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「鈴木議員追起訴」・これでも企業献金は「有意義」か

2002年8月22日・「しんぶん赤旗」・「主張」

 「疑惑のデパート」として追及されてきた鈴木宗男衆院議員(自民党を離党、現在は無所属)が追起訴されました。北海道開発庁長官時代、地元の建設会社「島田建設」からわいろをもらい、同庁の発注に便宜を図った、受託収賄の容疑です。地元の木材会社「やまりん」からわいろをもらい、林野庁の発注に口利きしたという、あっせん収賄容疑での起訴に次ぐものです。

鈴木流口利きの構図

 「やまりん」の事件も「島田建設」の事件も、鈴木議員をめぐる疑惑の全体からみれば氷山の一角です。鈴木議員の秘書や三井物産の関係者らが逮捕・起訴されている「ムネオハウス」建設やディーゼル発電所設置の不正発注事件へのかかわりをはじめ、疑惑の全容はひきつづき糾明されなければなりません。

 同時に強調したいのは、2つの事件が浮き彫りにした構図です。

 鈴木議員は自民党時代、抜群の「集金力」を誇ってきました。その秘密の1つが、地元を中心に「広く薄く」張り巡らされた献金網です。その献金の見返りが口利きでした。

 鈴木議員が、自民党内で有力者としての地位に上り詰め、政界や官界に影響力を行使できたのも金の力です。ゼネコンの要望であれ、地元企業の要望であれ、その実現のために奔走する、その口利きの力は、2つの事件でも発揮されています。

 2つの事件は文字通り、鈴木流口利き政治の縮図です。もちろんそれは鈴木議員に限ったことではなく、多かれ少なかれ自民党流口利き政治の構図です。

 しかも、2つの事件での起訴は、政治献金として届けてさえいれば、どんな献金も罪に問われないという鈴木議員の主張が、成り立たないことを浮き彫りにしています。

 逮捕前、鈴木議員は国会などで政治献金問題を追及されると、「私が正直に申告しているから、こんな問題も出てくる」とうそぶくのを常としました。しかし、たとえ政治献金として届けていても、わいろはわいろです。逮捕・起訴された事実の重みはだれも否定できません。

 営利が目的の企業が献金するのは本来見返りを求めるからであり、企業献金が「もうけに結びつけば贈賄、役に立たないとわかっていれば背任」といわれてきました。鈴木議員の事件は文字通り、企業献金がわいろであることを証明したのです。

 とりわけ重大なのは、国や自治体から工事や物品の発注を受ける企業からの献金です。工事や物品の代金は国民の税金です。その献金はまさに税金をかすめ取るものです。政治家が影響力を行使すればわいろです。

 鈴木議員の事件を繰り返さないために、いまなにより必要なのは、企業献金、とりわけ国や自治体から発注を受ける企業の献金を直ちに禁止することです。

献金禁止こそ「意義」

 さきの通常国会に日本共産党など野党は、公共事業発注企業からの献金禁止を提案しました。ところが与党はまともに対応せず、自民党は企業献金には「社会的意義」があるとまで主張しました。

 いったい鈴木議員の逮捕や起訴の容疑となった企業献金に、どんな「社会的意義」があったというのか。自民党はじめ与党は、鈴木議員の事件からきびしい教訓を引き出し企業献金禁止を受け入れるべきです。

 企業献金が、日本の政治を腐敗させる温床といわれて久しいものがあります。いまこそ企業献金禁止に踏み出すべきです。

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国会レポート

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