奮戦記
【13.06.03】国会ひとくち話……武器輸出3原則 (facebookより)
武器輸出禁止に関する政府の基本方針のこと。1967年に、当時の佐藤首相がはじめて国会で表明したのは、(1)共産圏諸国、(2)国連決議で武器輸出が禁止されている国、(3)紛争当事国とその恐れのある国――に対して武器輸出をしないというものでした。
1976年になって、三木内閣が「これ以外の地域への武器輸出も慎む」という政府統一見解を明らかにし、日本は、事実上の「武器輸出全面禁止」に踏み切りました。共同開発を含む外国への武器技術供与や武器を製造する海外企業への投資も禁じています。
しかし1983年に、中曽根内閣がアメリカへの「武器技術供与の取り決め」を強行したため、いまでは、アメリカに対して技術供与が可能になっています。
小泉内閣は、「弾道ミサイル防衛システム」導入を閣議決定し、日米ですでに「共同研究」されているミサイルを、共同で「開発・生産」することをねらっています。そのため、アメリカへ部品など輸出を可能にしようと、「武器輸出3原則」の部分的な見直しを検討してきました。
安倍晋三政権は、米国などが共同開発している最新鋭戦闘機F35向けの部品を今後日本企業が製造し、その部品を組み込んだ機体の第三国への移転を官房長官談話(3月1日)で容認するなど、「三原則」をふみにじり、禁輸原則を投げ捨てて武器輸出国への道にふみだそうとしています。
「武器輸出3原則」は、憲法9条の理念である「戦争の放棄」「国際紛争の平和的解決」「武力行使・威嚇の禁止」を具体化したものであり、この原則は、憲法とともに将来にわたって堅持すべきものです。それを踏みにじるのは、日本への国際社会の信頼を失わせるものというほかありません。