鈴木議員に辞職勧告・4野党提出=衆院で初の決議
19日にあっせん収賄容疑で逮捕された鈴木宗男衆院議員の議員辞職勧告決議案が21日、衆院本会議で可決されました。決議案は日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党4党が共同で提出していたもの。国会議員に対する辞職勧告決議案が可決されたのは、1997年の友部達夫元参院議員(オレンジ共済事件で逮捕)以来2人目で、衆院では初めてです。
自民党はこれまで2度にわたり決議案の本会議上程に反対してきましたが、今回は賛成に回りました。同党は決議案に賛成するよう党議拘束をかけたにもかかわらず5人が採決の直前に退席し、1人が採決に反対して起立しませんでした。ほかに無所属議員1人が退席しました。
本会議に先立つ衆院議院運営委員会で日本共産党の児玉健次議員は、決議案について「鈴木議員が国民の厳粛な信託をふみにじった自らの責任を自覚して議員を辞職することを、本院の意思として勧告するもの」であり、「本院の自浄努力の発露だ」と意見を表明しました。
「政治とカネ」の根本にメスを=市田書記局長が指摘
日本共産党の市田忠義書記局長は21日午後、国会内で、鈴木宗男衆院議員に対する議員辞職勧告決議案が可決されたことについて記者団から感想を問われ、「世論と国会での追及がこういうところまで追いこんだということで、当然のことだ」と述べました。
市田氏は、「これで一件落着ではなく、“ムネオ型政治”の一掃ということが国会に求められるわけで、国会の責任は大きい」と指摘。「やはり根本問題である企業・団体献金を禁止する。少なくとも公共事業受注企業からの献金を禁止する必要がある」として、真相の徹底究明と、政治とカネの問題の根本にメスを入れるため引き続き努力する決意を述べました。