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鈴木議員逮捕・新たな段階にたって国会として真相と責任の追及を=志位委員長の記者会見

2002年6月19日・記者会見

 日本共産党の志位和夫委員長は19日の記者会見で、鈴木宗男衆院議員が逮捕された問題と今後の対応について次のようにのべました。

 鈴木宗男議員の逮捕許諾請求が可決され、ついに逮捕ということになりました。国会での追及と国民の世論が、とうとう政治悪をここまで追い込んだ。重要な一歩前進です。ただ、ここで司直まかせにするわけにいかない。国会として幕引きを許すわけにはいかない。司直に厳正な捜査をもとめるとともに、国会として真相の徹底究明と責任追及を新しい段階に立ってすすめる必要があると思います。

 鈴木問題というのは、自民党政治の体質が象徴的にしめされた問題だと思います。

 一つは、公共事業、(北方四島)支援事業、行政処分などに、不正な口利きをやって、その対価として献金をもらう。この体質が、まさにいま問われているわけです。

 鈴木逮捕の直接のきっかけになったのは、「やまりん」という会社をめぐる疑惑で、小さな疑惑のように見えますが、なかなか私は大事な意味をもっていると思います。というのは、鈴木氏への500万円の献金の大半は、政治資金規正法では届け出てあった、いわゆる「表」の金だったわけです。「表」の金であっても、請託があり口利きがあれば賄賂(わいろ)とみなされるという判断を検察がしたというのは、たいへん重要な点です。

 1990年代に汚職で逮捕された国会議員が何人かいるのですが、これらはヤミの金や不正融資などが賄賂とみなされて、犯罪行為を問われ逮捕となっている。鈴木逮捕の直接のきっかけになった「やまりん」の場合は、政治資金収支報告書のうえでは届け出ているお金だけれども、賄賂とみなされて犯罪とされました。

 これまで疑惑がかけられた自民党の政治家は、多くの場合、「これは政治資金収支報告書で届け出ているのだから、何のやましいこともない」といういいのがれをしてきた。この「やまりん」の事件についても、99年の国会で問題になったときに、鈴木宗男氏(官房副長官)は、「これは届け出ている金なんだから、問題はない」、「かえって届け出ているから問題となって正直者がばかを見る」という答弁をしています。しかしもうそれは通用しない。こういう判断をくだしたことは意味が大きいと思います。

 つまり企業献金自体が、賄賂性を持つということが、こういう形で示されたわけです。私たちは、企業献金の全面禁止を求めますが、いま野党が提出している公共事業を受注している企業からの献金禁止の法案ぐらいは、延長国会で最優先の法案として取り扱って、きちんと成立させるべきだということを、まずいいたいと思います。

 いま一つは、「ムネオマネー」が、自民党や公明党の議員にばらまかれていたという問題です。すでに明らかになっているだけでも、3年間で58人の自民党、公明党議員に「ムネオマネー」がばらまかれていた。総額2億4000万円です。

 いま検察の捜査が入るなかで、鈴木議員は、3年間で3億円という裏金を集めていたということが報道されています。そうなると、「ムネオマネー」の原資が、「表」の金だけではなくて「裏」の金も、その原資として入ってくることができるわけです。そうなると、「ムネオマネー」を受け取った政治家、「ムネムネ会」というのもあったそうですが、受け取った側の政治的・道義的責任は、いっそう重いものとなってきます。この点でも自民党ぐるみの汚染の問題として、究明されなければなりません。

 さらにもう1点いいますと、鈴木議員が、日ロ領土交渉をゆがめたという問題を、私たち提起してきました。これは、犯罪行為を構成するような問題でなく、政治的・道義的な責任が問われる問題ですけれども、国益を損なうという点ではたいへん深刻な問題ですから、国会がひきつづき究明しなければならない問題です。

 鈴木問題にたいしては、司直の捜査と、国会での究明の努力が、車の両輪になって、真相と責任の究明をとことんやる必要があります。鈴木氏本人も逮捕されたとしても出張尋問ということもできる。関係者の参考人あるいは証人での招致という問題は、今後も出てきます。この問題での集中的な審議を、予算委員会などの場で求めていきたい。

(「しんぶん赤旗」6月20日付より)

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国会レポート

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