奮戦記
【03.08.06】官房長官の「政権交代で経済低迷」発言について
福田康夫官房長官は、今日午後の記者会見で、10年前のこの日に細川首相指名があったことにふれて、「今思い出すと、不良債権処理を急ぐべきだとの議論が出ていたが、政権交代で手がつかなかった結果が経済の停滞につながってきた」と述べたといいます。
ちょっと待って下さい! スジが違うのではないでしょうか。
第1。この10年余の経済停滞の原因は、直接的にはバブルの崩壊にありますが、その後の政策的要因としては、97年の橋本内閣による消費税増税などの9兆円負担増政策、そして小泉内閣の強引な不良債権処理加速策と国民負担増政策にあるのではないでしょうか。
国民の購買力を奪い消費を冷やして、景気回復の芽を摘んでしまった。――この失政に最大の問題があったのではなかったでしょうか。
このことを意図的に棚上げして、別なところ(政権交代)に原因を求めるのは、責任逃れであり、問題のすり替えだと言わなければなりません。
第2。福田官房長官は「政権交代すればいいという話ではない」と言いましたが、それは、半分当たっているところがあると思います。
あの細川政権、そしてその後の村山政権は、たしかに担い手は変わりましたが、結局自民党政治の枠のなかで自民党政治をうけついだ政権でした。
細川政権ができるとき、これに参加した諸党は、「非自民」の八党合意書を取り交わしましたが、「外交および防衛政策等国の基本施策について、これまでの政策を継承し」と、自民党政治のわく組を変えず、これを継承することを宣言したのです。
そこには、それまでの自民党政治のどこが間違っていて、どこを変えるのかということがひとことも書かれていませんでした。
これでは、政権交代をしても何の意味もありません。たしかに「政権交代すればいいという話ではない」のです。
しかし、自民党政治でいいわけがありません。いま、私たちにとって大事なことは、これまでの自民党政治をおおもとから転換するという旗印を鮮明にかかげることではないでしょうか。
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