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金融(銀行・保険・証券) (銀行公的資金注入, 中小企業融資)

2004年08月04日 第160回 臨時国会 財務金融委員会 【255】 - 質問

中小企業融資を増やせない銀行の問題は、金融庁が策を講じてこなかったことにも責任がある

 2004年8月4日の財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、公的資金注入行の中小企業向け貸出目標の達成問題について質問しました。
 今年3月期の履行状況を見ると、みずほ、三井住友、三井トラストの3つのグループは、貸出総額が大幅に減少しているにもかかわらず、中小企業向けの貸出しでは目標を超過達成しています。
 しかし、 UFJを見ると、国内の貸し出しは、1兆1482億円の増加ですが、中小企業向け貸出は、1501億円のマイナスになっています。
 UFJについては、金融庁は、長期の検査に入っており、中小企業向け目標達成が困難な事態にある事は、容易に把握できたはずであり、具体的な手だてを講じなかった金融庁に責任があると、佐々木議員は指摘。
 目標を達成した、みずほ、三井住友、三井トラストの3つのグループは、貸出総額で4兆円ものマイナスとなっているにもかかわらず、中小企業向けは6000億円も増やしています。しかし、これについて、佐々木議員は、年度末になると、さまざまな手段を講じて中小企業向け融資をふくらませている例をあげて、追及しました。
 金融庁は、「そのようなことのないように指導しており、そういう報告が来ている」と答弁しましたが、 UFJ については「昨年3月期に中小企業向け貸出を形の上だけで増やす水増しがあった」と、初めて認めました。佐々木議員は、他の銀行についても調査すべきと求めました。
 次に、佐々木議員は、地銀で未達行だった、北陸銀行、親和銀行、和歌山銀行について、質問しました。
 ほくぎんは5億円の増加目標に対し前期比789億円減、九州親和も5億円増の目標に対し128億円の減、和歌山は11億円増の計画に対し55億円減となっています。
 本来、地銀は、地域密着型の金融機関として地域経済・地場産業に大きな役割をはたさなければならないはずです。
 しかし、地銀のなかで中小企業向け融資をいちばん減らした「ほくぎん」についてみると、業務純益、経常利益、当期利益ともに、計画に比べて大幅に超過達成しています。その一方で、中小企業向け融資は大幅に減らしています。
 佐々木議員は、「地元の中小企業に犠牲を負わせて、自分の利益だけを追求してきた結果ではないか」と指摘。
 佐々木議員は、「中小企業向け融資の目標未達成銀行・グループである UFJ、ほくぎん、親和、和歌山の代表を参考人として招致しその経営方針を聴取したい」と提案しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょうは、公的資金注入行の中小企業向け貸し出し目標達成問題、この点についてお聞きをしたいと思うんです。ことし3月の履行状況を見まして、まず、奇妙なことがありましたので、お聞きをしたい。
 この集計表によりますと、国内貸し出し状況、これは、みずほ、三井住友、三井トラスト、この三つのグループは貸出総額が大幅に減少しております。にもかかわらず、中小企業向けの貸し出しでは目標を超過達成しているわけです。例えば、みずほは1兆1307億円のマイナスであります。これは、つまり貸出総額がマイナスになっている。しかし、中小企業向け貸し出しは3279億円ふえております。三井住友は2兆8218億円総枠でマイナスでありますが、そのうち中小企業向けは2619億ふえている。それから、三井トラスト二行は810億円の総枠のマイナスですが、中小企業向けは110億円プラスになっている、こういうことであります。
 ところが、UFJ、これだけが違うわけでありまして、国内の貸し出しは1兆1482億円の増加でありますが、何と中小企業向け貸し出しは1501億円のマイナスになっているんですね。
 常識的に考えますと、貸出総額がふえれば当然中小企業向け貸し出しもそれにつれてふえていくというのが常識だと思うんですけれども、どうも逆転現象が起きている。つまり、総額が減っているところは中小企業向けがふえている、総額がふえているところは中小企業向けが減っている、こういう関係になっているわけでありまして、どうしてこういうことになっているのか、説明していただきたい。
○佐藤政府参考人(金融庁監督局長) 資本注入を受けました主要行における中小企業向け貸し出しの状況、御指摘のとおりでございます。
