2004年03月30日 第159回 通常国会 財務金融委員会 【236】 - 質問
信金・信組の乱脈融資問題 甲府信金の不正をただし被害者救済を
2004年3月30日、佐々木憲昭議員は、財務金融委員会で、甲府信用金庫の問題を取り上げました。
甲府信用金庫をめぐって、融資の実行や預金口座の開設の際に本人確認を怠ったために、知らない間に債務者にさせられるなどの事件があいついでいる問題について、佐々木議員は金融庁の対応をただしました。
被害者や支援者19人が傍聴席で見守るなか、佐々木議員は、具体的例のひとつとして山梨市の古屋嗣雄・芳子さん父娘の事件を取り上げました。
古屋さんは、知人の会社社長によって勝手に預金口座を開設され、その口座を使った融資を繰り返されました。融資はすべて当時の塩山支店長が専決で行い、古屋さん名義で融資された資金は、会社社長が自分の会社のために流用しています。ペーパーカンパニーを使った迂回融資や、無断で保証人にさせられていたものを含め、不正融資は1億1600万円にのぼります。
ところが甲府信金は、不正を認めず、融資の返済を古屋さんに求め、自宅などに競売をかけてきました。
佐々木議員は、名前が誤記された預金通帳や、職業欄の会社名が間違った融資申込書などの資料を示し、「本人が書いたのなら絶対に間違うはずがない」と強調し、金融庁が事務ガイドライン違反として調査・是正指導をするよう求めました。
五味廣文金融庁監督局長は、甲府信金に対して事実関係を事情聴取していることを明らかにし、「いただいた資料は、今後の監督の参考にする」と述べました。
また竹中金融担当相は、一般論としつつ「業務運営の適正性に疑義がある場合は、責任を持って報告・業務改善を求める」と答弁しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
きょうは、信用金庫、信用組合の問題についてお聞きをしたいと思います。
信金、信組は、これまで地域密着型のいわば顔の見える金融機関として、大変大きな役割を果たしてきたと思います。しかし、この間、信金、信組の数は大きく減少しております。
まず、数字を確認したいんですが、2001年3月から最近までの3年間で、信金、信組の数はどうなったでしょうか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 申しわけございません。いつからとおっしゃいましたでしょうか。
○佐々木(憲)委員 2001年3月です。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 2001年3月におきます信用金庫の数は386金庫でございます。それで……(佐々木(憲)委員「300」と呼ぶ)失礼いたしました、2001年4月でございますね。2001年の当初、2001年4月の信用金庫数が371金庫でございます。それから、15年度でございますから2003年4月の信用金庫数が、326金庫でございます。
それから、信用組合でございますが、2001年4月の頭の信用組合数が280信用組合。それから、2003年の4月当初、年度当初の信用組合数が191でございます。
○佐々木(憲)委員 一番新しい数字、私、調べまして、2003年12月の数字でいいますと、信用金庫が314、信用組合が188、合わせて502。2001年4月の段階の、今おっしゃった数字を合わせると651でありますので、149マイナスになっているわけです。それだけ減ったわけです。23%のマイナスというわけですから、小泉内閣になって、信用金庫、信用組合の減少は破綻も含めて極めて多かった。
きょう報告がなされました破綻処理の報告ですけれども、この中にも91の管理命令を受けた一覧表が示されているわけです。このことは大変重大でありまして、地域経済が中小企業を中心に成り立っておりますが、その中小企業にとっても大変マイナスの影響が生まれております。目の前の信金、信組の支店がつぶされた、サービスが低下した、厳しい査定で中小企業がつぶされる、RCC送りになるというようなことが次々と起こっているわけであります。
金融庁は収益性を強調しまして資産査定を厳格化し、引当金を積み増しさせるということで信金、信組を追い込んできたと言わざるを得ません。その結果がこの数字にあらわれているんだと思うんです。いわばつぶすための検査は厳格にしたけれども、この信金、信組の法令遵守の体制あるいは内部管理体制のあり方、こういう点でまともなチェックが行われてきたのかどうかというのも大変重大でありまして、私はきょうはこの点をただしたいと思うんです。
