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金融(銀行・保険・証券) (保険会社の不払い)

2007年11月07日 第168回 臨時国会 財務金融委員会 【416】 - 質問

生保・損保会社の保険金不払い問題について質問

 2007年11月7日、佐々木憲昭議員は、財務金融委員会で、生保・損保会社の保険金不払い問題について質問しました。
 金融庁の調査では、現時点での不払い総件数が、生保・損保あわせて169万件、1291億円にのぼっています。
 佐々木議員は、その原因について「金融の自由化で外資が入り、競争が激化するなかで複雑な商品が開発される一方で、リストラで人員が減らされる。そのため、このような事態を招いたのではないか」と指摘しました。これに対し、渡辺喜美金融担当大臣は、明言を避けました。
 また佐々木議員は、昨年6月、不払い問題で業務停止処分となり、会長、社長が退任するなど603人の処分を出した三井住友海上火災の問題を取り上げました。
 今年7月に、やめたはずの前会長、前社長が、ほとぼりも冷めないのに「常任顧問」として復活しています。
 佐々木議員は「そういう点も踏まえて、調査完了後、金融庁として適切な処分が必要と考えるが、どうか」とただしました。
 渡辺担当大臣は「今年3月に公表している処分の基準、悪質性や積極性に再発防止に取り組んでいるかなどという観点から、判断をしたい」と答弁しました。
 最後に佐々木議員は、不払いの金額や件数が多い会社の社長、保険業界の団体責任者などを参考人として招致することを要求し、理事会で協議することになりました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 生保、損保の不払い問題についてお聞きをしたいと思います。この問題は、この間、大変大きな衝撃を与えておりまして、ある意味では底なしのような状況もあります。
 そこで、まず確認をしておきたいんですが、現時点での支払い漏れの総件数、合計金額、生保、損保、それぞれについてお答えいただきたいと思います。
○西原政府参考人(金融庁監督局長) お答え申し上げます。
 生保につきましては、この支払い漏れの調査、4月の13日を期限としていたわけですが、結局、そこまでに完了せずに、この9月末までに出てきたもの、これが38社中23社ございます。その件数でございますが、実を言いますと、そこまで完了していなくても途中まで出してきているというものもございますので、それを合計したところでは、件数で120万件、金額にいたしますと910億円となってございます。
 損保につきましては、ちょっと今手持ちがございませんので、調べまして、すぐお答えいたします。
○佐々木(憲)委員 損保は、事前にいただいた資料を見ますと、48社中26社で18万件、84億円と聞いておりますが、それでよろしいですか。
○西原政府参考人(金融庁監督局長) 19年6月末の公表ベースで集計したものでございますが、これによりますと、付随的な保険金の支払い漏れの件数と金額、これについて26社合計で、件数では49万5558件、金額でございますが、381億5900万円となってございます。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、これはかなり膨大な金額、件数でありまして、金額にしても1000億円を超えまして、1291億円ということになろうかと思います。
 渡辺大臣は、保険会社が保険金を払わないでどうするというふうにおっしゃったようでありますが、こんな保険金を払わない事態は極めて重大であると思うんです。なぜこういう事態が発生したか、どのような見解をお持ちでしょうか。
○渡辺金融担当大臣 この原因について、今いろいろな角度から精査をしておるところでございます。
 まず、生保各社から支払い漏れの調査報告の内容をもらっておりますので、これを分析しております。精査、分析に当たっては、単に支払い漏れの件数、金額の多い少ないだけではなくて、業務執行体制の改善がなされていたのかいなかったのか、そういう観点も含まれております。
 いずれにしても、こうした支払い漏れが広範にわたって行われたということを我々は重大視しているわけでございまして、再発予防措置とともに、今、精査、分析を進めているところであります。
○佐々木(憲)委員 この執行体制の問題もあろうかと思いますが、その裏に、金融自由化のもとで外国資本がどんどん入ってくる、そういう状況下で競争が非常に激化する、次々と金融商品が開発されて、非常にその中身が複雑になる。一方、競争の中でコストダウンのためにリストラが行われて、保険の販売員が商品を余りよく理解できないまま販売に走る。そういうようなことがこの間あったのではないかと私は思っております。
 やはり、そういう保険業界をめぐる構造的な問題、それから、それに対する政府の対応が果たして適切だったか、その辺は全体として検証する必要があると思いますが、大臣、どうでしょうか。
○渡辺金融担当大臣 金融ビッグバン以来、保険業界の競争が激化し、さまざまな商品の開発が行われてまいりました。業務執行体制において、その開発された商品の支払いを適切に行う例えばITシステムの整備などが行われていなかったという状況も報告をされてきております。
 いずれにしましても、こうした支払い漏れが、業務体制の改善の結果として厳しい調査が行われて把握されたものであるか、はたまた、業務執行体制の改善がいまだに行われずに改めて把握されたものか、こういった観点から、今、精査、分析を進めているところであります。
○佐々木(憲)委員 この生保の調査でありますけれども、先ほども御説明があった中でも、ことしの2月に、過去5年間にさかのぼって支払い漏れを調査し、4月13日を期限として報告徴求命令を発出している。ところが、13日には、完了したのは4社だけなんですね。完了しなかった会社が34社あった。そこで、今度は9月末に期限を延長して、それでも15社が調査を完了していない。完了したのは23社。なかなか、これはいつまでたっても終わらないわけであります。それで、現在もまだ完全にこの調査は完了していないわけですね。
 なぜこんなにいつまでも、報告徴求命令が出されているにもかかわらず完了しないのか、その理由は一体どこにあるのか、それを説明していただきたいと思います。
○西原政府参考人(金融庁監督局長) お答え申し上げます。
 実際にずれ込んでいる理由は何かということでございますが、例えば契約者への請求案内、これを行ったケースにつきまして、契約者等から回答がなかなか来ないということでその時間を要しているケースですとか、それから、住所が不明であるというようなことでその所在確認に時間を要しているというケースなど、いろいろなケースがあろうかと思います。
