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「やまりん」官房副長官室で依頼・鈴木議員がその場で電話=行政処分の緩和

2002年6月15日・「しんぶん赤旗」報道

 疑惑の政治家、鈴木宗男衆院議員(自民党離党)に14日、ついにあっせん収賄疑惑―。鈴木議員は、官房副長官室で後援企業「やまりん」幹部から行政処分の緩和を求められ、その場で林野庁の幹部に電話、同じ日に現金約400万円も受領していました。悪質な盗伐業者のわいろを受けて、同庁に処分緩和の要請を繰り返していたのです。

 関係者によると、やまりんの会長、社長ら6人が鈴木氏を訪問したのは1998年8月4日。鈴木氏が小渕内閣の官房副長官に就任した5日後でした。

 やまりんは同年6月、違法伐採で7カ月の入札参加資格停止処分を受け、関連会社2社も売買契約の自粛を求められていました。

 会長らは違法伐採に伴う行政処分で同社の受注が激減する窮状を訴えた上で、処分終了後には十分な受注を確保できるよう同氏に依頼。鈴木氏はその場で林野庁の幹部に電話しました。会長らは同日、依頼の見返りなどとして現金約400万円を提供しました。

 鈴木氏は、その後も、同庁の部長や課長クラスの職員に電話するなどして、処分終了後に、随意契約などでやまりんの受注実績を伸ばし、処分で受けた不利益をばん回できるよう要請しました。

 やまりん関連の「コマバ」「天倉林業」は、やまりんの処分に伴い、98年6月に落札した帯広営林支局管内の立ち木売り払いの自粛を要請されました。しかし、鈴木議員の働きかけがあったためか、処分中も営林署発注の事業を複数回受注していました。

 やまりんの会長は一時期、鈴木氏の後援会長を務めるなど、地元の有力後援幹部。約400万円のうち300万円は、鈴木氏の資金管理団体に関連会社が分散して献金した形になっています。のちに鈴木氏側が「返却」していますが、東京地検はこれを「わいろ」と認定したことになります。

やまりん 政界、林野庁と癒着

 1998年に発覚した林業会社「やまりん」による一連の違法伐採事件では、林業関係者16人、森林官3人が逮捕されました。被害はトドマツなど1万本余で「今までにないほどの大がかりな盗伐」(元林野庁幹部)事件でした。

 事件をきっかけに林野庁が99年におこなった特別監査では十勝管内の国有林31カ所で盗伐の疑いがあることも判明。帯広市内の元林業関係者も「やまりんによる盗伐はもう何10年も続いていた」といいます。

 その背景にあったのが、やまりんと、政界、林野庁との深いつながりでした。元林業関係者は「盗伐を営林署に告発しても取り上げてくれなかった。事件でも、職員がやまりんから接待やせんべつを受け取っていたことがはっきりしたが、癒着は業界の常識だった」と告発。そして「やまりんと鈴木議員のつながりは、鈴木議員が故中川一郎議員の秘書だったころから。その力があったからやまりんは守られてきた」といいます。

 日本共産党道議団の調査でも、やまりんには林野庁OBだけでなく、道職員幹部も天下りしていたことが判明。天下り後にはやまりんの受注が急増していることも明らかになっています。

やまりんをめぐる動き

1998年 5月
国有林の不法伐採が発覚
6月
7カ月間の競争入札参加資格停止
7月
鈴木氏が官房副長官に就任
8月
会長らが鈴木氏を訪問。やまりんが行政処分で不利益を被らないよう、林野庁に働き掛けた見返りに現金400万円受領
1999年 1月
釧路地検が元常務ら5人を森林法違反容疑で逮捕、1カ月間の指名停止延長
2月
鈴木氏が衆院予算委員会で「森林法違反を助けることをしたことはない」などと答弁
2000年 2月
別の不法伐採事件で、釧路地検が元常務ら7人を逮捕、4カ月間の指名停止

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