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奮戦記

【11.04.04】福島県の佐藤前知事が告発――「国民を欺いた国の責任」

   4月8日号の「週刊朝日」は、佐藤栄佐久・前福島県知事が「国民を欺いた国の責任をただせ」と題するインタビュー記事を載せています。

 佐藤前知事は、「今回の事故の報道を見るたびに、怒りがこみ上げてきます。一部の識者は『想定外の事態だ。これは天災だ』というような発言をしていましたが、だまされてはいけません。これは、起こるべくして起こった事故、すなわち“人災”なのです。
 私は福島県知事時代、再三にわたって情報を改ざん・隠蔽する東電と、本来はそれを監視・指導しなければならない立場にありながら一体となっていた経済産業省に対し、「事故情報を含む透明性の確保」と「原発立地県の権限確保」を求めて闘ってきました。しかし、報道を見る限り、その体質は今もまったく変わっていないように思います」と述べています。

   もともとは原発推進論者だった佐藤氏が、日本の原子力政策に疑問を抱き始めたのは、知事に就任した翌年の1989年のことだったと言います。

 「この年の1月6日、福島第二原発の3号機で原子炉の再循環ポンプ内に部品が脱落するという事故が起きていたことが発覚しました。しかし、東電は前年暮れから、異常発生を知らせる警報が鳴っていたにもかかわらず運転を続けていたうえに、その事実を隠していました。県や地元市町村に情報が入ったのはいちばん最後だったのです」。「経産省(当時は通商産業省)に猛抗議をしましたが、まったく反応しませんでした」と。

   さらに、2002年8月29日、原子力安全・保安院から福島県庁に「福島第一原発と第二原発で、原子炉の故障やひび割れを隠すため、東電が点検記録を長年にわたってごまかしていた」という恐るべき内容が書かれた内部告発のファクスが届いたと言います。

 佐藤氏は、こう言っています。
 ――「私はすぐに、部下に調査を命じました。だが、後になって、保安院がこの告発を2年も前に受けていながら何の調査もしなかったうえに、告発の内容を当事者である東電に横流ししていたことがわかったのです。私の怒りは頂点に達しました。これでは警察と泥棒が一緒にいるようなものではないか。それまで、東電と国は『同じ穴のムジナ』だと思っていましたが、本当の『ムジナ』は電力会社の奥に隠れて、決して表に出てこない経産省であり、国だったのです」。

   保安院、経産省ともに何の処分も受けず、責任をとりませんでした。
 それどころか、福島第一原発の所在地である双葉郡に経産省の課長がやってきて、「原発は絶対安全です」というパンフレットを全戸に配り、原発の安全性を訴えたと言います。
 まことに驚くべきことです。

 東海地震の震源域の上にある浜岡原発は、ただちに停止すべきです。

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