 しかしながら、いずれにいたしましても、この調査を完了していない生保会社につきましては、責任を持ってみずからいついつまでにやりますということを公表してございますので、その期限までには実態解明をしっかりやっていただき、それに対して適切な顧客対応をしていただいて、さらに実効性のある再発防止策を練っていただくということを期待しているわけでございます。
○佐々木(憲)委員 それにしても、169万件、1291億円というこの金額というのは余りにも膨大でありまして、本来、保険会社が契約者に払って当たり前のものなんです。払うべきものが払われていなかったわけであります。
 この金額の中で、実際に支払われた金額、これは一体どのぐらいあるんですか。
○西原政府参考人(金融庁監督局長) お答え申し上げます。
 9月末時点で調査を完了している生保につきまして、実際の支払いの進捗状況でございます。
 完了しております23社について見てまいりますと、支払い進捗状況は全体で73.7%の支払い状況、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 損保の支払い漏れについてもお聞きしますけれども、火災保険など取り過ぎの問題もありますが、基本的な調査は完了したというふうに聞いております。
 問題は、今、生保は70何%とおっしゃいましたが、損保の場合、これは申請してくるのを待ってというやり方ではなくて、私は保険会社の側が積極的に払うというのは当たり前だと思うんですけれども、この支払いのやり方というのは一体どのように行われているのか、お答えいただきたいと思います。
○西原政府参考人(金融庁監督局長) お答え申し上げます。
 支払い漏れの問題につきましては、それを調査する、それから分析をする、再発防止策を練るというだけではなくて、契約者に対して速やかな支払いということも私ども求めております。
 そうした中で、追加的な支払いを要する案件につきましては、請求を必要としないケース、これは、既に請求書はもらっているものの、重要な点について見落としていた結果、支払いをしていなかった、こういうものはわざわざ改めて請求をしていただく必要はございませんので、それについては速やかに支払うということだと思います。
 一方で、実際には必要な請求書とか診断書がなかったというケースについては、改めてそれを要求するということで、できるだけ早く必要なものの提出を求めるということで、それを受けた結果、速やかな支払いに向けた対応がとられるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 渡辺大臣にお聞きしますけれども、この責任のとり方の問題。この調査の結果を受けて、当然その後、適切な処分というのがやられて当たり前だと私は思っております。この金融庁の処分とは別に、保険会社が自主的に社内処分をやる、これは保険会社の内部の責任のとり方でありますが、関連役職員の減俸ですとか、あるいは会長、社長の退任とか、契約者の信頼を回復するために会社として行う、これは当然のことだと思いますけれども、この件についてどういう感想をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○渡辺金融担当大臣 社内処分というのは、各社が自主的に判断をされる問題であろうと思います。
 金融庁としては、社内処分に限らず、生保各社においてしっかりとした原因分析をまず行ってもらうこと、それにのっとった再発防止策を策定してもらうこと、そして迅速なお客様対応を行ってもらうことが大事であると考えております。
 各社の取り組み状況については、引き続き適切にフォローしてまいりますし、日常の検査監督を通じて着実な業務改善を促してまいります。
○佐々木(憲)委員 この社内処分で私はいろいろ問題があると思っておりますのは、責任をとった形になっているようで実はそうなっていないというのがありまして、例えば三井住友海上火災の場合、昨年6月に金融庁から不払い問題で業務停止命令を受けたわけです。それで、7月に金融庁に対して業務改善計画書というのを出しました。そのとき、同時に社内処分も発表して、取締役、執行役員43人、監査役4人、合わせて47人の処分を行う。一般社員を加えると総勢603人の大量処分を行ったということです。それから、コンプライアンス担当や損害サービス担当など一連の不祥事に深くかかわっていた役員3人は退職をした。
 昨年の6月の株主総会で、会長と社長は退任し、完全に会社から離れるということになっていたわけですが、実はおかしな事態が発生しておりまして、ことし7月になりますと、責任をとってやめたはずの前会長と前社長が常任顧問として復活をしている。常任顧問というのは、有給で社内に専用の顧問室を持っているんですね。そういう待遇を受けて、いわばほとぼりが冷めないうちに戻ってきているわけでありまして、これは非常に、私は、契約者に対して責任をとったような形をとりながら、実は表向きだけで、まあ、1年たったから戻りましょうということでは示しがつかないんじゃないか、そういう点も踏まえて、当然、この生保、損保の調査完了後、適切な金融庁としての処分というものを考える必要があると思いますが、大臣、最後にその点についてお伺いしたいと思います。
○渡辺金融担当大臣 金融庁の行う処分に関しましては、本年の3月に公表をいたしております。
 第一に、当該行為の重大性、悪質性、第二に、行為の背景となった経営管理体制及び業務運営体制の適切性、第三に、その他行政による対応に先行して、しっかりとした原因究明に即した再発防止策を策定するなど自主的な対応に取り組んでいるかどうか、こういった観点から吟味をし、検討を行い、最終的な判断をしたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 最後に、これらの関連する不払いを起こした生損保の会社の社長、それから関連業界の団体の責任者、すべてとは言いませんけれども、特に金額あるいは件数の多いところを中心にして、後で理事会で協議をしていただいて、ぜひ参考人として招致をしていただき、考え方をただしたいと思いますが、ぜひ協議をお願いしたいと思います。
○原田委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 終わります。

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