今まで金融庁は、何度も通達を出すあるいはガイドラインをつくりまして、融資を行う場合に、不健全な融資先に対しては融資をしてはならない、あるいは社会的批判を受けるおそれの強い融資は慎むように、こういうことを言ってまいりました。さらに、融資を行う場合には、どのような事業計画なのか、資金を何に使うのか、返済の財源、方法はどうなっているのか、これをきちっと審査をし管理するという体制ができているかどうか、あるいは、融資を実施した後もそれらがしっかり行われているかどうかを確認する、こういうことを掲げてやってこられたわけであります。
融資手続が例えば本人抜きで第三者によって勝手に行われるというようなことがないように、これをしっかりと監督するというのは当たり前でありますが、まず大臣にこの点で、こういうことをきちっと行うというのはガイドラインの基本精神でありますが、大変重要だと思いますけれども、まず基本姿勢をお聞きしておきたいと思います。
○竹中金融担当大臣 佐々木委員のお尋ねは、まさにコンプライアンスが銀行にとって極めて重要であろうというお尋ねでありますが、我々は全くそのように思っております。
我々の、金融庁の顧問であります久保利弁護士、この面での日本の権威でいらっしゃいますが、金融というのは、取引も、また行政もコンプライアンスの塊である、その法理的な手続そのものをしっかりと法令遵守の精神をもってやっていくことが基本であり、また極めて重要なことであるというふうに認識をしております。
○佐々木(憲)委員 もう少し具体的に聞きますけれども、例えば、本人が全く知らない間に口座が開設されていたなどということは、これは当然規制されなきゃならぬ対象だと思いますが、いかがでしょうか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 御説明いたします。
金融機関につきましては、平成15年の1月から、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律によりまして、預金口座の開設に際しましては、顧客について氏名、住所、生年月日の確認を行わなければならないというようにされております。また、預金口座を開設しようとする顧客の側においては、この法律におきまして、これらの事項について偽ってはならないという規定がございます。
この法律を受けまして、金融庁といたしましても、15年9月、事務ガイドラインを改正いたしまして、本人確認など預金口座の不正利用の防止に資するための内部管理体制が構築されているかどうかについて、金融機関の健全性に関して報告を求める場合の着眼点ということで規定をしたところでございます。
○佐々木(憲)委員 今、15年1月の法律で本人確認の重要性について法的には決められたと。その以前の段階は、どういう規制が行われていたんでしょうか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) それ以前におきましては、マネーロンダリングの防止に関しますさまざまな議論の過程の中で、通達の形で規制がございます。
最初は平成2年10月1日でございますが、これは平成2年の6月に出ました通達におきまして、平成2年10月1日から、この場合の規定の仕方は架空名義預金及び特別定期預金、いわゆる匿名預金の受け入れについて引き続き自粛する、そして、口座の開設等を行う場合には公的または他の信頼できる証明書類等に基づき本人確認を行うよう努めなければならない、こういう通達がございます。
その後、サミットなどでこのマネロンの議論というのが進展をいたしましたのを受けまして、新しい通達ができました。平成4年の7月1日からはこの規定が改定をされております。それによりますと、口座の開設の際には本人確認を行わなければならないというように通達で規定がございます。
○佐々木(憲)委員 それでは、今、本人確認あるいはコンプライアンスの問題、これは大変重要であるということは言われましたが、仮にこういうことがあるというルールに違反する情報を寄せられた場合、その場合には当然、検査の際に、念頭に置いて検査を行うということになると思うんですけれども、それはいかがでしょうか。
