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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税, 法人税)

2009年02月27日 第171回 通常国会 財務金融委員会≪締めくくり総括質疑≫ 【497】 - 質問

麻生総理が「来年の通常国会にも消費税増税法案を提出」と答弁

 2009年2月27日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、消費税増税法案の提出時期について、麻生総理の認識をただしました。

 20日の財務金融委員会で、与謝野馨財務・金融・経済財政担当大臣は、消費税増税法案を早ければ来年の通常国会に提出すると答弁していました。
 麻生総理は、「与謝野大臣と同じ」と述べ、法案提出を認めました。
 佐々木議員は、2008年10月30日の「追加経済対策」の会見で、麻生総理が「3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と発言したことが、2009年度税制「改正」法案に2011年度までに消費税増税のための法制上の「措置」をとると盛り込むきっかけとなったと指摘しました。
 そのうえで、佐々木議員は「財務大臣や経済財政担当大臣と打ち合わせをした上での発言か」と問いました。
 麻生総理は「していない」と答え、自らの判断で消費税増税を持ち出し主導したことを明らかにしました。
 佐々木議員は、消費税増税は、次の総選挙で選ばれる議員が決めることになると指摘し、「今年の総選挙の争点として国民に増税に賛成か反対かの選択を仰ぐのか」と追及しました。
 麻生総理は、年金などの財源として「負担をお願いしている」と否定しませんでした。
 与謝野大臣が、基礎年金の2分の1国庫負担の財源として、増税が必要と述べたのに対して、佐々木議員は、定率減税廃止分を年金財源にあてるとしながら、5分の1しかあてていない実態を突きつけ「一つの証文で二度借金を取り立てることと同じ」と批判しました。
 佐々木議員は「消費税増税は絶対に認めるわけにいかない。総選挙の最大争点とするなら、我々は国民に厳しく問いかけてたたかう」と強調しました。

 また、この日の委員会において、2009年度予算関連法案の採決が行われました。採決に先立ち、佐々木議員は、反対討論を行いました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 麻生総理にお伺いしますけれども、今回提案されている国税法、これの附則に消費税の増税の問題が書き込まれております。そのきっかけをつくられたのが総理だったと私は思います。昨年の10月30日の追加経済対策の記者会見、そのときに麻生総理は、3年後に消費税引き上げをお願いしたい、このように明言をされました。
 景気対策の発表というタイミングで、増税、庶民に負担を負わせるということを、3年後であったとしても、ここに発言をされるということは、私は、景気対策ということからいいますと、消費者心理に水をかけるようなもので、これはマイナスではないかというふうに思いますが、なぜあのタイミングでああいうことをおっしゃったんでしょうか。
○麻生内閣総理大臣 基本的には、これはもう佐々木先生の前で何回か申し上げたと思いますが、私は、今回のいわゆる世界的な不況の中にあって、これから抜け出す間、これは全治3年ということを申し上げたんですが、財政政策として、短期は大胆にやります、そして中期的には責任ということを申し上げたんだと思って、これは繰り返し申し上げてきております。
 したがいまして、大胆な財政出動、少なくとも88兆円というようなこれまで例がないような大きな予算を組んで出し、その中にはいろいろな経済対策75兆円、これは一次、二次の補正を含めましての話、75兆円のものを出す。そういったものを出す以上、ばらまきだ、先はどうするんだという話に必ずなりますので、そういった意味では、我々はきちんとそれに対して責任をとるという姿勢を出しておくのが当然のことだと思います。
 また、中福祉と言われますから、私、中福祉はかなりほころんでいるところも多いように見受けますけれども、中福祉と言うのであれば、これは今のような小負担ではとても賄えませんので、少子高齢化が進んでいく中にあっては、中負担というものをお願いしない限りは中福祉は持続的にはあり得ない、私自身はそう思っております。
