ムネオハウス疑惑・鈴木議員秘書が日揮と口裏合わせ=“5月の初会合を6月に”
国後(くなしり)島の「友好の家」(通称ムネオハウス)をめぐる偽計業務妨害事件で、逮捕された鈴木宗男衆院議員(自民党離党)の秘書宮野明容疑者(53)が、工事を下請け受注したエンジニアリング会社「日揮」(横浜市)に対し、初会合の日を1999年6月とするよう口裏合わせを要求していたことが9日までに、関係者の話で分かりました。
日揮の担当者が、実際に初めて宮野容疑者に会ったのは同年5月下旬。鈴木氏が国会の証人喚問で「宮野秘書は5月中、入院していた。6月3日に会合がセットされた」と述べた証言と食い違いが生じています。
日揮社員の菊地透容疑者(53)は99年6月3日、北海道釧路市内の鈴木氏の事務所で、宮野容疑者に元請けとなる地元企業の紹介を依頼。宮野容疑者は鈴木氏の後援企業2社を紹介し、同容疑者らはその場で入札情報を漏らすなど受注工作をしたとされます。
関係者によると、菊地容疑者は、これに先立つ同年5月22日ごろ、事務所に宮野容疑者を訪問し、地元企業の紹介を依頼。その際、宮野容疑者はコンサルタント会社「日本工営」(東京都千代田区)の担当者と一緒に出直すよう指示したといいます。
ところが、今年に入り、宮野容疑者は菊地容疑者側に連絡して、「最初に会ったのは6月だったな」と話し、初会合を6月3日とするよう口裏合わせを求めたといいます。
鈴木氏は、今年3月11日の衆院予算委員会の証人喚問で「宮野秘書は5月中、頭の手術で入院していた。事務所に出た6月3日に日程がセットされたと伺っている」と説明。このため、宮野容疑者の要求は、証言内容とつじつまを合わせる狙いがあったとみられます。
同容疑者自身も今年2月、マスコミあてに「6月3日にあいさつに行きたいという連絡があり、日揮の社員らが訪ねてきた」とする文書を出していました。