 中小企業向け貸し出しが増加いたしましたみずほ二行、三井住友、三井トラストにおきましては、先般提出されました履行状況報告によりますと、中小企業向け貸し出しにつきまして、本部、営業部店一体となった取り組みを強化した、あるいは無担保貸し出しへの積極的取り組みを行った、さらには本部によるきめ細かい進捗管理を行ったというようなことで中小企業向け貸し出しがふえているというふうに聞いております。
 それから、UFJでございますけれども、全体の貸し出しがふえている中で中小企業向け貸し出しが減っているという状況でございまして、ここの部分については、全体の貸し出しがふえたことについては住宅ローンの増加等が大きかったというふうに報告をしてきておりますけれども、いずれにせよ、中小企業向け貸し出しについて、増加を達成したほかの三グループに比べて必ずしも十分な取り組みが行われていなかった可能性がございますので、この辺はよく分析をしていく必要があろうかと思っております。
 いずれにせよ、この16年3月期におきまして、UFJを含めて、中小企業向け貸し出しが減少した資本増強行に対しましては、銀行法に基づいて報告徴求をいたしておりまして、その中で、なぜ中小企業向け貸し出しが減少したのか、その理由、それから、今後の取り組みの状況等について報告を求めているところでございます。その報告が出てきたところで、それを精査いたしまして、より詳しい分析をしたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 特に、UFJが目標未達成だったという問題は大変重大でありまして、これは、昨年の九月の時点で既にその兆候が出ておりまして、金融庁の調査では、目標に対して7097億円のマイナス、九月ですからまだ途中ですけれども、マイナスであった。このままでは達成できないのではないかと私はここで質問をいたしました。例えば、業務改善命令というものも出して改善をさせるというようなことをやらないと、これは達成できない危険性があるということを申し上げたわけであります。
 というのは、収益改善計画については業務改善命令を出したりしているわけであります。また、一昨年は、中小企業向け貸し出し未達問題で、9月期の状況を見て、例えばみずほに対して業務改善命令を出している。ですから、 UFJ のこういう貸し出し未達状況というのは、非常に深刻な数字が出ていたわけでありますから、当然改善命令を出すべきだと私は思って質問したわけですが、竹中大臣は、これは状況を見たい、こういう極めてのんびりした答弁でありましたので、何らの手も打たなかったのかと思うわけでありますが、この未達という事実をどういうふうに大臣は受けとめておられますか。
○竹中国務大臣 委員御指摘のように、公的資金の注入行、それはやはり中小企業貸し出しをふやすという約束事があるわけですから、それが未達になっているというのは、そのこと自体大変遺憾なことであると思っております。我々は、それに対してルールをしっかりとつくって対応しているつもりでございます。
 ことしの3月2日のこの委員会で、確かに委員から御質問を受けました。そのときも申し上げたのでございますけれども、基本的に目標というのは年度目標でありますので、年度として目標を達成してもらいたい、年度として目標を達成するというのがある意味での約束事でございます。それを、中間段階で、例えば命令を打つというようなことは、法律的な根拠からいっても、これは現実にはなかなか難しいのだと思います。
 ただし、これも委員御指摘になりましたように、その程度が余りにひどい場合には、これは我々も手をこまねいているわけにはいかないということで、みずほの例が挙げられましたけれども、その前の年に関して、9月期で何と5兆円の目標額からの未達があった、これは余りに程度が大きいということで、その時点で、先取りといいますか先行させる形で命令を発したという経緯がございます。
 我々としましては、それに当たりまして、15年9月期の UFJに関しましても、直ちに銀行法第24条に基づきまして、減少した理由は何だったのだ、取り組み状況についてどうなのかというような報告を求めて、精査をして、ヒアリングを行ったところでございます。
 それによりますと、借入金圧縮の傾向なんかで、上期の貸出金は減少はしているんですけれども、営業店別の残高目標は設定している、組織面での取り組みを強化する、店舗ごと、人ごとの業績評価の重要項目としてこの貸し出しの達成度合い等を組み入れている、さらには、無担保貸し出し等の新商品を投入する等、計画達成に向けた努力、取り組みが認められることから、少なくともその時点においては、「自ら的確に履行しようとしていないと認められた場合」ということではないというふうに判断をしまして、下期における取り組み状況を引き続き注視していくというふうにしたところでございます。現実に、下期に関しては増加の数字がその後出ております。
