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佐々木憲昭議員の鈴木宗男議員に対する参考人質疑(大要)

2002年2月20日・予算委員会
佐々木議員の写真

外務省の内部資料を示し追及する佐々木憲昭議員

佐々木憲昭議員 鈴木さん、あなたは、「北方四島人道支援」の事業の入札・受注にかんして、介入したことはありませんでしたか。

鈴木宗男・参考人 私は関与したことはありません。

佐々木 とんでもない事実と違う発言です。
 私は、ここに、外務省の内部資料をもっておりますが、これは、「国後(くなしり)島緊急避難所兼宿泊施設(メモ)」というものです。99年5月28日につくられたもので、「秘 無期限」となっている資料です。 99年5月27日に、鈴木宗男官房副長官と外務省が、このいわゆる「友好の家」―地元では「ムネオ・ハウス」と呼んでいるものでありますが、この入札・工事の内容に関連して、鈴木さんと外務省がやりとりをした記録です。
 外務省はこういっています。「6月初頭に道新等に入札説明会の案内を掲載するべく、現在、その内容を詰めているところであるが、一番頭を痛めているのは、入札参加資格のところである」
 こういう議論はありませんでしたか。(「関与しているじゃないか」の声)

鈴木 (驚いた表情で)いま私もその話を初めて聞きますので、もしその資料があるならば、見せてもらいたいし外務省にあるならば、出してもらってもいいと思います。

佐々木 ここで、鈴木宗男さんは、このように発言されています。「道開発局基準のBランクで該当企業が200社程度というのは知っている。そもそも200社もいらないだろう。多すぎる。根室管内には旧島民が多数居住している。いっそのこと地域を北海道内ではなく根室管内に限定してはどうか」(場内どよめき)「根室管内にはB以上は何社か?」。

 それにたいして、外務省は「根室管内と限定するという点については持ちかえって検討させて頂きたい」(場内笑い)「例えば根室管内ではなく道東ということでは如何(いかが)か?」。こう(外務省に)聞かれて、鈴木さんは「それはやはり根室管内だろう」と(場内大爆笑)発言しているわけです。(「すごいね、露骨だな」の声)
 こういう記憶は、まったくありませんか。

鈴木 私のほうから物をいうよりも、外務省のほうが、「こういう基準だ」とか「こういうフレームでいきたい」だとかという説明があったやの記憶はありますが(場内騒然)、そういう細かいやりとりは(記憶に)ありません。

佐々木 全然説明になっていないですよ。はっきりと「根室管内に持っていくべきだ」と、地域を限定すべきだと(言った)。
 だいたい、北海道新聞というのは、全道の道民がみるんですよ。道民がみる道新に、何で根室管内だけの業者しか応札できませんよということになるんですか。おかしいじゃないですか。(「そうだ」「おかしい」の声)

 しかも、結論としてどうなっているかというと、結局こうなっています。
 「この案のポイントは、入札参加資格は『北海道内』としつつも、施工実績のところで『根室管内において施工実績を充分有する者』として、入札資格審査の段階で実質的に地元の業者が有利なように配慮することである」。はっきりとこういう結論が、外務省の文書に出ているではありませんか。(「これこそ利権じゃないか」の声)

鈴木 正確にお答えしますが、それは、どこでのやりとりで、どういう文書で、(佐々木「自分で覚えているじゃないか」の声)この点もはっきりしなければ、私は、そういう細かいことまで、話は、外務省から受けた記憶はありません。同時に、もう一つ大事なことは、地元の市長だとか、地元の商工会議所の話なども混同されると、私はちょっと困るなと思います。

佐々木 だれも、地元の市長や商工会議所の話をしているんじゃない。(「そうだ」の声)外務省の内部であなたが参加した会議の話をしているんですよ。逃げちゃいけないよ。
 実際、北海道新聞にどういう結果が出ていますか。ここで検討された通りになっているじゃありませんか。
 例えば、北海道新聞に、この「ムネオ・ハウス」の公募の文書があります。(公募の紙面を示しながら)ここの右下のほうに、活字自体も小さくて、見にくいんですよ(場内笑い)。そういうなかで、「入札参加者の資格」として、こう書いてあるんですよ。「北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内(根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町)において、類似施設建設工事の施工実績を充分に有する者であること」。外務省は「北海道全体で公募するんだ」と、それをあなたの発言でゆがめて、しかもこんな前代未聞の公募文書が、北海道新聞に載っているじゃないですか。(「そうだ」の声)

鈴木 少なくとも北海道新聞と北海道建設新聞二紙に載せたと報告を受けていますし、そこで公募型の入札方式だということを私は外務省から説明を受けたということであります。

佐々木 北海道新聞と北海道建設新聞の二つに載った、よくそれをごぞんじですね(笑い)。二つに載って、全道の業者が応募できるのかと思ったら、根室管内しかうけられないんですよ、これは。あなたの選挙区だけではないですか(「その通り」の声)。そういうものを圧力かけて、ゆがめて、実際にこういう地域限定の公募がなされたというのは、いままで事例はありません。はっきりとゆがめたことは事実であります。

鈴木 佐々木委員がこの問題についてこの委員会でも質問されましたから、根室の市長さんなんかも私のところに連絡をよこしました。根室市長はこう言っていました。地元を使ってもらいたい、いま根室は大変なんだということで、外務省にはよくお願いをしてあります、こういう話(議場騒然)。それと鈴木先生の話を一緒にされたら、逆にわれわれの動きが悪かったことになりますから、しかし少なくとも公明正大におこなわれたということで承知していますと地元からも言ってきました。

佐々木 語るに落ちたというはそういうことですね。(「そうだ」「関与を認めたんだよ」の声)
 自分でこの地元のためにやったんだと、その声にこたえたんだと、事実上あなたはそれをお認めになったということです。しかも大事なのは、この「ムネオ・ハウス」を入札・受注した会社というのはたった一社ですからね。全然競争になっていないんですよ。しかもその受注した会社からあなたに政治献金がわたっているんですから。まさにこの入札をゆがめ、そこに介入し、そこから受注した会社から(「利得を得ている」の声)、あなたは自分のところに資金が還流している、そういうしかけをつくっている。これは税金の私物化、援助の私物化と言う以外ないじゃないですか。(「そうだ」の声)

鈴木 私自身この業者を使えとか、この業者にしなさいというようなことは言ったことがありませんから。これは明確にしておきます。
 何かしら私が特定の業者だとか、特定のものを言ったならば、いまの佐々木委員の意見も通るかもしれませんが、少なくとも公明正大に、公のメディアを使ってやって、それなりの資格要件等がクリアされて、手続きされたと聞いている。

佐々木 私はこういうやり方というのは、いままで鈴木宗男さんが「北方四島」について具体的に介入をし、そしてそれを自分の後援会の幹部の企業に受注させ、そしてその企業から政治献金がわたっている。まさに税金の還流であり、税金の私物化以外の何物でもない(「そうだ」の声)。このことをきびしく指摘をして質問を終わらせていただきます。

(「しんぶん赤旗」2002年2月21日付より)

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