「鈴木宗男議員の意向だ」国後発電施設の三井物産受注=佐藤容疑者が前島容疑者に語る・関係者証言
「北方支援事業」の国後島ディーゼル発電施設をめぐる偽計業務妨害事件で、外務省元ロシア支援室課長補佐の前島陽容疑者(37)が、同省前国際情報局主任分析官の佐藤優容疑者(42)から、三井物産の受注は「鈴木宗男衆院議員の意向」といわれていたことが4日、関係者の話でわかりました。佐藤容疑者は鈴木容疑者の側近中の側近。鈴木容疑者が三井物産の受注に深く関与していたことをうかがわせる発言であり、同容疑者の疑惑解明がいよいよ重要になってきました。
入札関与疑惑深まる
東京地検特捜部の調べによると、前島容疑者は同発電施設の入札(2000年3月)の直前、佐藤容疑者から三井物産へ協力するよう指示され、入札予定価格を三井物産にもらしました。この結果、三井物産は予定価格の99.91%で同施設を落札しました。
関係者によると、佐藤容疑者は前島容疑者に三井物産に入札情報を教えるよう指示したさい、「三井物産が受注することは、鈴木宗男衆院議員の意向だ」と話したといいます。
鈴木容疑者は、外務省が国後島の同施設新設を決定する過程で、同施設の新設を強く主張。「既存施設の補修」を提言した事前調査の結論を逆転させた疑惑が指摘されており、具体的な入札にも関与していた疑いが浮上してきました。
また、外務省関係者によると、同発電施設の発注業務については、ひんぱんに鈴木容疑者側に伝えられていました。この関係者によると、ディーゼル発電施設の発注業務は外務省ロシア支援室の指示で、支援委員会がおこないましたが、業務の進行に応じて、ロシア支援室長が鈴木容疑者に「このようにしたい」などと逐一報告をしていたといいます。
一方、三井物産は色丹、択捉両島のディーゼル発電施設を受注した99年春、当時の副社長が鈴木容疑者に会って、「二島の工事を受注したので、一生懸命がんばります」などと礼をのべていました。