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奮戦記

【09.01.06】財政演説について麻生総理に質問しました

   今日、衆議院本会議で政府の財政演説に対する各党の代表質問が行われ、本格的な論戦がスタートしました。
 日本共産党からは、私が質問に立ち、国民の暮らしを支える緊急対策の実現を迫るとともに、日本経済を再建の軌道に乗せる抜本的改革の方向を提起しました。(全文は別添)

 私は、労働者の大量解雇について「相次ぐ労働法制の規制緩和でもたらされた政治災害だ」と指摘。「政府の責任で、仕事と住まいの確保、生活保護の弾力的な運用に正面から取り組むべきだ」と求めました。

   さらに、大企業が膨大な内部留保を持っている事実をあげ、「首相は、大企業に対し、正面から、非正規労働者の『首切り』の中止・撤回を求める決意があるか」と迫りました。
 麻生総理は「雇用と住まいの確保は最優先課題だ」との認識を示したものの、「首切り」を前提とした失業対策を示すことに終始。大企業に対しては「最大限の努力を行うよう要請してきた」と述べるだけでした。
 私は、麻生内閣が「定額給付金」をばらまいた後、消費税増税するつもりでいることについて、「ますます消費を冷やすことになる」と批判。
 緊急にやるべきことは、食料品にかかる消費税を非課税にすることだと主張しました。
 麻生総理は「(社会保障の財源として)重要な役割を果たす」と消費税増税を推進する姿勢を示し、「消費税減税は適当でない」と国民の願いに背を向けました。

   私は「日本経済を再生するためには、危機を招いた根本原因にメスを入れ、取り除くことだ」と指摘しました。
 ──(1)労働者派遣法の抜本改正 (2)「外需依存から家計中心の内需主導」の経済への体質転換 (3)日本の金融・証券市場で投機を規制し市場に公正・公平なルールを取り戻すことを求めました。
 麻生総理は「内需主導の持続的成長が可能になるよう経済の体質転換を進めていくことが重要だ」と述べましたが、具体的内容では、従来の「経済対策」の説明に終始しました。

失業者保護の緊急決議 野党が衆参両院に提出

   日本共産党、民主党、社民党、国民新党、新党大地の野党は、今日、「雇用と住まいを確保する緊急決議」案を衆参両院の議長あてに共同で提出しました。

 この決議案は、大量の失業者が出ている現状のもとで、雇用と住居の確保や生活保護の弾力的運用について、政府が緊急に取り組むべきだとしています。
 参院議長あてに決議案を提出した後の記者会見で、日本共産党の小池晃政策委員長は「中身的にも与党が賛同できるように配慮して作ってきた。今の事態に対して国会が向き合っていることを国民にアピールするうえでも、与党の賛同も得て、決議を実現するために力を尽くしたい」と述べました。
 他方、決議案の取り扱いを議論した衆院議院運営委員会で、自民・公明の与党は、野党案に対し「反対ではない」としながら、「補正予算及び関連法案、ならびに、今後提出される本予算及び関連法案について、速やかに審議の上、成立させ、執行すべきである」との文言を盛り込んだ「決議案・仮案」を示しました。
 私は「『予算』については各党の態度が違うのに、それをわざわざ持ち込むのは『決議』を壊すものだ」と批判し、「一地点でやるべきだ」と述べました。

2次補正予算案関連法案 委員会付託強行

   自民・公明の与党は、6日の議院運営委員会で、野党の反対を押し切って、第2次補正予算案の関連4法案を、財務金融、総務、国土交通の3委員会への付託を強行しました。

 野党側は、法案についての本会議趣旨説明と各党質疑を行うよう要求しました。
 与党は第2次補正予算案の衆院での審議を8・9日の2日間で終える意向を示し、「スピードが問われている」「速やかに委員会付託を」と主張しました。
 私は「理解に苦しむ。予算委員会の審議をやっているときは、他の委員会は動かない。なぜ急ぐのか。かえって混乱する」と批判しました。

財政演説に対する代表質問(全文)

   私は、日本共産党を代表し、財政演説について麻生総理に質問します。

 アメリカ発の世界金融危機に端を発した、昨年来の急速な景気の落ち込みは日本経済に深刻な衝撃をもたらし、大量の失業と倒産を発生させ、国民のなかにかつてない不安を広げています。

