東海での活動
東海での活動 − 政府への要請、住民生活、基地撤去、原発問題、農林漁業・食の安全、公共事業、災害、環境、金融被害、医療・介護・障害者・年金、静岡県
【04.09.14】静岡県の皆さんといっしょに政府交渉
2004年9月14日、佐々木憲昭議員は、静岡県の皆さんといっしょに政府交渉を行いました。
交渉したのは、金融庁、防衛庁、農水省、国土交通省、厚生労働省、環境省、経済産業省です。
金融庁では、サラ金・クレジット被害が広がっているため、関連業界や諸機関にたいして、債務者の借り入れや弁済の状況を記載した帳簿やその他資料を、債務者にすみやかに明示するよう指導・指示を徹底するよう要請しました。
防衛庁では、在沖縄米海兵隊のキャンプフジへの移転構想が伝えられ、地元自治体では移転反対の声が上がっていますが、これは米軍東富士演習場の全面返還を成立要件とする東富士演習場使用協定の立場に反するのではないか、とききました。
その回答は「そのような計画の提案はない」というのみ。しかし「いろいろな情報交換はやっている」ということでした。
そのなかで「移転問題」について話し合われていないか、と聞いたのですが「内容については言えない」の一点張りでした。
さらに、地下水汚染防止対策のための汚染調査実施や、104訓練の中止、そして自衛隊浜基地の航空祭(10月3日)の曲技飛行の中止などを求めました。
国土交通省への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
(1)国道1号線バイパス建設については1977年に塚原バイパスが、10年後の1987年には三ツ谷バイパスが完成し、残された笹原山中バイパスの延長4800メートルが完成すれば念願の全線が開通することになります。
しかしながら、1988年に笹原山中バイパスのルートが承認され、この間一部区間でミニバイパス工事が実施されたものの、全体の事業量から見ればわずかな進捗が見られる程度であります。
当該要望箇所は、1日1万台を越す交通量と、地形的にもカーブの多い危険な道路のため、国道沿線の5町内が結束して、毎年、国土交通省沼津工事事務所や名古屋の中部整備局に陳情を行っているところでありますが、現状では、日本共産党の2001年度の予算交渉の際に回答のあった「山中地区(トンネルを含む)は2007年度までに完成させたい」との約束はかなり厳しいのではないでしょうか。
かかる事態を打開して、一刻も早い全線開通に向けた取り組みがなされるよう、十分な財源を確保されることを強く要望いたします。(三島市)
(2)静岡市用宗・石部付近は、昨年7、8月と今年6月30日の集中豪雨で、3回の水害にみまわれ、床下浸水、農作物に多大な被害がでています。地元町内会からの要望を受けて、静岡市も治水対策に取り組み始めたところです。
この地域は、JR東海の線路が周辺の土地より高く、線路からあふれた雨水が、直接沿線の民家や田畑に流れ込んでいます。静岡市の対策に加え、JR東海にも、この沿線一体の排水対策を早急に講じていただくことを地域住民は切望してきましたが、実現していません。
国土交通省は、JR東海に対し、次の対策を講じるよう働きかけることを、要望するものです。
- JR東海の線路内の廃水対策をしっかり行い、沿線住民に被害を与えないように、早急に改善策をとること。
- 緊急策として、現在ある側溝を機能できる状態に整備したり、JR東海の敷地内に、防水壁(ブロックでも可)を設置するなど、雨水の流出をくい止める対策をとること。(静岡市)
(3)演習場に建設中の第2東名(橋脚等)は富士の裾野の景観を著しく壊している。景観に配慮した方法を取っていただきたい。(御殿場市)
(4)県内4有料バイパス(藤枝、掛川、磐田、浜名)の早期完全無料化をすること。(県)
(5)静岡空港の建設にあたり、石川知事は強制収用について「おそくとも今年の秋の終わりくらいまでには、判断せざるをえない」(本年7月16日県議会本会議答弁)と答弁している。事業認定時に提出した確約書の内容に照らしても国は土地収用法の事業認定をしないこと。
(6)JR在来線の21〜22時台の3両編成は曜日にかかわらず混雑している。実情に合わせて増結すること。
(7)JRのホームライナー浜松1号、同3号は、その前後のダイヤ編成で、一般通勤者に不便を強いる状況があるので改善すること。金谷以西に行く場合20:38分の後21:08までの30分間と21:38分の後22:13分までの35分間は便がない。
