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金権・腐敗政治 (政治資金収支報告書の虚偽記載, 公益法人の献金, 日歯連問題)

2005年06月08日 第162回 通常国会 倫理選挙特別委員会 【305】 - 質問

「発行すべき領収書を発行しないのは、政治資金規正法違反」佐々木議員の質問に麻生大臣答弁

 2005年6月8日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で佐々木憲昭議員は、日歯連前会長への有罪判決(5月31日)に関連して質問しました。
 判決では、政治資金規正法違反について「政治団体などにより行われる政治活動が、国民の不断の監視と批判の下に公明かつ公正に行われるように……政治資金の流れを公開させることにより、その政治活動の透明性を確保しようという政治資金規正法の趣旨に違背する悪質な犯行である」とのべています。
 さらに、「与党所属の国会議員多数が加入する政治団体への寄付に関して行われたことで、その政治資金の流れについて国民に多大の疑惑を抱かせ、……政治活動の透明性確保のための諸制度に対する国民の信頼をも著しく損なった」。「社会的影響の大きさも看過できない」と厳しく批判しています。 
 佐々木議員は、麻生総務大臣に「政治資金規正法を所管する大臣として、この判決をどう受け止めているか」と、質問。
 大臣は、「どんな法律を作っても違反するものが出てくる。それは、自覚の問題だ」と答弁し、まともに答えませんでした。
 また、判決では、政治資金規正法違反は、「寄付を受けた政治団体(平成研究会)に領収書の発行を拒まれたことが、その契機となっていた」と重要な指摘をしています。
 佐々木議員は、「発行すべき領収書を発行せず裏金にしようとした、このような行為は、どのような犯罪にあたるか」と質問。麻生総務大臣は、「領収書を出さなければならない、収入支出を記載した報告書を出さなければならないとしている、政治資金規正法に違反する」と答弁しました。
 また、公判の中では、迂回献金の証言もあり、旧橋本派への1億円以外にも、橋本元首相へ1000万円の提供をしていたことが日歯連側の証言から明らかになりました。
 橋本元首相秘書は、公判で「国政協と領収書で調整した記憶はある、領収書が国政協から行くと自分が電話した」と証言をしています。日歯連側も、「後で国政協から領収書が行くよと橋本事務所から連絡が来た」と証言をしています。
 佐々木議員は、「金を出した側と受け取った側の証言が一致しており、迂回献金があったということを証明している、重要な証言だ」と指摘。佐々木議員は、「こういう迂回献金は、法違反そのものではないか」と質問すると、大臣もこれを認めました。
 最後に、佐々木議員は、「国会が国政調査権を発揮して、ヤミ献金、迂回献金の徹底解明をしなければならない」とのべ、橋本氏らの証人喚問が必要だと強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 今回の公選法改正は、長野県山口村が岐阜県中津川市に県を越えて合併をするということに伴ったものであり、それ自体は当然のことで、賛成であります。
 今は、選挙区の区割りで行政区画が分断されるということをめぐっていろいろ議論がありましたが、もともと、小選挙区制にしたからこういうことが起こるわけでありまして、そもそも、この選挙区制という選挙制度、ここに根本問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 きょうは、選挙制度ではなくて、私は政治資金規制問題についてお聞きをしたいと思うんですが、5月31日、日歯連前会長に、贈賄、業務上横領、政治資金規正法違反、この点について東京地裁で有罪判決が下りました。それで、政治資金規正法違反について判決では、政治団体などにより行われる政治活動が国民の不断の監視と批判のもとに公明かつ公正に行われるように、政治資金の流れを公開させることにより、その政治活動の透明性を確保しようという政治資金規正法の趣旨に違反する悪質な犯行である、こういうふうに述べているわけです。さらに、与党所属の国会議員多数が加入する政治団体への寄附に関して行われたことで、その政治資金の流れについて国民に多大の疑惑を抱かせ、政治活動の透明性確保のための諸制度に対する国民の信頼を著しく損なった、社会的影響の大きさも看過できない、こういうふうに厳しく批判をしているわけであります。
 そこで、政治資金規正法を所管する大臣としてこの判決をどのように受けとめておられるか、お聞きをしたいと思います。
○麻生総務大臣 ここにあります今読まれた部分というのは、朝日新聞の日歯連事件のことに関していろいろ書いてあった部分等々、いろいろ世の中の批判を含めて言っておられるんだと思いますが、やはり基本的には、政治というのは、信なくば立たずという言葉がよく昔から使われておりますとおりなので、やはり、国民に信頼をされる政治というのはこれは極めて大事なところでありまして、先ほど、党に信頼とかいろいろ御意見もありましたけれども、個人個人のやはり基本的な政治姿勢というものは、極めて選挙民から見たら問われるところだろうと存じますので、やはり一人一人の襟を正すとか、昔からの表現を使わせていただければ、そういうところが最も大事なんだと思っております。
