鈴木宗男議員の関与はあったのか=外務省の言い分だけを聞く政府の「調査」
NHKで中継された2月13日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、アフガン復興支援会議から2つのNGOが排除された問題で、政府の調査内容を追及しました。
質問の冒頭で、佐々木議員は、NGOに対する小泉首相の認識をただしました。
「NGOは、貧困、飢餓、難民、地球環境の悪化などさまざまな問題の解決に向けて、市民の立場で国境を越えた活動をしている非政府組織だ。政府にできないことを、政府と協力しながら対等の立場で活動している。国連機関や欧米では政府のパートナーとしての役割を果たすものと高く評価されている」との佐々木議員の指摘にたいし、小泉首相は、「いろいろな地域の発展のために意欲にあふれた方々が活躍されるということは大変頼もしい。日本政府としてもどんどん協力していくべき団体の一つだ」との考えを示しました。
「このように重要な役割を果たしているNGOを、1月の『アフガニスタン復興支援国際会議』に正式に招待していながら、2つの団体を直前になって排除した」と問題の重大性を強調した佐々木議員は、「この過程で、鈴木宗男議員の関与があったのかどうかが問題だ」として、先週末(2月8日)、予算委員会の理事会に提出された政府の「調査結果」の内容をただしました。
佐々木議員は、政府「調査結果」が、外務省の言い分だけを調べて「鈴木議員に言われたり圧力を受けたことはない」と結論づけたものだと断じ、「もう一方の当事者である田中前外務大臣らの申述はいつ聴取するのか」と政府の対応をただしました。
答弁に立った福田官房長官が、「外務省職員からは事情聴取をした」と、それ以上の対応を行う姿勢を示さなかったため、佐々木議員は「一方の関係者である田中前外務大臣やNGO代表の大西さんの意見を聞かずに、真相を究明できるはずがない。政府が聞こうとしないなら、この委員会で話を聞いて、具体的な事実関係を究明する必要がある」として、田中前外務大臣、鈴木宗男議員、野上事務次官を参考人として予算委員会に呼ぶよう要求しました。
アフガン会議でのNGO排除に鈴木氏の影響=首相は認めたのに外務省は「なかった」と食い違い答弁
佐々木憲昭議員は、2月4日の衆院予算委員会で、アフガン復興支援国際会議への一部NGO(非政府組織)の出席を拒否した外務省の決定にあたり、自民党の鈴木宗男衆院議員から圧力があった問題について、小泉純一郎首相と外務省に対し事実認識をただしました。
このなかで佐々木議員は、小泉首相が「(鈴木議員の)影響を受けすぎた」と圧力を認めているのに、外務省の重家俊範中東アフリカ局長が「圧力はなかった」と一貫して答弁していることを指摘。重家局長に「総理の答弁と明らかに違う」とただしました。
重家局長は「(不参加の)決定は外務省の判断」との答弁に終始し、当初出席させる方針だったのが、欠席へと変更する過程で鈴木議員の圧力があったことを認めず、首相答弁との矛盾が鮮明になりました。
小泉首相と外務省の答弁が食い違ったため、質疑がたびたび中断。矛盾点が解決されていないにもかかわらず、津島雄二予算委員長は「総理は明確に答弁している」などとして、佐々木議員の質問を打ち切りました。
続いてこの問題をとりあげた社民党の横光克彦議員の質問に、小泉首相は「『鈴木議員の発言を気にしすぎた』というのは私の判断。局長と違っていても何ら矛盾はない」と食い違いを認めたうえで開き直り、川口順子外相も「総理と局長の言い分に矛盾はない」と無責任な答弁をしました。