地元外のゼネコン62社が宗男後援会をつくる=献金4年で3400万円
北海道釧路・根室管内に出先の事業所を持つ大手ゼネコンなど62社が、鈴木宗男衆院議員(自民党離党)の「全面後援」を目的とする後援会組織をつくっていたことが本紙の調べでわかりました。この管内は鈴木議員の地元選挙区。同議員は、「北方四島支援事業」を地元企業に受注させ、政治献金を得た疑惑が持たれていますが、地元に出先をもつゼネコンの支援組織までつくっていたことが明るみに出たのは初めてです。
この組織は鈴木議員の名前の一字をあててつくられた「宗建会」。
1997年8月に設立され、「釧路・根室管内に、出先事業所を有する管外建設事業者」で構成され、62社(役員12社、会員50社)が加盟しています。
「宗建会会則」によると、同会の目的は「釧路・根室管内の経済活性化を図るため、鈴木宗男氏の政治活動を全面的に後援し、かつ会員の親睦を計ること」。建設業界による後援会組織で、目的達成のため「必要と認められる諸事業及び活動を行う」(会則第5条)としています。
会員名簿によると、役員・会員は土木建築、港湾、舗装の3分野に分けられ、顧問には五洋建設(港湾)、会長は田中組(土木建築)、副会長には日本舗道(舗装)、佐藤工業(土木建築)、北旺建設(港湾)の3社の支店長などが就任。事務局は東亜建設工業が担当しています。
会員50社の内訳は土木建築29社、舗装9社、港湾12社。会員には国後島の桟橋改修工事を受注した「島田建設」(本社・網走市)や、鈴木議員が強引に誘致した「JICA(国際協力事業団)帯広センター」の受注会社、萩原建設工業の名も。
同会設立後の97年以降の政治資金をみると、会員62社のうち、36社が鈴木議員の資金管理団体や政党支部に献金、献金総額は4年間で3457万円となっています。
もっとも多く献金した企業は萩原建設工業の394万円で、以下、川田工業392万円、北旺建設250万円、島田建設200万円と続いています。
ゼネコンが特定議員のための後援会をつくるのは異例のことで、公共事業をめぐる鈴木議員の「力」を示すものです。
事務局をつとめる東亜建設工業釧路営業所の所長は同会について「親ぼくのため年2回ゴルフをやるが、秘書や代議士に仕事のお願いをしたことは一切ない。鈴木事務所主催のパーティー券を購入するほか、選挙支援で街頭演説のときの動員を各社にファクスするぐらいのことはやる」と話しています。