厚生労働省への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
- 前回5月24日の厚生労働省交渉で、生活保護に対する国の4分の3の負担率切り下げを行わないように要請した。そのときの回答は、国は予算の削減を行う方針であることを述べていた。しかし、現実には掛川市で7月31日に生活保護を申請したにもかかわらず認められなかった61歳の女性があやまって川に落ち、変死する事故が起きている。
その女性は昨年春、路上で倒れていて救急車で運ばれる経過のあった女性でした。病院の診断は極度の栄養不良とのことでしたが、勤め先からひまをとらされ、収入もなく食事さえ満足に食べられない状態におちいっていました。家賃は1年以上滞納(雇用促進住宅)し、頼みの息子は「自閉症」で人との対面もできない状況でした。
それでも明るく振舞うその女性に、米をそっと渡す住民や、パンやインスタントラーメンを届ける人もいました。また、民生委員を通じて生活保護を取るように勧めた団地役員や管理人もいました。朝早くからフラフラした足取りでハローワークに職探しに歩いていくその女性を見かねて福祉課に電話した住民もいました。しかし、市の福祉課は「息子は労働能力があるから」「本人が働くべき」と生活保護を断り、その結果の悲劇となりました。
こうした実態をさらに悪化させる国の負担率削減はおこなわないように改めて要請する。また、窓口の対応も親身な応対をするように指導を要請する。(掛川市)
- ケアマネジャーの報酬単価の改善について、3月26日、5月24日と2回にわたっておこなってきた。その時の回答では、昨年4月に改定されたばかりで、全体でマイナス2.3%の引き下げをおこなう中、居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)にかかる介護報酬は、プラス17.1%という最も大きな引き上げをおこなったとの回答であった。しかし、それでも現状は不十分な実態におかれている。初めての人に対し、ケアプランをつくりサービスを受けるまでには5回、6回と訪問することはざらにあり、それでも1人当たり8500円の収入しか入らない。少なくとも施設にはある初期加算を、ケアマネジャーにも導入すること。(浜松市)
- 特養ホームの整備を計画通り安定的に遂行するための財源措置を講ずること。(県)
- プロ野球の合併問題でストライキ問題が話題となっている。これらの問題のおおもとには、プロ野球選手会を無視し、球団合併を進めるオーナー側の横暴がある。話し合いで解決するようにオーナー側を指導すること。(県)
防衛庁への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
- 本年6月に新聞報道された在沖縄米海兵隊のキャンプ富士への移転計画は米軍東富士演習場の全面返還を成立要件とする東富士演習場使用協定の立場に反するので認めないこと。(御殿場市・県)
- 東富士演習場第七次使用協定終結に係る、行政協定当事者協議会行政部会協議課題事項の(7)地下水汚染防止対策については「演習場及び施設内で使用する化学物質等は、使用・保管・処理・処分等を適切に行なうとともに、安全対策には十分配慮し、市町民に地下水汚染等の不安を与えないよう必要な防止策を講ずること。」とある。着弾地における砲弾を含む化学物質類の地下水への影響調査の結果を公表いただきたい。過去の調査方法と結果の公表を要請いたします。
万が一実施されていない場合は国の責任で影響調査を実施いただきたい。(御殿場市)
- 9月に実施予定の東富士基地における104訓練は、毎回関係住民に不安と大変な負担を強いていることから、中止すること。(県)
- 自衛隊浜松基地の航空祭(10月3日)での米空軍曲技飛行チーム・サンダーバーズと航空自衛隊ブルーインパルスによる曲技飛行は中止すること。(浜松市・県)
- 清水港など県の民間港湾に米軍艦船を入港させないこと。(県)
環境省への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