 今は、そのためにいろいろな形で改正案等々が民主党やら自民党やら公明党からいろいろ出されておりますのもよく承知しているところでありますけれども、この話は、今ある規制があっても違反するやつは違反するわけですから、だから、そういった意味では、これは基本的にはやはり、そのルールを幾ら厳しくしても、またさらにそれに違反する人が出てくるということになりますので、最終的に個人の基本的な姿勢というものは非常に問われねばならぬ大事なところなんだと、私自身はそう思っておりますので、この資金に関する件につきましては、いろいろ各党御意見のあるところだと思いますので、十分審議をしていただかねばならぬとは存じますけれども、基本はそれだと思っております。
○佐々木(憲)委員 この判決では極めて重要な指摘がありまして、こう言っているんですね。政治資金規正法違反は、寄附を受けた政治団体、つまり平成研究会です、に領収書の発行を拒まれたことがその契機となっていた、こう述べているわけです。つまり、政治資金報告書不記載という犯罪の引き金になったのが、発行すべき1億円の領収書を発行せず裏金にしようとした、この与党の国会議員の最大派閥、平成研究会の行為だった、これが引き金になったんだと。ある新聞は、社説で「派閥ぐるみの構造的犯行である」というふうに書いています。
 こういう、発行すべき領収書まで発行しないというような形で裏金をつくるという行為、こういう行為について、大臣、どうお感じになりますか。
○麻生総務大臣 これは、総務省としては、よくお答え申し上げるように、具体的事実関係というものを正確に把握する資料を持っているわけでもなければあれでもありませんので、その個別の案件に対するお答えというのは差し控えざるを得ないんですが、一般論として申し上げれば、いわゆる政治活動費の支出を行った政治団体というもののその場合ですと会計責任者ですかな、会計責任者は、領収書というものを、徴取しがたい特別な事情でもない限りは、1件5万円以上の支出については領収書を出さないかぬということになっておると思っておりますので、そういったものに関しましては、寄附を受けた政治団体のすべての収入、支出については所要の事項を記載しなければならない、政治資金規正法第12条第1項ということになっておりますので、この法律にのっとって基本的にはその収支の処理をきちんと行うというのが大事なところということになるんだと存じます。
○佐々木(憲)委員 公判の中では、このほかにも迂回献金の証言も出ておりまして、村岡公判の中で、旧橋本派への1億円以外にも、橋本元首相へ1000万円の提供をしていたことが日歯連側の証言から明らかになっております。
 6月2日、今月ですが、6月2日に行われた村岡公判で橋本元首相の秘書が証言をしております。国政協と領収書で調整した記憶はある、領収書が国政協から行くと自分が電話したと証言をしております。それで、日歯連側も、後で国政協から領収書が行くよと橋本事務所から連絡が来たと証言をしている。金を出した側と受け取った側の証言が一致しているわけです。極めてこれは重い証言だと思うんですね。やはり迂回献金があったということを証明していると思うんです。
 それで、日歯連側は、迂回献金について、議員に献金した後で国政協から領収書が来たことがある、名前を指定した人は3、4人くらいで、500万か1000万くらいを希望として伝えたとも証言している。
 こういう迂回献金というのは、まさにこれは法違反そのものだと思うんですが、これはいかがでしょうか。
○麻生総務大臣 前段でお答え申し上げましたとおり、今のような個別な具体的事実関係というのは、今、新聞の情報とか言われた話をもとにされたお話になりますので、私どもとしては……(佐々木(憲)委員「証言ですよ、裁判における」と呼ぶ)その証言というものを、私どもはその調査権があるわけでもありませんので、そういった個別の案件に対してお答えを差し控えさせていただくということしかお答えのしようがありません。
○佐々木(憲)委員 では、具体的な問題ではなくて一般論として聞きますが、昨年も同じ質問をしたんですが、企業や団体というのは、政治家個人に献金はできず、政党に限られているわけですね。それで量的規制がある。それを免れる目的で政治団体等を経由して政治家に献金し、受け取った人とは違うところから領収書が出る、こういう事例があったとすれば、どの法律の何に違反しているんでしょうか。
○麻生総務大臣 一般論としてということだったので一般論として申し上げますと、政治資金規正法では、政治家個人の政治活動に関して金銭等による寄附をしてはならないこととされておりますので、当該寄附が政治家個人に対してなされたものであれば、これは同法違反のということになります。これは、政治資金規正法第21条の2項の1、22条の1と2ということになろうと存じます。
○佐々木(憲)委員 これは裁判の中での証言であります。ですから、私は、この実態というものを、やはり与党としては、責任を持って本当にあったのかないのかというのを調査すべきだと思いますが、小泉総理に要請し、小泉総理は調査をすると約束をした、しかし、調査したが何もなかったと、何の調査をしたのかさっぱりわからない、こういう状況では真相の究明につながらないわけであります。
 したがって、私は予算委員会の委員もしておりますが、当然、こういう問題を究明するために、橋本元首相を初めとする証人喚問、それから関連の書類の提出、こういうものも引き続き国会としてこれは求めていかなければならないし、その実現を予算委員会では必ず図りたいというつもりでおります。
 きょうはこの程度にしておきたいと思います。

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