国会での活動
国会での活動 − 演説・挨拶・懇談、雇用・労働、金融(銀行・保険・証券)
【06.03.23】財務省と国民金融公庫は“20年労使紛争”解決せよ
2006年3月23日の本会議から、行政改革法案の審議が始まりました。
この法案には、さまざまな内容が含まれていますが、そのなかに政府系金融機関の統廃合があります。
しかし、それが地域経済や中小企業・業者のなど国民のためになるのか、きわめて疑問です。
しかも国民金融公庫では、長い間の労使紛争を抱えています。
この日、財務省前で、関係者が労使紛争を解決せよの集会を開き、佐々木憲昭議員も次のような挨拶しました。
この事件の発端は、1960年代後半から国民公庫当局が自分の意に沿わない労働組合を変質させるために組織的な介入をすすめたことにあります。
とくに、1970年代後半から組合役員らに対して賃金・昇格差別をおこなってきました。しかも、監視・尾行をおこなったり、変節を強要するなどの不当労働行為を行ってきたのです。
政府系金融機関であるにもかかわらず、おこなわれてきたこのような法違反をただすため、1984年7月に被害者とそれを支援する人々が「職場から不当差別をなくし、国民公庫を発展させる会」(略称・こくきん発展会)を結成しました。
当局にたいして申し入れなどをおこなってきましたが、改善されるどころか、逆に不当転勤などの攻撃をしてきたのです。
そのため、こくきん発展会に所属する19名の国民公庫職員が、1986年9月、東京都労働委員会(都労委)に申し立てをしました。
都労委は、8年以上かかって慎重かつ綿密な審理を行いました。そして、1995年5月、国民公庫の不当労働行為の事実を認め、救済命令を国民公庫・尾崎護総裁に出したのです。
本来ならば、この事件は国民公庫がこの命令を履行しさえすれば、11年前に解決していたものなのです。
しかし、国民公庫当局は、命令直後に、その命令の取り消しを求め、東京地裁に行政訴訟を起こしました。
これにたいして東京地裁は、「この事件は和解で解決すべき」だと勧告しました。
申立人はそれに応じました。ところが国民公庫は、それを拒否し、最終段階でしかも最終結審後に、申立人らの「あらさがしミス」を他人との比較もないかたちで大量に提出したのです。
これにたいして、東京地裁では不当労働行為の事実を認めましたが、国民公庫の人事考課は「制度として仔細に整備されている」という理由で、申立人ら3名に命令維持したものの、16名については命令を取り消しました。
その後、労使双方が東京高裁に控訴。高裁においても和解勧告が出されました。
国民公庫は、またもや、それに応じなかったのです。
東京高裁は、2004年11月、地裁と同様理由で、今度は19名全員の敗訴を結論とする判決を出しました。そのため、現在、最高裁に上告中です。
この事件は、都労委、地裁、高裁ともに、国民公庫の行った不当労働行為の事実を明確に認定しています。しかも、国民公庫は上告していないのですから、この事実は確定していると言ってよいでしょう。
このように、重大な問題を抱えている国民公庫が何もなかったかのように、他の公庫や銀行との統合を視野に入れた議論をおこなうことは、認められるものではありません。
財務省と国民公庫は、早急に20年労使争議を解決した上で、統合の議論にのぞむべきではないでしょうか。