- 静岡市で稼動3ヶ月で、灰溶融施設の熔融炉に穴があき、流出したスラグとメタルが冷却水と接触し、水蒸気爆発事故を起こした。調査の結果、事故原因は設計ミス(耐火物の損耗が極めて早く、またその状況を的確に把握できていないため発生した)と当局は発表した。
他自治体でも事故が多発し、施設の構造や技術の安全性を十分に確立しなければ、事故の再発を招く恐れがある。灰熔融固化施設の安全基準見直しとメーカーに対する安全性確立の指導強化を求める。(静岡市)
- 昨年10月に、浜松市の中田島砂丘で海岸侵食により、浜松市が1970年代に埋め立てた不燃ごみ・産廃が露出・流出する問題が発生した。露出したゴミは総量13万トンで、撤去すれば80億円の予算が必要であるが、搬出先もないため浜松市は、鋼矢板を打ち込み、流出防止の応急処置をおこなった。
また、県は砂丘の変化や侵食の様子などを調査するために、約5千万立方メートルの砂を運び入れた。しかし、今年の度重なる台風により、投入した砂は跡形もなく流され、更なる砂丘・海岸の崩落が起こり、このままでは防風林が削られ、住宅地にまで海岸侵食が進む恐れがある。
そのために、国土交通省、環境省をはじめとする関係省庁だけでなく、大学などの研究機関や民間機関も含めた体制を確立して、抜本的対策を立てること。(浜松市)
農水省への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
(1)BSE対策としての牛の全頭検査を堅持すること。また、同等の検査を日本向けの牛肉輸出国に求めること。これらをクリアーしない牛肉を日本に輸入しないこと(浜北市・県)
(2)鹿児島県内での豚コレラ発生について次の情報を公開すること
- 未承認ワクチンといわれる薬剤の内容と性質、さらに生産国および製造社名
- 全国的な拡大を阻止するための屠畜場での血液検査の実施。(浜北市)
(3)昨年8月17日の集中豪雨で、三方原用水の壁(浜北森林公園内)が崩落し農業用水が2、3日断水した。三方原用水は西遠地域(浜松、浜北、細江、雄踏、舞阪)の農業用水、工業用水、上水を供給する重要なライフラインの役割を果たしている。そのために以下のことを要請する。
- 再発防止のために定期点検をおこなうこと。
- 東海地震が問題になる前につくられた阿多古サイホンの補強工事をおこなうこと。
- 豊川用水並みの調整池を新設すること。(浜松市)
経済産業省への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
浜岡原発については東海地震に備え運転を止め、老朽化が顕著な1、2号炉はただちに廃炉にし、3、4、5号炉については新たな知見にもとづく耐震設計審査基準による総点検を行い、万全な安全が確認されるまでは運転を再開しないこと。(県)
金融庁への要請文
要請
以下の各項目について要請いたします。
(1)貸し金業規制法に関する金融庁事務ガイドラインは(平成15年10月29日付)、「取引関係の正常化」の項目で、「債務者、保証人その他の債務の内容について開示を求められたときは、協力すること」と、貸し金業者の債務内容等の開示協力義務を明示しています。
ところが、一定、前進はあるものの、実際には、「調停前」は、要求しても、大手サラ金業者を中心に、弁済に係る債務の内容について、提出しない、または、すべての期間の情報の開示に応じないことが多いのが実態です。多重債務などのできるだけ早い解決のために、以下の点を要望します。
- 全国貸金業協会をはじめ関連する業界や諸機関に対し、債務者の借り入れや弁済の状況を記載した帳簿やその他資料を、債務者にすみやかに明示するよう、再度、指導や指示を行い徹底させること。
- サラ金業者が、利息制限法をこえる貸付を行わないよう指導を徹底させること。(静岡市)
後日、金融庁からの回答
要請後、9月22日、金融庁の金融会社室長が佐々木憲昭事務所に来室し、14日、静岡県の皆さんが要請した内容についての金融庁としての対応について説明がありました。
要請した内容は、サラ金業者などにたいして、借り入れや弁済の状況を記載した資料を債務者に速やかに開示するよう指導・指示をおこなうように、ということでした。
これにたいして、金融庁から、全国貸金業協会連合会にたいして指示をし、その旨の徹底をはかることにした、という回答がありました。
また、債務者が開示をもとめてもそれに応えない貸金業者がいたら、財務局に相談していただければ業者を指導すると答えました。