○佐藤政府参考人(金融庁検査局長) 金融機関の業務の中で、問題のある業務運営が疑われるようなケースについて情報が寄せられた場合でございますけれども、一般的に、そういう情報が寄せられたケースで金融機関に対する検査に立ち入るという場合には、検査を受けている金融機関に関する、その他の情報を入手いたしますので、その他の情報も含めまして業務または財産の状況について実態把握に努めるということになろうかと思います。
一般論として、仮に今おっしゃったような情報が寄せられた場合には、それを参考にするということが通例であろうかと思います。
○佐々木(憲)委員 それで、具体的な事例についてこれから紹介をしたいと思うんですが、今、ルールが定められていて、そしてまた検査の際にもそういうことがないようにということを念頭に置いて行うということで対応していると言われました。
そこで、具体的には、きょう取り上げたいのは、甲府信用金庫をめぐって相次いで起こっている事件であります。甲府信金では、融資を行う際あるいは預金口座を開設する際に、本人確認を行わず、トラブルになっている事例が相次いでおります。その中には、支店長が第3者と共謀して迂回融資した疑いのある事実もあります。
具体的に紹介をしておきたいと思うんですが、山梨県甲府市に住む古屋嗣雄さん、芳子さん親子の事例であります。
事件が始まったのは1995年、平成7年のことであります。当時、嗣雄さんは74歳、長年地元でスーパーまるいちというのを営んでおられました。このスーパーは、隣接する長屋で店舗を4軒貸しておりました。そこへ、当時、娘の芳子さんがつき合っていた造園業を営む社長、これはNさんと言っておきますけれども、このN社長が、スーパーと長屋を解体してビルに建てかえる話を持ち込んできたわけであります。嗣雄さんは、建てかえのための書類だというN社長の言葉を信じまして、言われるままに、たくさんの白紙の書類に署名捺印をしました。この書類が後々一連の不正融資に使われることになるわけです。
N社長は、嗣雄さんに無断で預金口座を開設しております。皆さんにお渡ししたこの資料でありますが、この資料の一ページ目を見ていただきますと、これはN社長が勝手につくった預金口座の取引明細書であります。甲府信金塩山支店が発行したものであります。一番上の名前の欄に注目していただきたいんですが、これはフルヤツギオとなっております。古屋さんの名前はツグオであります。ですから、本人がつくった口座なら、こんな名前を間違うはずはありません。この預金口座が一連の不正融資に使われたわけであります。
スーパーの建てかえの話は実行されませんでしたけれども、融資は、店舗、借家解体資金として、1996年9月2日に実行されました。
資料2を見ていただきたいんですけれども、8月30日付の1200万円の融資申込書であります。右上の業種・職業欄に有限会社まるいち代表と書かれております。しかし、こういう会社はないわけでありまして、正しくは有限会社古屋商店代表と書くべきであります。本人が書いたのなら、絶対にこれは間違うはずはないわけです。
コピーでわかりにくいんですけれども、この融資申込書の題字の下に、「専決」と、少し薄いですけれどもそういう文字があります。つまり、この支店長が、これはUという支店長ですけれども、この支店長が専決で実行した融資であります。つまり、本人確認もなく勝手に口座をつくり融資を行う。融資した金はN社長が自分の会社の資金として使ってしまっているわけであります。本人確認もなく口座が開設されている。しかも、名前も不正確で、融資も第三者が手続を行い、資金使途以外に流用されているわけであります。
そこでお聞きしますけれども、これははっきりルールに違反しております。ガイドライン違反ではないかと思いますけれども、あるいは法律違反に当たると思いますが、いかがでしょうか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 私、お示しいただきました資料を今初めて見せていただきましたが、この案件と申しますのは、個別特定の金融機関と特定のお取引先との取引のお話ということでございますし、それから、これは裁判で、司法の場で係争中の案件だというふうにも伺っております。したがいまして、この件について、今の御質問にストレートにお答えすることはちょっと難しいと存じます。
ただ、一般的には、金融機関の法令遵守に関しまして、その業務運営の適切性に疑義が生ずるというような場合には、これは必要があれば銀行法に基づいて報告徴求命令を発する、あるいは、その報告の内容を精査した上で、さらに場合によれば銀行法に基づき業務の改善を求める命令を発するといったようなこともございます。
