野党4党が偽証告発動議を提出=自公保が反対し否決・佐々木議員が「前代未聞の愚挙」と批判
自民、公明、保守の与党3党は10日の衆院予算委員会で、日本共産党など野党4党が共同提出した鈴木宗男衆院議員を議院証言法違反(偽証罪)で告発することを求めた動議を反対多数で否決しました。与党は鈴木氏に対する再度の証人喚問も拒否しており、疑惑解明にフタをする姿勢を示しました。
鈴木氏は、3月11日に行われた同委員会の証人喚問で、「ムネオハウス」の建設工事入札での秘書の関与を全面否定しました。しかし、鈴木氏の公設秘書が4月30日に偽計業務妨害容疑で逮捕され、野党側は鈴木氏の証言は偽証にあたるとして、同委員会による鈴木氏の告発を求める動議を提出したものです。
与党3党を代表して意見表明した自民党の藤井孝男議員は、「偽証となる判断材料はない。何ももっていない」と鈴木氏をかばいだてし、野党が国政調査権の発動として要求する再喚問にも「司法手続きと競合することであり、自重すべき」だと述べました。
採決にあたり賛成の意見表明に立った佐々木憲昭議員は、入札・受注への鈴木氏の関与の追及や、外務省の公表文書などで鈴木氏と秘書の関与疑惑がいよいよ濃厚となり、東京地検が秘書を逮捕するに至ったと指摘。偽証の疑いがきわめて濃厚となった以上、議院証言法の規定にもとづき、偽証告発することは当然と強調しました。さらに佐々木議員は、何ら説得力のある説明をしない与党に対し、告発しないことは「明白な偽証の疑いを多数で抹殺するにほかならない。まさに前代未聞の愚挙であり、本委員会の権威を著しく失墜させるもの」と批判しました。