国後ディーゼル事件・4人を起訴=談合・裏金解明が焦点
ムネオ疑惑の国後島ディーゼル発電施設をめぐる不正入札事件で東京地検特捜部は24日、偽計業務妨害罪で三井物産営業部長の飯野政秀(44)、社員の島崎雄介(39)、外務省前国際情報局主任分析官の佐藤優(42)、同省ロシア支援室元課長補佐の前島陽(38)の4容疑者を起訴しました。佐藤容疑者以外の3人は容疑を認めています。
起訴状によると、飯野容疑者らは丸紅などライバル社を排除したり、前島容疑者から施設の積算価格を事前に聞き出すなどして、国際機関「支援委員会」の入札業務を妨害。2000年3月の発電施設の入札では、予定価格の99.91%にあたる約21億円(税込み)で落札。粗利益は約3億4000万円に上りました。
同事件では、佐藤容疑者が「三井物産受注は鈴木宗男議員の意向」と前島容疑者に話していたことが判明。また、三井物産は入札から排除した丸紅には、子会社に下請け発注する形で5000万円の「謝礼金」を支払ったほか、兼松には500万円、電気工事会社「きんでん」(大阪市)には1500万円を支払うなど、大手商社の談合体質も浮かび上がってきています。
本紙調査では、三井物産にかわって発電施設工事を仕切った北海電気工事(札幌市)の担当幹部が、下請け業者を使って「裏金」をつくっていた事実が判明するなど、鈴木被告と大手商社を巻き込んだ疑惑は談合、謝礼金、裏金づくりと広がりをみせています。今回の起訴で「ディーゼル発電施設にかかわる特捜部の捜査はほぼ終結した」とされますが、浮上した疑惑についての徹底解明が引き続き重要になっています。