 いずれにしましても、16年3月期におきまして、中小企業向け貸し出しが前年比減少したこの UFJを含む資本増強行に対しましては、銀行法に基づきまして、中小企業向け貸し出しが減少した理由でありますとか、今後の取り組み状況について、これまた報告徴求をしたところでありまして、今後その精査をした上で、適切に我々としても対処をしてまいりたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 年度目標を達成するというのが目標、一つの眼目である、それはそうなんですが、年度目標を達成していないわけですから。したがいまして、その9月の時点で7000億というのは結構大きな金額であります。しかも、昨年からことしにかけまして検査に入っていたわけですね。さまざまな問題が起こって、今大変な問題が広がっておりますけれども、その過程で、当然目標達成が極めて困難であろうということは容易に把握できるはずでありまして、にもかかわらず具体的な手だてを講じていなかったということになるわけです。結果として達成できない。したがって、この責任をどう感じているかというのが重大ですが、どのようにお感じですか。
○西原政府参考人(金融庁検査局長) 先生御指摘のように、その期間中といいますか、昨年のちょうど秋以降検査に入っておりました。それで、検査に入っている際にそういうのはちゃんとチェックできなかったのか、こういう御質問でございますが、我々、基本的に検査というのは事後チェック型でございます。したがって、進行中の今どういうような貸し出し態度で臨んでいるか、こういうことをチェックするために入っているわけではございません。したがいまして、今回実際に入ってチェックしましたのは、やはり中小貸し出しについてはチェックをしておりますけれども、二点指摘しております。
 その一つは、当局に対して15年3月期にこの中小貸し出しについて報告を出しておりますが、この中小企業向け貸出実績に、これは中小企業とは思えないものが入っているということで、大企業等への貸し出しとか、あるいは個人の非事業性の資金に対する貸し出し、これがこの中小企業向け貸し出しの中に潜り込んでいるというようなことで、それが多額に入っているということを検査で検証いたしまして、そこで当局への報告がその実態と違うじゃないか、こういう不適切なものであるという指摘をしてございます。
 それからもう1点、これは、期末日を挟んだごく短期間で、その期間中の融資資金が使用されていないというような貸し出し等が、また多額に実行されている、こういうようなことがございまして、そういった実態を把握した上で検査で指摘しているところでございます。
 こうした検査の指摘に基づいて、あるいはそれの後に引き続いた24条報告をとって、6月の18日に業務改善命令といったことに結びついてきたのかなというふうに理解をしております。
○佐々木(憲)委員 昨年3月期については今おっしゃったような水増しの実態があったということですね。そういう点を指摘して推移をしたんだけれども、結果としてマイナスになった。そうしますと、逆に次の、貸し出しが減って、かつ中小企業向け目標が超過達成しているという、そちらの方に目が向くわけであります。
 三井住友、三井トラスト、みずほの三グループは、総額で貸し出し4兆円のマイナスになっているんですよ。にもかかわらず、6000億円の超過達成であります。中小企業向け貸し出しを特に重視したということでもあるのかもしれませんけれども、しかし、本当にそうだったのかと。
 私は、以前に公的資金を受けた銀行の関係者に聞いたことがありますが、年度末にさまざまな手段を講じて中小企業向け目標の達成を膨らませていた、いわば水増しをやっていたと。
 今 UFJの事例を昨年について紹介されましたが、例えば、これはほかの事例ですけれども、銀行が自分の子会社、関連会社に大変な金額の貸し出しをやる。例えば、ノンバンクなどの子会社に中小企業扱いとして貸し出す。あるいは、銀行と非常に関係の深い優良中小企業に一時的に年末だけ借りてくれという形で数字を膨らます。そのためのリストをつくっていたという話もありました。さらに、大手企業に貸し出すときに、その企業の子会社に対して一時的に貸している形にして、一定期間後に親会社に振りかえる。ですから、3月末のこの数字自体が水増しになっている。こういう事例が多発していたわけで、若干の是正がありました。
 では、今回、この三つのグループにこういう事実は全くなかったのか、そういう調査はされたんでしょうか。
○佐藤政府参考人(金融庁監督局長) 御指摘のような、早期健全化法の趣旨にそぐわないような、形だけの中小企業向け貸し出しというのは不適切であるということは、累次これまでに各資本注入行に対して強いメッセージを出してきているわけでございます。御指摘のような、期越えの短期の貸し出しであるとか、あるいは子会社向けの貸し出しであるとか、あるいは銀行関連会社への貸し出し、そういうことを除外するということをメッセージとして出してきているということでございます。
