁に終始。佐々木議員は「日歯連本部と各都道府県歯連が『違う』というなら、いくらでも抜け道ができる」と批判しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、保健医療データビジュアライゼーション事業についてお聞きをします。
 これはこの委員会でも何度も議論になりましたが、イメージ情報科学研究所、イメラボに委託をされまして、そこから日本歯科医師会などに資金が流れる、こういう形で行われた事業であります。
 厚生労働省にお聞きしますけれども、この事業について最初に経済産業省から説明を受けたのはいつでしょうか。
○岩尾政府参考人(厚生労働省医政局長) お尋ねの保健医療データビジュアライゼーション事業については、当時の担当者や経済産業省に確認いたしたところ、平成13年7月ごろ、当時の担当者などが事業全体の説明を受けたと聞いております。
○佐々木(憲)委員 13年7月ということですから、構想はもうずっとその先で決められていたわけですね。つまり、概算要求後に知らされた、こういうことだと思うんですが、開発は経済産業省、普及は厚生労働省、こういうふうに言われているわけです。
 そこで、お聞きしますけれども、厚生労働省は、この保健医療データビジュアライゼーション事業で上げた成果を普及するために、普及のための予算というものは確保しておられるんでしょうか。
○岩尾政府参考人 医療の情報化ということで、経済産業省、厚生労働省、互いに連携いたしまして、基本的には、必要な技術開発、実証は経済産業省が行い、一定の評価が得られた情報技術の普及は厚生労働省が担うとしております。
 厚生労働省では、電子カルテ、レセプトの電算化普及のため、保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザインに基づきまして、これまでも、電子カルテに使用する用語、コードの標準化、電子カルテを用いたネットワーク事業、レセプト電算処理システムの普及に取り組んでおります。
 この保健医療データビジュアライゼーション事業については、経済産業省から、現在、事業の途中過程であり、平成15年度に最終的な成果が得られると聞いているところであります。その最終的な成果を踏まえて、厚生労働省において取り組んでいる事業での活用も含めて、必要な普及策を検討することとしております。
○佐々木(憲)委員 結局、まだ予算化をして普及をするということにはなっていないということですね。
 そこで、そうしますと、経済産業省の先日の予算委員会での答弁は、「経済産業省がどちらかというとベンチャー的な形で実験的に進めて、その結果、ある程度固まった段階で、厚生労働省の方でそれを普及していただく形で、予算も確保していただき、実際に御支援もいただいているという関係でございます。」と答弁されているわけです。
 しかし、事実関係を見ますと、説明を受けたのは極めて後の方でありまして、しかも、普及すると言われていますが、普及のための予算は依然としてまだ組まれてはいない。しかも、先ほど永田議員が指摘したように、歯科医師会は共通ソフトとして採用しないということを言っているというんですね。
 そうしますと、厚生労働省とは関係なく、日歯という特定の団体あるいは特定の政治家によって持ち込まれたものを経済産業省が委託事業として予算化をした。厚生労働省から出た話ではもともとないわけであります。本当に必要な事業であったのかどうかさえ、大変これは疑わしいと思うんですね。その委託事業の金が2次、3次の下請にどのように流れていったかもまだ定かではない。
 経済産業大臣にお聞きしますけれども、これはやはり真相の徹底究明、どのような形でこれが構想され、どのように委託が行われ、お金がどう流れたかという、これは国民の税金の使い方の話ですから徹底調査が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○中川経済産業大臣 まず、佐々木議員の御質問の中で、採用しないと決定したとは私は承知をしておりません。先ほど答弁したとおりでございます。
 それから、この予算委員会での御審議を踏まえまして、私から、内部調査、そしてまた、外部有識者によるIT関連委託事業の執行のあり方調査検討委員会というものを設置することを決定いたしまして、座長には会計検査院の元の事務総長の深田烝冶さん、そしてメンバー全部で五人から成る委員会を構成いたしまして、このイメラボに委託された保険医療データビジュアライゼーション事業(歯科分野)に関する調査についても報告をし、助言をいただく。
 それからまた、これ以外にも、一般的に多段階請負構造が指摘されておりますIT関連委託事業について、その執行の適正性及び効率性を確保するための方策を検討していただき御報告をいただくということにして、3月中、3月の前半にも第1回のこの委員会を開いていただいて、早急に結果を得たいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 この事業の経過を検討してみますと、厚生労働省が主導して、あるいは要請をしてつくられていったということではなくて、経済産業省がリーダーシップをとって、開発だからそうだということなんですけれども、しかし、同時に、それが実際に普及するということになっていきますと、その普及の段階がまだ極めて不明確であります。
 採用しないと決定されたというふうには聞いてないというふうにおっしゃいましたけれども、私が言いたかったのは、歯科医師会やあるいは経済産業省がどういう形でこれにかんでいったか、非常に経過が不明確である、その中に特定の政治家が絡んでいる可能性があるということでありますので、その点を徹底究明するということ、それから、お金の流れ方がまだはっきりしていない、そこを徹底的に洗うということ、この点をぜひやっていただきたいと思うわけです。
