奮戦記
【13.10.07】「朝日新聞」のコラム「経済気象台」が面白い(facebookより)
「朝日新聞」(10月4日)のコラム「経済気象台」が面白い。タイトルは「出発点の誤り」。
「いったん判断を誤った結果、弥縫策を採り続けることがある」という書き出しで、「異次元緩和に始まり、消費増税、補正予算と次々に手を打つ今のアベノミクス」にはその危うさを感じると指摘しています。
まず、「日本経済の危機をデフレのせいと決めつけ、これを克服すれば国民生活は豊かになり、税収も増えて財政危機も克服できる。そのデフレは大規模緩和によって2年くらいで解決できると日銀総裁は豪語した」とアベノミクスのポイントを紹介したうえで、次のように述べています。
異次元緩和の結果、「副産物として円安がすすみ、石油など輸入品は上昇した」。しかし、物価は上がったが賃金は増えないので、「企業に賃上げを求めるが、経営者は簡単には首を縦に振らない」。
そこで「賃上げした企業には法人税を安くすると誘う」。ところが「4社に1社しか法人税を払っていない」ので効果がない。「しまいには直接、低所得者に一人1万円を給付しようという。その資金は結局は国民の負担だ」と指摘しています。
そして次のように述べているのです。「もともと個人にはデフレが続くという考えは少なかった。消費が増えなかったのは物価の値下がりを待ったのではなく単に賃金が増えなかったからにすぎない。出発点が間違いだったのではないか」と。
同感できるところの多いコラムです。
----私なりの解釈で言えば、そもそも副作用をもたらす異次元金融緩和などやるから次々と「対策」をうたなければならないわけで、大企業の内部にため込まれた270兆円の内部留保を、労働者の賃上げ・下請単価引き上げなどに還元する施策をおこなえば、それですむ話だったということになります。
消費税大増税で8兆円も国民から取り上げたあげく、「景気腰折れ」するからということで、6兆円もの「経済対策」をばらまくというのもそうでしょう。
「景気対策」というなら、「景気腰折れ」を招くような消費税増税をしないことがもっとも有効な「対策」ということになるではありませんか。