奮戦記
【10.10.24】法人税を減税しても株主配当と内部留保にまわるだけ
財務省の統計「税務統計から見た申告所得税の実態」によると、いちばん新しい統計は2008年度分。法人数は260万社です。
そのうち赤字法人(欠損法人)は、71.5%を占めています。つまり、日本の会社の7割強が赤字で、その圧倒的多数は中小企業です。
では、黒字の会社は、その利益をどのように「処分」しているのでしょうか。社内留保に41.1%(17.9兆円)、株主配当に23.7%(10.3兆円)が使われ、法人税の支払いに20.4%(8.9兆円)を当てています。
では、10年前の1998年はどうだったでしょうか。
社内留保に36.3%(12.7兆円)、株主配当に11.4%(4.0兆円)が使われ、法人税の支払いに31.9%(11.2兆円)を当てていたのです。
注目したいのは、この10年間で社内留保に回す分が年間5.2兆円増え、株主配当が6.3兆円増えたのに、税金の支払いは2.3兆円も減ったことです。法人税を減税しても、労働者や下請けにはまわらず、株主配当と内部留保にまわったことは明らかではないでしょうか。
これをそのままにして、いくら法人税の減税をしても労働者や下請け企業のために有効に使われる保障はまったくありません。
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