 現在、調査の機関をつくって調査をするとおっしゃったわけですが、いつまでにそれをなさるおつもりなのか、ぜひお聞かせいただきたい。
○中川経済産業大臣 先ほど、できるだけ早くというふうに申し上げましたが、前の委員会でも御答弁したと思いますけれども、イメラボに関するこの具体的な案件については、1カ月程度を一つの一応区切りにして早急に結論を出していただきたい。
 それから、一般的な委託の事業のあり方については、もう少し時間がかかるかもしれませんけれども、数カ月というか、半年よりもっと短い期間内に、専門家の方の調査の結果ですから、拙速も避けたいですけれども、できるだけ早くやっていきたいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 次に、日歯と日歯連の一体化問題について坂口大臣にお聞きしたいと思うんです。
 大臣は、医師会と政治団体の関係について、明確に峻別すべきだという答弁をされています。
 2001年6月11日の当時の医政局長も、日医、日歯、看護協会など、特に大臣からの強い御指示もございまして、公益法人の活動と政治連盟の活動を峻別するように、特に最近強く指導している、こういうふうに答弁をされているわけです。
 坂口大臣、昨年6月13日には、こういうふうに言っているんですね。例えば医師会と政治連盟が同じ場所で同じ電話番号で、そして同じ人が会長というのは好ましくない、そこは明確に区別をしていただく、こういうふうに答えておられます。
 ところが、この予算委員会の総括質疑で私が紹介しましたように、まずは本体の日歯と日歯連、この会長が同じなんですよ、依然として。それから、会計責任者も全く同じなんです。何も峻別されていない。都道府県を見ましても、45の都道府県で住所も同じ、33の都府県で会長が同じなんです。
 これはもう、事実からいいまして、峻別すると言っておられますけれども、実態は峻別されていないんじゃありませんか。
○坂口厚生労働大臣 きょう、さきの委員にもお答えを申し上げたとおりでございまして、これは平成13年でございましたか、医師会の問題が起こりまして、そのときに各都道府県に対しまして文書を出した。また、医師会や歯科医師会、薬剤師会等に対しましても、その旨を、こういうふうにすべきだということを指導したということでございます。
 内容は主に3点でございまして、それは、公益法人が政治団体の会費を特別会費の名目で同法人の会費と一緒に徴収しない、それから、公益法人の事務所が政党の入党申込書の送付先となっていることは避けるべきだ、それから、公益法人の会費と政治団体の会費が同一の預金口座で管理されていることは避けなければいけない、主にこういう内容のものを出したということでございます。
 その後、各都道府県に対しましても、そういうことが行われないように各都道府県からもよく指導をしてほしい、各地方の場合には、ということで言っておりまして、各都道府県の中からも、そういうふうに指導して現在こうなったというふうな症例も寄せられております。
 しかし、全体としてまだどうなっているかということまでは私も把握をいたしておりませんので、そこはもう一度またしっかりと、そういうふうになっていないということであれば徹底したいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 2001年の8月には、おっしゃったように、都道府県に文書を出しているわけですね。それで調査をした。ところが、私、その調査結果を見せていただいたんですけれども、回答があったのは13府県なんですよ、47都道府県に通達を出したにもかかわらずですよ。それから、歯科医師会の記述があったのが九府県、そのうち指導、改善したのはたった四県なんです。これ、厚生労働省がやった仕事であります。だから、実際にはほとんど直っていないということなんです。
 これは、福岡市の日歯連の昨年5月1日の機関紙「福市歯連盟」というのがあるんです。それを見ますと、「各支部については峻別は問われない状況でございます。」「支部から班に行きますと連盟と本会が」、本会というのは歯科医師会ですけれども、「一緒になって全然問題ないということになっています。」と。これは昨年5月の段階でもそういう形ではっきりと活字にされている。
 ことし1月の、愛知の「愛歯月報」によりますと、県の歯科医師会と日歯連の区別は、「規則上そうしたわけで、入退会が自由になったわけではない」と答えているわけです。これは峻別がまともに行われていない証拠でありまして、だから直らないんですよ。
 ですから、やはり大臣がおっしゃったんですから、人も区別する、場所も組織も区別する、はっきりそういう指導をするということをおっしゃっていただかないと全然直らないんじゃないですか。
○坂口厚生労働大臣 先ほど申しました3点につきましては、これは徹底をしなければいけないので、そういうふうにしたいというふうに思っております。各都道府県の中には既にされているところもあるわけでありますから……(佐々木(憲)委員「1つか2つですよ」と呼ぶ)全体から来なかったからそれは全部だめだというわけではないというふうに思っておりますが、今後も徹底をしたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 ところで、坂口大臣は、2001年11月の答弁で、日歯、日医に関連して、「いわゆる政治連盟からの献金につきましては、少なくとも私は、この大臣に就任中はどんな形であれ受けない」と答弁されているわけですけれども、これは事実ですね。