 まず、緊急課題にしぼってお聞きします。
 第一は、雇用と中小企業対策です。
 突然の解雇で、仕事と住まいを失った労働者に、生活と住居を保障し再就職を支援することは、緊急課題です。市民・労働団体の尽力でつくられた「年越し派遣村」は、労働者の命を守るうえで大きな役割を果たしました。関係者の皆さんに、心から敬意を表します。
 そもそも、今日横行している大量解雇は、相次ぐ労働法制の規制緩和によって引き起こされた「政治災害」であります。したがって、これらの方々の生活と住まいの保障は、政府の責任でおこなわれるべきものであります。厚労省は、1月2日になって、ようやく、講堂を開放し、都内の施設を一時的に確保しました。ところが、それは12日までの期限付きであります。その後は、どうせよというのでしょうか。地方はもっと深刻です。政府の責任で、仕事と住まいの確保、生活保護の弾力的な運用に、正面から取り組むべきではありませんか。

   厚労省の調査でも、今年3月までに非正規労働者が少なくとも8万5000人が解雇されるとしています。さらに、派遣労働者の多くが契約切れとなる「2009年問題」が現実化すれば、「首切り」の波が大きく膨れあがることは確実であります。

 日本の大手企業は、「減益」だ「赤字」だと言っていますが、明日にでもつぶれるような状況ではありません。これまでの莫大な黒字は、いったいどこに行ったのでしょうか。大手企業のほとんどが、株主に巨額の配当を続け、膨大な内部留保を持っているではありませんか。
 総理は、大手企業にたいして、正面から非正規労働者の「首切り」を中止・撤回するよう求めるべきであります。その決意があるのかどうか、伺いたい。

   下請中小企業も、親企業から突然、発注を打ち切られたり、単価引下げを強要されるなど深刻な事態を招いています。不当な下請いじめを許さず、銀行の貸し渋り・貸しはがしを規制しなければなりません。(総理)

 第二は、国民負担と社会保障の問題です。
 第二次補正予算案は、生活対策のためと言われますが、その中心は「定額給付金」であります。公金を使った「選挙買収」ではないかと、多くの国民から厳しい批判を浴びているのは当然です。麻生総理は、この批判をどう受け止めているのでしょうか。
 小泉内閣以来、国民負担増は46項目におよび、年12兆7000億円も増えました。国民ひとりあたり10万円も負担が増えたのであります。ほんの一瞬、1万2000円か2万円の「給付金」をばらまいても、3年後に消費税増税を押しつけようというのでは、ますます消費を冷やすことになります。
 いま、緊急にやるべきことは、消費税の減税とりわけ食料品の非課税であります。
 後期高齢者医療制度は、1年を経過しましたが、受診抑制が広がり、保険料を払えず保険証を取り上げられるなど、深刻な矛盾が噴出しております。この制度は、ただちに廃止すべきであります。
 また、実質的に破綻した社会保障費年2200億円の削減方針を撤回し、社会保障の充実に転換すべきであります。

   総理。今日の深刻な経済危機を打開し、日本経済を再生するためには、何が必要でしょうか。危機を招いた根本原因にメスを入れ、それを取り除くことであります。

 ひとつは、大企業による「非正規切り」を許している労働法制の問題です。
 労働者派遣法は、1999年の改悪以前に戻し、登録型派遣は原則禁止、受け入れ先企業が違法行為を行ったときは正社員化を義務づけるなど、抜本改正を行うべきであります。

 ふたつ目は、アメリカ頼みの経済構造にメスを入れることであります。
 この間、ほんの一握りの輸出大企業が空前の儲けをあげた反面、中小企業は疲弊し、労働者の賃金は引き下げられ、非正規雇用への置き換えが進みました。そのうえ、庶民増税と社会保障切り捨てが追い打ちをかけました。これが家計を直撃して内需を冷え込ませ、大企業は、ますます輸出に傾斜するという構造をつくってしまったのであります。
 いま求められているのは、「外需依存から家計中心の内需主導」に日本経済の体質を抜本的に転換することではありませんか。

 みっつ目は、日本の金融・証券市場の規制緩和の問題です。
 いまや、東京証券取引所の株式売買の6〜7割をアメリカ中心の外国人投資家が占め、そのほぼ半分以上はヘッジファンドだと言われます。
 株の売買で利益を稼ぐことだけを目的とした投機的行動が、幅をきかせるようになり、これが金融危機のもとで株価の大暴落を引き起こし、日本経済に甚大な打撃を与えたのであります。いま必要なのは、投機を規制し市場に公正・公平なルールを取り戻すことであります。

 これら3つの問題に取り組む改革を実行してこそ、日本経済を再建の軌道に乗せることができるのであります。この点を指摘し、質問を終わります。



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