電話でムネオ氏圧力=体験者が証言・公共工事で
鈴木宗男衆院議員(自民党離党)の公共工事への介入や口利きを直接体験した人物2人が、このほど本紙にその内容を証言しました。鈴木議員をめぐっては、ムネオハウス(国後島「友好の家」)建設工事の不正入札事件で公設第一秘書が逮捕されていますが、一連の「北方支援」事業や公共工事についての議員本人の関与が問われています。
証言した1人は、北海道のある自治体幹部です。「96年夏ごろ、市発注工事の入札前に、鈴木議員から突然電話がかかってきた」といいます。
電話に出るなり、「オレだ」と名乗った鈴木議員は、工事の入札で、「大成建設を指名からはずせ」といいました。
「理由を聞くと、直接答えず、『業者はなんぼでもいるべや。(指名に)入れろというのはたいへんだが、はずすのは簡単だべや。おれの頼みだからはずせよ』と強引な言い方で要求してきた」とこの幹部は証言します。
理由もはっきりしない要求だったので、結局、指名には入れましたが、大成建設は落札できなかった、といいます。
もう1人は、東京に本社がある建設会社の営業幹部です。
「鈴木議員に何回か、公共事業で頼みに行ったことがある」というこの幹部は、目の前で、鈴木議員が電話を取って口を利いてくれた現場にいました。
「この仕事が欲しいとお願いしたら、その場で受話器をとって『入れろ』といってくれた。それで入れた」といい、「後日、お礼のお金を出そうとしたら、秘書は『今はいらない。献金やパーティー券をお願いする』といった」といいます。
政治資金収支報告書に届け出た金にも、裏側があることをこの幹部の証言が示しています。