国後ディーゼル発電施設・鈴木宗男氏の関与濃厚に=「不要」の結論を外務省が説明していた
北方4島支援事業の国後(くなしり)島へのディーゼル発電施設設置をめぐり、外務省が新設を決定する前に、「新たな設置は不要」とした東京電力の現地調査結果を鈴木宗男衆院議員(自民党離党)に説明していた疑いが強いことが6日、分かりました。参院外交防衛委員会で、日本共産党の小泉親司議員の質問に同省が答えました。
発電施設設置事業に関し、同省はこれまで「(鈴木氏の)関与は確認されなかった」としていました。説明の経緯が明らかになったことで、決定過程に鈴木氏が関与していた疑いが濃厚になりました。
外務省の回答文書などによると、東電は1999年7月、同省関連の国際機関「支援委員会」から委託を受け、国後島の電力調査を実施。当時官房副長官だった鈴木氏は、同島の「友好の家」(ムネオハウス)の目録贈呈式への出席を兼ねて調査に同行しました。
東電は翌8月、「(既存の)ディーゼル発電機のメンテナンスと燃料調達を確実に実施すれば、電力不足の解消は可能」などとする調査結果をまとめました。同省は回答文書で「その後、鈴木議員に説明したと思われる」としています。
ロシア支援室には、調査結果を鈴木氏に説明すると記したメモが一枚残っており、同省は文書で「(発電施設に関して同氏と)意見交換していた可能性はある」としています。
斎藤泰雄欧州局長は小泉氏の質問に対し「誰が説明したのか、どのようなことが話されたかは確認できていない」としました。
また、ロシア支援室が同年11月18日、東電やコンサルタント会社「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル」の調査報告を無視する形で、発電施設を設置するとした文書を起案していたことも新たに判明しました。同省は、同年12月7日に設置を正式決定しています。