ただ、本個別の案件については、今申し上げましたような事情がございますので、ちょっとコメントを控えさせていただかざるを得ないと思います。
○佐々木(憲)委員 私は、具体的な事実を示しまして金融庁の監督検査の姿勢について今伺っているわけでありまして、裁判で係争中ということは、それは裁判でやってもらえばいいわけでありますが、具体的な事実を示しましてこのような疑いを提起しているわけです。これを受けとめて調査をするのは私は当たり前だと思っております。また後で具体的に聞きます。
このN社長とU支店長による不正融資というのはこれだけじゃありません。96年12月、N社長は丸政住建というペーパーカンパニーをつくりまして、この芳子さんを代表に据え、自分が監査役に就任したという形になっております。U支店長に丸政住建に融資をさせまして、このペーパーカンパニーを通じて自分の会社に融資金を迂回させ、事業資金として使い始めた。数回にわたって2000万円以上が融資されております。このような迂回融資も、これはあってはならない融資だと思うのですね。
次の年、97年の夏に、このU支店長は塩山支店から山梨市の加納岩支店へと異動いたします。ところが、その際に、古屋さんのこの口座の一連の融資もすべて加納岩支店に移動しているのですね。つまり、本人の異動に伴い、それも同時に移動している。これは極めて奇妙なやり方であります。
資料の3を見ていただきたい。
この資料3は、これは加納岩支店でつくられた口座の預金通帳でありますが、やはり名前がツギオとなっておりまして、これはツグオが正確なのに、こういう全く違う名前を記載しているわけであります。このN社長は、このツギオ名義の口座を自分のもののように勝手に使っていた。この加納岩支店で行われた99年7月6日の取引は極めて不正常なものであります。
資料4を見ていただきたい。
この資料4は払戻請求書、本人の名前に、実はこれは名前に違う漢字が使われております。古屋ツギ雄というのが、正確には下の欄外に書いてある漢字が正確なわけでありますが、実際には、上に書かれている文字は違う文字が書かれております。似ているけれども、違う。これは極めて異常でありまして、しかも、本人の判こもないまま、左側に「仮」として、4000万円が引き出されております。こういう形で次々と奇怪なことが繰り返されております。
資料5を見ていただきますと、これは合わせて1億1600万円になるわけですけれども、その内訳を言いますと、N社長の保証人にされたものが4320万円、融資として、古屋嗣雄融資分5000万円、それから丸政住建分として、これはペーパーカンパニーですが、2280万円、融資合わせまして7280万円、全部合わせまして1億1600万円になるわけです。
このような形で、本人が全く関知しないところでこういうことが行われ、そしてその後、本人に対していきなり返済を要求してくる。これは余りにもひどいわけであります。当人はショックのためにうつ病になりまして、2001年の11月に発作的に殺虫剤を大量に飲むという自殺未遂まで引き起こしているわけです。大変な被害者であります。
これは明らかに法令にもガイドラインにも違反した明白な違法行為だと思いますけれども、金融庁として当然調査すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○五味政府参考人(金融庁監督局長) 本件につきましては、当事者の方から役所の方へもお話がございまして、関東財務局におきまして、甲府信用金庫から事実関係等の事情聴取というのを行っております。行っておりますけれども、現在司法の場で争われているというようなお話でもございまして、いわばその場での御主張がそれぞれ出てくるということで、大変に隔たりがあるという状況でございます。
今いただきました資料はこれとしてちょうだいをいたしまして、今後の私どもの監督上のさまざまな決定をいたしてまいります際の参考にさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、内部管理体制に重大な問題があるというような認識を持ちました場合には、先ほど申しましたような監督上の適切な対応をとってまいるというのが一般的な扱いでございます。
ちょっとそれ以上のことは申し上げかねると。
○佐々木(憲)委員 今裁判という話をされましたけれども、しかし、金融庁はこの裁判になる前に訴えを聞いているんじゃありませんか。2001年8月22日に当事者から訴えを聞いて、関係資料を入手されているはずであります。
