2005年03月02日 第162回 通常国会 予算委員会 【284】 - 討論
2005年度予算成立=佐々木議員、予算を生活支援の方向に根本的に組み替えることを求め反対討論
2005年3月2日の予算委員会で、2005年度予算3案が採決され、日本共産党、民主党、社民党が反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。
採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。
また、佐々木議員は、政府予算案の撤回と編成替えを求める動議を提出し、提案理由の趣旨弁明を行いました。
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、平成17年度予算3案に対して反対、我が党提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論を行います。
本予算案に反対する第一の理由は、本格的な大増税路線に大きく足を踏み出すものになっているからであります。
年金保険料の値上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税点引き下げ等々、小泉内閣のもとで既に実行され、もしくは予定されている国民負担増は、極めて巨額に上っています。加えて、今回の定率減税の縮小廃止は、所得税、住民税を納税している人々とその家族すべてに影響するという、かつての増税と全く次元の違う内容となっていることであります。増税と負担増の規模は7兆円にも及びます。
しかも、重大なことは、今回の定率減税の縮減廃止が、07年度以降の消費税引き上げへと続く連続的な大増税路線の始まりだということであります。このことをまず初めに指摘するものであります。
反対の第二の理由は、負担増の中身が、これまで住民税が課税されていなかった高齢者やフリーターへの新たな課税、障害者などの福祉サービスの自己負担の増加など、およそ負担能力のないところにまで負担を求める、情け容赦のない施策が盛り込まれていることであります。
介護保険へのホテルコストの導入、国立大学授業料の値上げ、生活保護の母子加算の見直し、雇用対策予算の削減など、庶民に対してあらゆる分野で痛みを押しつけようとするものであります。その一方で、大企業や高額所得者向けの減税は温存し、専ら取りやすい庶民から取るという極めて理不尽な仕組みに何ら手をつけようとしていないのであります。
さらに、地方分権の推進という看板とは裏腹に、地方への国の支出を削減し、地方財政の圧迫と住民サービスの切り捨てにつながる危険性をはらんだ三位一体改革が本格的に実施されようとしていることも重大であります。
第三の理由は、深刻な事態が続く財政状況の中、相変わらずむだと浪費の公共事業や軍拡予算が組まれていることであります。
採算と需要の見通しが立たない関西国際空港の新滑走路着工工事や地元の合意もとられていない整備新幹線、諫早湾干拓、八ツ場ダムなどのむだな公共事業、さらには、5兆円近い枠を維持し、ミサイル防衛システムを初め自衛隊をアメリカ補完の軍隊へと変貌させる事実上の軍拡予算となっていることであります。
当委員会の公聴会でも、公述人の方から、消費税増税など9兆円の負担増を押しつけ、経済を失速させた橋本内閣の失政に触れ、失敗の轍を踏んではならないとの意見が出されました。
今、必要なことは、予算を生活支援の方向に根本的に組み替えることであります。このことを強調して、私の反対討論とするものであります。
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