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奮戦記

【08.09.29】麻生総理大臣の所信表明演説について

   今日午後の衆議院本会議で、麻生太郎総理大臣の所信表明演説がありました。

 それは、理念もなければ具体性にも乏しく、とても「所信表明」にふさわしい内容ではありませんでした。

 まず驚いたのは、戦前と戦後の区別が明確でないことです。
 総理は、「私の前に、56人の総理が列しておいでです。118年になんなんとする、憲政の大河があります。……日本人の、苦難と幸福、哀しみと喜び、あたかもあざなえる縄の如き、連綿たる集積があるのであります」と言いました。
 このどこに、戦前と戦後の切れ目があるのでしょうか。

 さらに驚いたのは、民主党にたいする批判だけでなく、「野党の諸君に、国会運営への協力を強く要請します。……お考えをお聞かせ願いたく」と述べたことです。

   国会運営をどうするかは、議会に権限があり、行政の長である総理大臣があれこれ介入すべきものではありません。
 しかも、野党に質問するのもおかしな話です。演説の中で総理は、地方道路財源補てんや消費者庁創設についての「賛否」を尋ねたり、外交問題について「伺いたい」とか「見解と問う」と質問しました。

 本来、所信表明というのは、内閣総理大臣としての所信を表明するものであって、野党に対して質問する場ではありません。
 だいたい野党には、答弁する機会がないからです。総理が、このような質問をする以上、与党は野党にたいして答弁時間を保障するのでしょうか。

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