 したがいまして、増税というのはだれでも好きな話じゃありませんけれども、少なくとも景気がよくなったら、この3年間で景気をきちんと立て直すという最大の努力をいたしますけれども、その結果、景気がきちんと立て直るような状況になった段階ではぜひ中負担をお願いしたいというのが申し上げた背景であって、財政出動をする以上は、それに対してきちんとした責任を先にはとるんですということを申し上げるのが責任だと思ったからであります。
○佐々木(憲)委員 私は、消費税というものを財源として選択することは逆に、社会保障という考え方、国民に対する福祉という点から考えますと、これは逆行する税制であるというふうに思っております。財源は別なところから確保すべきだというふうに思っております。
 そこで、あのときの、3年後に消費税を上げる、そういう発言は、財務大臣の中川大臣、あるいはお隣にお座りになっている経済財政担当大臣の与謝野大臣、こういう方々と事前の打ち合わせの上で発言をされたのか、それとも麻生総理自身の御判断で発言をされたのか、どちらでございましょうか。
○麻生内閣総理大臣 基本的には、細目3年後に何とかと、消費税をいずれ上げねばならぬというお話は皆ほぼ同じ思いだったとは思いますけれども、全治3年、3年後というのは私の信念から申し上げております。
○佐々木(憲)委員 事前に打ち合わせなく発言をされた、こう理解してよろしいですね。
○麻生内閣総理大臣 私は、3年後に景気がよくなった段階で消費税をお願いしたいというような表現をしたと記憶いたしますが、少なくとも、今名前を挙げられました当時の財務大臣、当時の経済財政担当大臣と事前に細目細かく詰めたわけではございません。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、これは、財務省も全くそういう発言をされるということは知らなかった、与謝野大臣も知らなかったということで、そういう形で総理が発言をされたわけですね。与謝野大臣に先日、この点について私も質疑をさせていただきました。相談はなかったとおっしゃっていました。
 与謝野大臣の書かれたある雑誌の3月号では、「「3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と言いだしたのである。この時は私にも財務省にも何の相談もなし。」「私も会見の時に麻生総理の隣にいて「このおじさん、いったい何を言い出すんだ」と驚いたぐらいなのだ。」と。これは何か親しみを込めておっしゃったということらしいんですが、どうも、隣に座ってそういう発言をこのおじさんというふうに言ったということなんですが、ともかく、大変周りの大臣すら驚くような、3年後に消費税ということを一体このタイミングで言い出すということは、非常にびっくりしたということであります。
 それで、与謝野大臣、手をさっきから挙げておられますが、何か言うことがありますか。
○与謝野財務・金融担当大臣 かりそめにも、おじさんなどという表現を使ったのを恥じ入っておりますので。
 それから、これは総理が独断で言われたということになっておりますけれども、私どもも財務省も願いとして、言っていただきたいという願いは長年持っておりましたので、言っていただいたので、やはりこういうことを言うというのは大変勇気の要ることでありまして、党に参りましたら政調の関係者は、麻生総理はガッツがあるな、そういう評価をいただいたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 何かいろいろ整合性をとろうとして努力をされているのはよくわかりますけれども、突然言い出してびっくりしたということは実際上のお気持ちだろうと思うんですね。
 その麻生総理の、いわば独断専行型のという感じで発言をされたことが、昨年の12月24日の中期プログラムの中に書き込まれ、そして今度は、提案されている法律の中に書き込まれる。そういう形で、今度の所得税法等改正案の附則104条、遅滞なく、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度、つまり2011年度までに必要な法制上の措置を講じる、こうなっているわけですね。2011年4月1日から消費税引き上げが実施し得る状況をつくる、そのためにはあらかじめ法案を提出する、こういうことだと思うわけです。
 ということは、もちろん、その実施の時期あるいは実施の税率の幅、これは別途定めるということになってはいても、消費税を上げるというその法案は、2011年4月までの前の段階で国会に提出をし、それを通したい、こういうことだろうと思うわけです。
 先日、与謝野大臣にも御質問いたしましたら、大臣は、遅くとも再来年、2011年の通常国会、場合によっては来年、まあ来年の通常国会だろうと思うんですけれども、そういうタイミングで出す必要があるというふうに御答弁がありました。当然、総理もそういうタイミングを考えておられるんだと思いますが、まず総理の発言をお聞きしたいと思います。