甲府信金に対する金融庁の立入検査は、その情報を得た後の平成14年、2002年2月5日から3月7日まで約1カ月間行われております。一体、この具体的な情報はどのように扱われたのか、生かされたのか握りつぶしたのか、そこをはっきりしてください。
○佐藤政府参考人(金融庁検査局長) 個別の金融機関の個別の取引に関する話についての検査のお話でございますので、具体的な言及は差し控えさせていただきたいと思います。
一般論として申し上げれば、金融機関に対する検査において、仮に法令遵守の体制あるいはリスク管理の体制に問題があることが明らかになった場合には、検査で指摘をするという対応をとっておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 検査で指摘をしていれば是正されていたわけでありますが、何も是正されていないじゃないですか、これだけ具体的な事例が、2001年の時点で既に資料も手渡されて、調査の依頼が行われていたにもかかわらず。検査のときには当然それを参考にしてやるというのが先ほどの答弁にあったでしょう。具体的なチェックが行われていない。そのために、私はこれは一例を挙げましたが、ほかにもたくさんあるんですよ。
例えば、山梨県甲府市在住の渡辺清美さんの件。これは、甲府信金国母支店の事例でありますが、支店が本人の確認を怠ったために、1997年6月、他人に預金口座を開設されて保険金をだまし取られた。勝手に口座を開設した男性は流用の事実を認めております。これは間違いないんです。
それから、山梨県南アルプス市在住の藤巻孝太郎さんの件は、甲府信金の竜王南支店の事案でありますが、これは名義を勝手に使われて本人の関知しないところで融資が実行され、債務の返済を迫られた。返せと言われて初めて知ったと。甲府信金は藤巻さん本人には一度も融資に関する確認をとらず、契約の際にも立ち会いも求めておりません。この点については裁判で争われて、今月17日に甲府地裁で判決が下されております。
判決は、「直接原告本人の意思を確認しないままに融資の手続を進めたのであると認めることができる。」こう認定をしまして、「実印が押捺されているというだけでは、これらの書類が原告の意思に基づき作成されたと認めることはできない。」としまして、「原告が本件貸金の借主であるとの被告の主張を認めることはできない。」と甲府信金の主張を否定し、債務は存在しない、不存在と認定をしたわけであります。
同じようなことがこのように次々と起こっているんです。これは、甲府信金が明らかに、融資の際のチェック体制あるいは口座開設の際の本人確認、こういうものをおろそかにしていたということを示しているわけであります。これだけ共通して起こっているわけですから、これは明らかに問題があるということはだれが見たってはっきりしているわけです。偶然起こったわけじゃないんです、これは。
当然、今、これだけ私が資料を提供しましたので、調査をし是正する、そういう姿勢をはっきりさせていただきたい。これは大臣に最後にその点を確認しておきたいと思います。
○竹中金融担当大臣 個別の取引については、これは局長も申し上げましたように、司法の場において係争中ということも含めて、コメントを具体的にはできないわけでありますけれども、金融機関においてコンプライアンスが重要だというふうに私申し上げましたけれども、コンプライアンスに関して、業務運営の適正性、健全性に疑義が生じる場合には、これは我々としても責任を持って、必要に応じて銀行法第24条に基づき報告を求めて、内容によっては銀行法第26条に基づき業務改善を求めること、これは我々の一貫した方針でございます。
裁判の係争中、まだいろいろ隔たりがあるということ等も個別にはあるようでございますけれども、一般論としては、我々としては厳格な立場で、疑義が生じた場合には必要に応じて24条、26条に基づきしっかりとした対応をしていくつもりでおります。
○佐々木(憲)委員 裁判は裁判、監督検査は、それはそれとして、金融庁の独自の責任というものがあるわけです。みずから決めたルールがあるわけです。それに基づいてしっかりとやっていただく。これは先ほど五味さんの答弁にありましたように、この資料を参考にして、今後それを生かしていきたいとおっしゃっているわけでありまして、私は、この事例はここまではっきりしているわけだから、はっきりした是正措置をとられるように要望して、質問を終わりたいと思います。