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「ムネオハウス」不正入札事件・初公判冒頭陳述=鈴木議員に業者が事前依頼・国会での偽証鮮明に

2002年7月19日・「しんぶん赤旗」報道

 国後島の「友好の家」(ムネオハウス)建設工事をめぐる不正入札事件で偽計業務妨害罪に問われた衆院議員鈴木宗男被告(54)=あっせん収賄罪で起訴=の公設第一秘書宮野明被告(54)ら6人の初公判が18日、東京地裁(出田孝一裁判長)で開かれ、検察側は鈴木議員の事件への深い関与を新事実で明らかにしました。入札の際「特定の業者はまったく念頭になかった」などという同議員の証人喚問での虚偽証言が明白になり、偽証告発を拒絶した与党の責任が鮮明になってきました。

佐々木議員の追及裏付け

 この日の公判は、鈴木被告をめぐる一連の事件で初めて開かれたもの。検察側の冒頭陳述は、鈴木被告が事前に、渡辺建設工業(北海道根室市)と犬飼工務店(中標津町)から、地元業者が受注できるよう入札参加資格について外務省に働き掛けてほしいと依頼されていた――という新事実を明らかにしました。

 この陳情を頭に置いていた鈴木被告は、1999年5月下旬、入札条件について報告にきた同省ロシア支援室長に対し、「(受注業者を)根室管内に限定したらどうだ」と要求。事実上、渡辺建設工業に入札参加がしぼられるように指示しました。このときの鈴木被告と外務省とのやりとりについて、冒頭陳述は、国会で日本共産党の佐々木憲昭議員が明らかにした外務省内部文書の内容を全面的に採用。佐々木議員の指摘を捜査当局として裏付けました。

 また、「宮野被告が入札に関する相談を受けた際、『他の業者が来たら、鈴木事務所の名前を出せばいい』などと業者を指導した」ことを指摘。鈴木被告の“威光”をかざして競争相手を排除したことも明らかにしました。

 筋書きどおり随意契約で高値落札した渡辺建設工業社長の被告が99年8月に首相官邸を訪れて、当時、内閣官房副長官だった鈴木被告に礼を述べると、同被告は「聞いている。良かったな」と応じたことも初めて明らかにしました。

 宮野被告以外の5人は、日本工営社員石井良次(53)、渡辺建設工業前社長渡辺寿一(57)、犬飼工務店(北海道中標津町)前社長犬飼勝(60)、エンジニアリング会社「日揮」(横浜市)社員軽部照夫(54)、同菊地透(53)の各被告。

宮野秘書は起訴事実否認

 宮野被告は罪状認否で「不正行為をしたという認識はない」などと起訴事実を否認。ほかの5被告のうち4人は起訴事実を認めましたが、石井被告は無罪を主張しました。

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国会レポート

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