○与謝野財務・金融担当大臣 日本共産党としては、消費税の部分を強調されたいと思うお気持ちは十分わかりますけれども、実は、何をやるかというのは、税制の抜本改革というものをやるということを言っていまして、それは当然消費税も含まれた税制の抜本改革ですということを言っているわけです。
 それはお気持ちとして、消費税を強調されたいというお気持ちはわかりますけれども、税制抜本改革をやるということがもう日本の社会としては避けて通れないことだ、この点はぜひ、日本共産党においても御理解をいただけないかなと思っております。
○麻生内閣総理大臣 税制抜本改革の中の一つに消費税がある。法人税も所得税も相続税もいろいろありますので、そういったものを含んでやらなきゃいかぬ、これはもう前々から出ていた話ですから。今、よく言われております貧富格差の問題を含めまして、これは共産党の非常に関心のおありになるところだと思います。したがって、我々が消費税だけをやろうとしているように、そういうように持っていきたいという気持ちも私もわからぬわけではありませんけれども、そうじゃないんですよということだけは私どもとしても言わせていただかぬと公平さを欠くと思いますので、言わせていただくのが一点。
 それから、景気がよくなるというのが私どもにとっては最大の眼目なんです。これがよくなって経済のパイがある程度大きくなるようにしないと、やりたいこともやれないことになりますので。ぜひ、そういった意味では、先ほど中川先生の御質問にもありました、国際金融の中で日本だけといったって、これはみんなの中におりますので、なかなかそう簡単にいく話ではありませんけれども、少なくとも我々としては、そういった状況ではありますけれども、きちんとしたものをやらないと、日本の税体系として財政の体系としてもたないという感じがいたしますので、きちんとした形で、少子高齢化という状況が避けられない、勤労者より高齢者の数がどんどんふえていくという状況になってまいりますと、我々は、持続可能な状況というものをきちんとつくり上げていくためにはということが前提で申し上げさせていただいております。
○佐々木(憲)委員 税制の抜本改革ということをおっしゃって、その中には消費税も法人税も当然あるでしょう。「消費税を含む」とわざわざつけて税制の抜本改革とおっしゃっているわけですから、ですから消費税というのが非常に目立つわけでございます。
 この内容を見ますと、法人税は下げますということを検討しよう、消費税は上げますということを検討しよう、そういうことが法律にも書かれているわけですね。だから我々は、その中身がおかしいじゃないか、こういう批判をしているわけです。
 それからもう一つ、タイミングのことについて今総理にお聞きしたんですが、実施はいつからというのは別なもので別途決める、しかし法制上の措置をとると。その法制上の措置をとるという法律、これは遅くとも再来年、早ければ来年、国会に出す、これは与謝野さんはおっしゃっていますが、総理も当然そういうことで主張をされている、こう理解していいですね。これはもう与謝野さんにはお聞きしましたので、総理に。
○麻生内閣総理大臣 与謝野大臣と同じであります。
○佐々木(憲)委員 この増税法案、消費税を上げますという法案を、来年の通常国会あるいは遅くとも再来年の通常国会、こうなってまいりますと、だれがそれを決めるのかということですよ。
 今、我々ここにいるメンバーは、その前に全員一度議員ではなくなるわけです。次の選挙で選ばれる議員がその消費税増税法案に賛成するのか反対するのか、これが国民によって選ばれてきて国会で法案の取り扱いについて賛否を決めていく、こういうことになるわけですね。
 したがいまして、次の総選挙、これはいつになるかは、確かに解散は総理大臣の専権事項でありますのでわかりませんけれども、しかし、9月までには解散あるいは任期満了選挙、こうなりますね。必ず、この消費税を含む税制抜本改革というものの内容、つまり、我々から言わせれば消費税の大増税ですけれども、この大増税を選挙戦の争点として当然打ち出してくる、その選択を国民に仰ぐ、こういうことになると思うわけですけれども、総理はそういうことで提案をされているというふうに理解してよろしいですね。総理の決断、総理の考えを聞いているわけでございます。
○与謝野財務・金融担当大臣 国民年金法という法律があります。この附則に、基礎年金の国庫負担3分の1を2分の1にするということが書いてあります。さらに、安定財源を求めてそういうことをするということが書いてあります。この法律の附則はだれに責任を課したのか。これはやはり、行政府にも課していますし立法府にも一定の行動を促しているというふうに考えることが私は自然だと思っております。
