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自民・公明の責任=疑惑解明に一貫して背を向ける

2002年6月19日・「しんぶん赤旗」報道

 今国会で日本共産党が自民党の利権・腐敗政治の根本問題として徹底追及してきた“ムネオ疑惑”――。鈴木宗男衆院議員の逮捕許諾請求は、その追及が核心を突いたものであったことを裏付けました。これに対し、疑惑解明にも、政治的道義的責任の追及にも、再発防止策にも一貫して背を向け続けてきたのが政府と自民、公明、保守の与党3党です。その責任が厳しく問われています。

「自ら解明」の公約ほご

 国民の税金を使った公共事業や支援事業などを私物化し、官僚と癒着して行政に介入・圧力をかけてゆがめ、それを特定の後援企業などに受注させて見返りを受け取り、自らの利権にする――鈴木氏をめぐる疑惑で問われているのは、自民党が政権維持装置としてつくりあげてきた税金還流の利権・腐敗政治そのものです。

 逮捕許諾請求の理由となった製材会社「やまりん」からの収賄容疑は、その利権・腐敗政治の典型であり、氷山の一角です。鈴木氏本人に司直のメスが入ることで、自民党的政治が根本から問われる事態になっています。

 だからこそ同党は鈴木氏をかばい続け、その疑惑にフタをしようと躍起になってきました。

 自民党総裁である小泉純一郎首相は当初から、「世間から疑惑を持たれている場合は、個々の政治家がまず国民に説明するのが基本だ」と一貫して本人まかせでした。

 公明党は、鈴木氏の証人喚問(3月11日)を実現する過程で、当初、「すでに参考人質疑をやっている」などの口実で自民党とともに抵抗。鈴木氏の公設秘書逮捕など、新たな疑惑が深まりをみせても、野党が求める再度の証人喚問を拒否し続けてきました。

 自民党はロッキード事件、リクルート事件、ゼネコン事件など、金権・腐敗事件を繰り返してきました。世論の批判を浴び、まがりなりにも「党所属国会議員による国民の疑惑を招いた事件については、党自らがその解明にあたる」(92年の自民党「政治改革の基本方針」)といったんは国民に公約しましたが、小泉政権はこの公約さえ投げ捨て、自浄能力のなさをさらけだしたのです。

「本人が判断すべき」

 自民党は野党が提出した鈴木氏への議員辞職勧告決議案の本会議上程を2度(3月20日、5月14日)にわたって衆院議院運営委員会で否決してきました。「国会議員の身分を保障する憲法の趣旨に反する」(大野功統議員)などというのがその口実です。

 しかし決議案は、鈴木氏が国民の政治不信を増大させた自らの責任を自覚し、議員辞職を促すという、政治的道義的責任を追及したもの。1985年6月に国会で議決された「政治倫理綱領」は、政治倫理に反する疑惑がもたれた場合、「みずから真摯(しんし)な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」と定めています。自民党はこうした最低限のとりきめにさえ反し、鈴木氏の責任を不問にしてきたのです。

 自民党は、鈴木氏が離党したことで、当事者ではないかのような態度です。しかし、鈴木氏は同党の衆院比例代表北海道ブロックの名簿1位で国会議員に当選した人物です。

 「出処進退は本人が判断すべき問題で、本人が判断しないといけない」(17日)。

 鈴木氏の逮捕許諾という事態になっても小泉首相は、あくまで人ごとです。こういう小泉内閣が国民の支持を失うのは当然です。

与党案は抜け道だらけ

 「政治とカネ」の腐敗構造を断つ再発防止策にも政府・与党は背を向けています。鈴木氏のあっせん収賄容疑では、政治資金規正法にもとづいて届け出た献金であっても、わいろとして認定されることが示されました。利権・腐敗の政治を根本から断ち切るには、企業・団体献金を全面禁止することが不可欠です。

 日本共産党など野党4党は、鈴木氏らの疑惑を受け、少なくとも、税金で行う公共事業を受注する企業から献金を受け取らないとする政治資金規正法改正案を国会に提出しました。

 ところが自民、公明、保守の与党3党はこの改正案を委員会に付託せず、審議を妨害しています。自民党の町村信孝幹事長代理は「実質的に企業献金の全面禁止になる」とまでのべ、反対しました。

 与党が提出したあっせん利得処罰法改正案も、私設秘書に対象を拡大しただけでお茶を濁しました。立証の難しい「請託」が盛り込まれたり、あっせんの対象を契約と行政処分だけに限るなどわいろ政治の“抜け道”はそのままです。

 公明党は同法案の審議で「この改正で政治家と金にまつわる不祥事がなくなり、国民の政治に対する信頼を回復することができるかどうか」(山名靖英衆院議員)などと、法案の不十分さを半ば認めながら、野党の抜本的な修正要求を拒否するという無責任な態度に終始しました。

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国会レポート

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