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その他

2007年12月14日 第168回 臨時国会 本会議 【425】 - 討論

本会議で国会再延長に反対の討論

 2007年12月16日の衆議院本会議では、2008年1月15日まで31日間の会期の再延長が与党の賛成多数で可決されました。越年再延長は、14年ぶりで異例の事態です。野党は、こぞって反対しました。
 佐々木憲昭議員は、日本共産党を代表して本会議で「反対討論」をおこないました。

 第168回国会(臨時会)は、当初、2007年9月10日から11月10日までの62日間の予定でした。11月9日の本会議で、会期は12月15日まで35日間延長され、佐々木議員は、議院運営委員会で、延長に反対の意見表明をしました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、会期を31日間再延長することに反対の討論を行います。(拍手)
 福田内閣と与党が求めている会期の再延長は、自衛隊をインド洋に再派遣する新テロ特措法案を何が何でも成立させるためのものであり、断じて認められません。
 この間の審議を通じてはっきりしたことは、11月1日をもって撤収した海上自衛隊を再びインド洋に派遣する必要はどこにもないということであります。
 政府は、自衛隊のインド洋での給油活動をやめれば、日本の国際貢献が問われると繰り返してきましたが、とんでもありません。
 新テロ特措法案は、これまでと同じように、米軍などによる報復戦争、掃討作戦を補給支援するものであります。海上阻止活動を行う艦船への補給に限定すると言いながら、実際は、対アフガン任務を兼ねていればイラク空爆を行う米艦船でも給油できるというものであります。まさに憲法違反の海外での米軍戦争支援法であることは、審議ではっきりいたしました。
 しかも、政府は、この6年間のまともな検証を行っておりません。そればかりか、イラク戦争への転用問題では、都合の悪い資料を組織ぐるみで隠ぺいし、国会と国民に虚偽の説明をしてきたことさえ明らかとなりました。
 さらに、重要な問題は、新テロ特措法案がアフガニスタンの和平の探求に逆行するものだということであります。
 テロに対し報復戦争で対応してきたことが新たな憎しみと暴力を生み、アフガン情勢の泥沼化をつくり出したことは、この6年間で明らかとなりました。戦争でテロはなくならないのであります。
 カルザイ政権自身が、平和と和解のプロセスを探求し、テロリストではないタリバンを含む反政府勢力との政治的対話の道を模索しております。アフガン国会は、和平を進めるために、米軍などによる軍事掃討作戦の中止を求める決議を採択いたしました。
 今、日本がなすべきことは、こうしたアフガンの和平を促進する外交努力であります。その障害となっている軍事掃討作戦を中止せよとアメリカにきっぱり言うことではありませんか。総理が和平プロセスの推進は重要だと答弁しながら、民生支援と掃討作戦は車の両輪だと言うのは、全く矛盾しています。殺しながら助ける支援などあり得ないのであります。
 そもそも、今臨時国会は、さきの参議院選挙における国民の審判にどう向き合うか、これが問われた国会でした。
 国民は、安倍政権がことしの通常国会で幾つもの重要法案を与党単独の強行採決で押し通した問答無用の暴走政治にノーを突きつけ、貧困と格差の拡大をもたらした構造改革路線の見直しやアメリカ追随外交の転換を期待したのであります。しかし、安倍総理は、この国民の審判を省みることができず、結局、前代未聞の形で政権を投げ出しました。
 福田総理は、国民の目線と言いながら、実際は、安倍政権を踏襲してきたのであります。
 師走の冷たい風が吹きすさぶ中、国民は石油などの生活物資の値上がりに直撃され、寒さに耐え、灯油を節約している高齢者の怒りの声が聞こえてまいります。石油は米軍にただで供給するより国民にこそ供給すべきだ、この声に耳を傾けるべきではありませんか。
 また、繰り返される増税や医療、介護、年金のサービス低下と負担増など、塗炭の苦しみをなめているのであります。その上、消えた年金の解決も見えてきません。来年3月までに解決するという選挙公約は、完全に踏みにじられました。
 今、政府が最優先で取り組むべき仕事は、国民の暮らしを守る対策であります。国会を再延長し新テロ特措法をごり押しすることでは決してありません。
 今回の大幅かつ越年という異例の会期再延長は、もし参議院が新テロ特措法案を否決するか、60日以内に審議を終了しなければ否決とみなし、衆議院の3分の2の多数で成立させることまで考えたものです。
 新テロ特措法案は、参議院で徹底審議の上、廃案にすべきであります。国民世論を無視して、憲法違反の海外派兵を何が何でも強行するという横暴な姿勢をとるべきではありません。
 会期再延長は、我が国の議会政治に重大な汚点を残すことを厳しく指摘し、反対の討論を終わります。(拍手)

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