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その他 (同意人事)

2008年03月28日 第169回 通常国会 議院運営委員会 【448】 - 発言

議院運営委員会で人事官(人事院総裁)・谷公士氏の同意人事について意見表明

 2008年3月28日、衆議院本会議において、人事官(人事院総裁)・谷公士氏の同意人事について採決がおこなわれ、可決されました。これに先立ち、佐々木憲昭議員は、直前の議院運営委員会で、26日の議院運営委員会での日銀総裁・副総裁候補の所信表明と質疑に引き続いて、意見表明しました。日本共産党は、谷氏の同意人事に「不同意」の態度をとりました。

議事録

○佐々木(憲)委員 人事官の同意人事について、意見を述べます。
 人事院は、国家公務員制度に係る中立、専門の独立行政機関として、現行の国家公務員法が憲法28条が保障する公務員の労働基本権を制限していることへの代償機能としての役割を担うとともに、中央人事について準司法的権限もあわせ持っています。したがって、人事院を構成する3名の人事官は、その任務の重要性を自覚し、政府から独立し、中立の立場で職務を遂行できる人物でなければなりません。
 我が党は、前回、谷氏の人事官任命に当たって、郵政事務次官出身者ではありますが、そのことが直ちに人事官としての適格を欠くわけではないことから、その同意人事に賛成しました。
 再任に当たっては、人事官としての4年間の活動の評価が問題となります。
 谷氏は、前半の2年間は人事官として、後半の2年間は総裁として、給与改定に関する勧告や報告、意見の申し出に関与しています。
 この間、国家公務員制度をめぐる重大な問題の一つは、小泉内閣の構造改革路線のもと、2002年以来の公務員定員の一律削減、総人件費削減政策への対応です。先日の聴聞会でこの問題を谷氏に質問しましたが、自分の担当したことではないと、見解を述べませんでした。しかし、谷氏がこの4年間、人事官、人事院総裁としてやってきたことは、こうした政府の方針に沿った給与構造改革であります。
 2005年の勧告では、給与構造のフラット化と地域給の見直し、公務労働への成績、実績評価の導入を内容とする給与構造改革を勧告しました。これは、俸給表の水準を平均4.8%引き下げる一方で、その引き下げ分を原資として新たに地域手当を新設するもので、結局、地域間の賃金格差の拡大をもたらしました。
 さらに、2006年勧告では、給与の官民比較の事業規模を100人以上から50人以上に拡大しました。本来なら給与増とすべきところを、官民比較の見直しで、勧告なしとしたのであります。
 谷氏は、これらの改革は中立の立場で各方面の意見を聞いて自主的に行ったと言いますが、実際には、官民比較の見直しを求める三度にわたる閣議決定など政府圧力に迎合したものにほかなりません。
 したがって、内閣から独立し、中立の立場で労働基本権の代償機能を果たすべき人事官に谷氏を再任することには、到底賛成できません。
 なお、他の同意人事については、特に問題もないので、賛成とします。
 以上、意見表明を終わります。

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