 ですから、国民年金法というのは、2分の1に上げなさいよ、安定財源を求めなさいよ、この二つのことを、やはり行政府にもその責任を課しているし立法府にもそのような行動を促していると解さざるを得ない。今回のこの税法の附則も同じような趣旨で書かれているというふうに私は思っております。
○麻生内閣総理大臣 今、法律というものをきちんとして、我々は将来に対して、少なくとも、年金の国庫負担二分の一というのをこの4月から実行するわけですけれども、その実行を持続的にやっていくためには安定した財源が要る、これはもうはっきりしていると思います。
 その財源というものを考えたときに、我々は、少子高齢化の世の中にあって広く薄く負担を求める、中福祉を求めるなら中負担ということで今回の話を決めさせていただいたというように、今お願いをしているその背景は、今与謝野大臣から説明を申し上げたとおりであります。
○佐々木(憲)委員 つまり、次の総選挙では、消費税を上げてそれを賄うんだ、そういうことで選挙をやるということだと思いますね、今の御発言は。
 そこで、平成16年度税制改正大綱というのが手元にありますが、これは自民党、公明党が合意をされてつくられているわけでございます。
 その内容を見ますと、年金課税の適正化、国庫負担の割合の引き上げに充てると。何を充てるか。定率減税の縮減、廃止、これによって基礎年金に対する国庫負担割合の引き上げに必要な安定した財源を確保する、こうなっているわけです。
 つまり、定率減税の廃止というのは本来、2分の1に国庫負担をふやす財源として充てるはずだったんです。ところが、それがいつの間にか、庶民に住民税、所得税の大増税だけは押しつけた。2兆8千億円、国税を取り上げた。一体どこに行ったんですか。2分の1の財源に充てる、ちょうどいい財源だとだれかが言っていましたよ、与党の幹部は。ところが、それさえ、国民から取り上げたけれども、5分の1しか充たっていないんですよ、2分の1の部分に対しては。まだ足りない、当面は埋蔵金で充てるけれども3年後は消費税の増税で充てるんだ、今のお話はそういうことですよ。
 だから、結局、年金の2分の1の引き上げの分の財源だというその理由も、定率減税の廃止のための理由として使われ、今度は消費税を上げるための理由として使われている。一つの証文で二度借金を取り立てるという話がありますけれども、本当にそういうようなことと全く同じであります。
 ですから、私は、今回の消費税の増税ということは絶対に認めるわけにいかない。これは過去の経緯からいっても、あるいは逆進性という点からいっても、中小企業の営業を破壊するという点からいっても、絶対に認めるわけにはいかない。総選挙の最大争点として、総理がそのようにおっしゃるなら、我々としてはその問題を国民に厳しく問うて選挙戦も戦いたい。
 以上で終わります。
○与謝野財務・金融担当大臣 日本共産党の御主張はよくわかりますが、実は、消費税はもともと、累進性、逆進性の論議の対象にならないと私は思います。しかも、給付とあわせて考えますと、低い所得の方の方が高い給付を受けるということで、給付とあわせて考えると全く共産党と違う結果が出ますので、そのこともぜひ御研究をいただければと思っております。
○佐々木(憲)委員 最後にそのように言われたので一言だけ言っておきますが、給付とあわせると言いますけれども、まず第一に、今まで社会保障の給付がどれだけ削られてきたか。どんどん削られてきて、増税だけ押しつけられてきているというのが現実です。これから社会保障をふやすと言いますけれども、では、2200億円、毎年自然増を縮減してきたこの路線は変わらないんでしょう。撤回すると一度も言っていないじゃないですか。それでいながら、ふえるふえるというのは、これは幻想ですよ。しかも、高齢化が進めば、高齢者、年金を受け取る人がふえますから、そうすれば、自然増でそれはふえるに決まっているんです。しかし、一人当たりのお年寄りの受け取る金額、これは実際上減らされているわけじゃないですか。年金の100年安心と言ったのが直ちに崩壊して、今、給付そのものも削られてきているわけですね。
 ですから、そういうことを前提に考えますと、また消費税を取って、年金だ社会保障だと言いながら、実際には社会保障を改悪し、増税だけを押しつけるものだと、最後に言われたので、一言だけ反論させていただいて、以上で終わります。

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