 これは累次にわたってやってきておりまして、今般の、UFJ銀行に対する6月18日の行政処分といったようなこともございますように、不適切なものがあれば、我々としては厳正に対応するというスタンスで対応してきておりますので、今般報告のありました、目標を達成しているところについては、そういう累次の当局からのメッセージということを踏まえて対応してきているというふうに認識しております。
 各行は、履行状況報告におきまして、中小企業向け貸し出しの実績に同法の趣旨に反する貸し出しを含めていないという旨を明記してきているということでございます。
○佐々木(憲)委員 まあ、明記はしているんでしょうけれども、実態がそうかということについては具体的な調査はされていないわけで、これはやはり調査をされることを期待しておきます。
 UFJの場合も、そういう報告を出していながら事実は違っていたわけでしょう。ですから、そういうことがあり得るので、これは実態調査を当然やるべきだということを言っておきたいと思います。やりますか。
○佐藤政府参考人(金融庁監督局長) 主要行の場合には特にそうですけれども、年1回の非常に頻度の高い検査をやってきております。それで、立入検査を行いますと、非常に中身の濃い、深度のあるチェックができますので、単なる調査というよりは、毎年やっている検査というのでチェックをしていくというのが基本であろうかと思っております。
○佐々木(憲)委員 地銀の未達行についても聞きたいんですけれども、今回は、北陸銀行、親和銀行、和歌山銀行の三行が未達成であります。ほくぎんは5億円の増加目標に対して789億円のマイナスであります。九州親和も5億円の目標に対して128億円のマイナス、和歌山も11億円増の計画に対して55億円の減。これはもう非常に地域密着型の銀行でありますから、ほとんどが中小企業向けの貸し出しのはずでありますけれども、これは、目標を達成できないとなりますと、その地域に対してその銀行が十分な役割を果たしていないということになるわけであります。
 例えば、中小企業向け融資を減らした地銀の中で、ほくぎんについて見ますと、これは利益はふえているんですね。業務純益、経常利益、当期利益ともに大幅に超過達成であります。自己資本比率も前年の7.51から8.10へと大変大きな伸びを示しておりまして、不良債権も減っている。ところが、中小企業向けの融資が大幅にマイナスになっているわけですね。利益はふやしているけれども、貸し出しは減らしている。これは、貸しはがし、貸し渋りがかなり深刻なことをやりまして、強引な不良債権処理をやった、その結果利益をふやした、つまり犠牲の上にそういうことをやっているのではないかという疑いが極めて濃いわけでありますが、その状況をどのように把握されていますか。
○佐藤政府参考人(金融庁監督局長) 資本注入を受けております地域銀行の状況は、御指摘のとおりでございます。
 それで、業務純益が上がっている、達成されているということと中小企業向け貸し出しが達成されていないということとの関係でございますけれども、いろんな要素が働いておりますので単純な因果関係というのは認めにくいわけでございます。
 例えば、北陸銀行について申しますと、先方が出してきました報告書によりますと、利益の要因として、事業性貸出残高の減少はあったわけでございますけれども、それを消費者ローンの増強でカバーしたとか、あるいは投資信託、個人年金保険等の窓販で役務収益が立ったとか、そういった要因が入っているようでございます。したがって、中小企業向け貸し出しが減っているということと利益を達成しているということで、直ちに貸しはがし、貸し渋りということには必ずしもならないと思いますけれども、いずれにいたしましても、この目標を達成しなかった公的資金注入行につきましては、銀行法24条に基づいて報告徴求を行っているところでございますので、その中でより詳しく分析をしていきたいというふうに思っております。そして、その中で貸し渋り、貸しはがしといった要素があるかないかについてもよく見ていきたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 私は、ほくぎんの貸し渋り、貸しはがしの実態についても、地元で具体的にその話を聞いておりますが、やはりこういう問題は、大銀行も中小金融機関も金融機能をしっかりと果たしていく、特に、地域経済、中小企業を支える、こういう役割というのは大変重要なわけでありまして、私は、当委員会に、 UFJ と、それからほくぎん、親和、和歌山、それぞれの銀行の代表を呼んで、経営の実態、経営方針の基本的な考え方について参考人として意見を聴取したいと思いますが、検討していただきたいと思います。
○田野瀬委員長 理事会で協議させていただきます。
○佐々木(憲)委員 終わります。

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