○坂口厚生労働大臣 そういうふうに言いましたかどうか、記憶いたしておりませんが、何かの記録に残っておればそういうことだと思います。
○佐々木(憲)委員 何かの記録ではなくて、議事録に残っているわけでございます。
 ことしの2月16日の答弁でも、大臣は、歯科医師からの政治献金という形では今までいただいたことはないというふうにおっしゃっている。どんな形であれ献金は受け取らないとおっしゃっていたわけです。本当に全くないのかどうか、確認をしたいと思います。
○坂口厚生労働大臣 政治献金という形ではいただいておりませんけれども、パーティーを行いましたときに、パーティーには多くの歯科医師の方もお越しをいただきますしいたしますので、パーティーにおきましてはちょうだいしていると思います。
○佐々木(憲)委員 パーティー券の購入も政治献金の一種であります。これはもう、法律上、そういうふうにみなされているわけでございます。
 この日歯連の政治資金収支報告書を見ますと、坂口大臣は100万円の献金を受けた、これはパーティー券の購入ですよ、というふうになっていますね。これは事実ですね。
○坂口厚生労働大臣 そういうふうになっているというふうに報道されているんですが、現実は違いまして、これは日歯だからという意味ではございませんで、どんな団体であれ、1カ所から多くの皆さん方にお願いをするということはいけませんので、2万円のパーティーであれば10枚分、20万以上はちょうだいをしないということで制限いたしております。これは日歯だからという意味ではなくて、全団体に対してそうでございます。
 それは調べましたところ、日歯の方からパーティー券代として100万円振り込みをしていただいたようでございますが、私の方は、こういう趣旨でパーティーをやっておりますということでお返しを申し上げたということでございます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、2回パーティーをやって合わせて100万円だったけれども、1回分は20万以上はもらわないということで60万円分返した、こういう説明ですね、今のは。そういうことですね。
○坂口厚生労働大臣 2回パーティー、地元とこちら東京とでございましたので、20万ずつちょうだいをした、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 ということは、60万円分返した。つまり、100万円出したというのは、日歯連の政治資金収支報告書に明確に書かれているわけでございます。今、60万円返したと。60万円というのは、この日歯連の報告書には記載されていないんです。返したという訂正がないんです。ですから、本当に返したかどうか。何の記録もないんですよ。一体これはどうなっているのか。
 20万円以上はもらわないとおっしゃいましたが、私、坂口大臣の後援会の収支報告書を見せていただいたんですが、これによりますと、2002年には、三重の県歯連から30万円、それから、三重の県医連から64万円、2001年には三重の県歯連から34万円もらっている。パーティー券は20万円以上もらわないとおっしゃいましたが、20万円以上ちゃんともらっているじゃありませんか。
 これは、どんな形であれもらわないと言ったことと違うし、パーティー券は20万円までだと言ったのとまた違う。全然違うんじゃありませんか。
○坂口厚生労働大臣 私が先日申し上げたのは、日歯連の話を申し上げたわけでありまして、そして、それはお返しをしましたし、お返しをした証拠はきちっと、いつ幾日、どこどこの銀行からどこどこへ振り込んだということも明確にいたしておりますから、それはもう間違いのない事実でございます。
 向こうの日歯連の方にも、こういうふうにいたしておりますということを申し上げました。日歯連の方は、そうでしたね、しかし今、帳簿がございませんので、今ここで確認するわけにはいきませんけれども、よくわかりましたということでございました。これは明確にいたしておりますので、決して事実と反するところはございません。
 それから、あとは、地方のお話は、地方の医師会や歯科医師会の皆さん方がパーティーをやってくれることがあるわけでありまして、それは、地方の皆さん方がお出しいただくものと中央の日本歯科医師会とは、これはまた違うというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 返したとおっしゃいましたが、60万円の、返されたという記載は日歯連の報告書には記載されていないわけですから、これは、記載漏れか、あるいは返していないか、どちらかなんですね。
 それから、地方は違うとおっしゃいましたけれども、しかし、これは、厚生労働大臣として所管をする、そういう対象ですから、それは日本全体の日歯連だけであって各県連は違うんだ、こういうことになりますと、これはもう幾らでも抜け道ができるわけでありまして、「いわゆる政治連盟からの献金につきましては、少なくとも私は、この大臣に就任中はどんな形であれ受けない」、「どんな形であれ受けない」という答弁と全くこれは反している、実態は。そのことを事実上お認めになっているわけであります。これはとんでもない話であります。
 そういう点で、やっていることと言っていることが随分違うわけでありまして、峻別の問題についても、国会答弁をしていながら、実際にはなかなかそれが実行されていない。そういう点で、私は、本当にこれは厳密に今後ともやっていくように、徹底的に監視をし、また、追及をしていきたいということを申し上げて、時間が参りましたので、終わります。

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