奮戦記
【09.02.17】中川財務大臣が辞任。議運で人事官候補者の聴聞
中川昭一財務・金融担当大臣は、夜になって辞表を提出しました。
G7後の記者会見で醜態をさらしてから、昨日、国会で追及され、今日になって「予算と関連法案通過後に辞任する」と表明しました。
しかし野党側が、「辞任を表明している大臣が、責任を持った答弁ができるはずがない」と主張。その結果、今夜、辞任を表明するに至ったのです。
このような大臣を任命した麻生総理の責任が、厳しく問われます。
議院運営委員会で、人事官候補者の所信聴聞会がおこなわれました
政府が提示した人事院人事官任命の同意を求める件で、人事官候補者の千野境子氏(産経新聞社東京本社編集局特別記者、元取締役)からの所信聴取と質疑を行いました。私は、別掲の質問をしました。
1)人事院の位置づけについての認識を聞きたい。
人事院のもっとも重要な役割は、公務員の労働基本権制約の代償機能としての役割です。
憲法第二十八条が保障する労働基本権、すなわち団結権、団体交渉権、争議権は、本来、公務員にも保障されるべきものであります。
ところが、現行の国家公務員法は、公務員の地位の特殊性を理由に、公務員の労働基本権を制限していることから、その代償機能としての役割を人事院が担うこととされ、そのもとで、人事院は、政府から独立し中立の立場で、国家公務員の身分、任免、服務、さらに賃金や労働時間など労働条件を定める役割を担っています。
同時に、人事院は中央人事についての準司法的権限も併せ持ち、公務の中立・公正・公平を確保する役割を担っています。
したがって、人事院を構成する3名の人事官は、こうした任務の重要性を自覚し、政府から独立し、中立の立場で職務を遂行できる人物でなければなりません。
そのことを踏まえて任に当たられるかどうか。まず確認しておきたい。
2)そのうえで、千野さんは、人事院の政策評価懇談会の委員をつとめられた経歴がありますのできいておきたいのですが、最近の人事院でいいますと、小泉内閣のもとで、2002年5月に経済財政担当大臣が人事院勧告制度は右肩上がりの時代の産物と批判し、同年六月の骨太方針で「総人件費抑制」をうちだしました。
そのもとで公務員定員一律削減・総人件費削減政策が閣議決定され、公務員給与の賃下げへの一連の政府の圧力が加えられました。当時、人事院は、この政府の意向に無批判に従って史上初のマイナス勧告を行ない、以来、政府方針にそった給与削減勧告を行ってきました。
中立公平な機関であるはずの人事院が政府の圧力に屈したのでは、その労働基本権制約の代償機能は果たせないと言わざるを得ませんが、どのように評価されていますか。
3)国家公務員制度改革についてお聞きします。
公務員制度改革でもっとも大事な点の1つは、労働基本権の回復問題です。
ところが、いま問題となっている政府の「工程表」では、第三者機関である人事院の機能を政府・使用者に移管するとしながら、労働基本権の回復については先送りしたままです。
ILOは、日本政府が進めている公務員制度改革にかかわって、監獄職員の団結権や、一般の公務員についての争議権、労働協約締結権を保障することなど、国際労働基準にしたがった改革を進めることをもとめる「勧告」をくりかえしおこなっています。
ジャーナリストとして国際事情にも通じておられるようですが、国際労働基準からいって、日本の公務員制度をどのように考えておられるか。
4)天下りについて聞きます。
一昨年の公務員法改正で、政府は、省庁による天下りあっせんは廃止するとしながら、官民人材交流センターという新たな天下り・天上がりあっせん機関をつくることとし、本格稼動するまでの移行期間の3年間は、再就職等監視委員会で天下りを容認するシステムをつくりました。省庁あっせんはだめといいながら、内閣あっせんならいいという理屈は認められません。
天下りは、本来、禁止するのが望ましいという認識がおありかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
――この質問に対する答弁も含む「懇談の記録」は、会議録に参照掲載される予定です。
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