ムネオハウス不正受注・「外務省関与」と検査院=支援委など滞留金341億円
ムネオハウス不正発注に外務省が関与し、滞留金が341億円――国後島の「ムネオハウス(友好の家)」発注などで問題となった「支援委員会」など外務省関連の12の国際機関について会計検査院が20日、外務省に改善を求める意見を提出、ずさんな事業運営の実態が改めて浮き彫りになりました。
日本共産党の小池晃参院議員が3月の予算委員会で支援委員会の実態を示して「会計検査院の検査対象とすべきだ」と追及。小泉首相が「ずさんな運営がされていた」と認め、検査がおこなわれたものです。
会計検査院によると、支援事業は構成国の要請を検討して決めますが、97年以降はロシア代表が空席となっていたのに外務省は放置。支援委員会が形がい化したもとでムネオハウス発注も、不要な「国後島発電施設」の更新も外務省の判断でおこなわれていました。
ムネオハウス建設では入札参加資格を、発電施設更新でも最低入札価格をそれぞれ勝手に設定、特定企業に受注させた疑惑が浮上していますが、会計検査院はいずれも「外務省が事実上関与していた」と認定しました。
また、支援委員会以外の日露青年交流委員会など6機関でも、年1回開催すると定めた委員会を設置当初に開いただけで外務省の判断で事業がおこなわれていました。これまで12機関には昨年度末までに国から約1061億円が拠出されています。ところが支援委員会では事業年度予算も作成していないなど8機関で01年度末までに341億円が使用されず滞留していました。